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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1409【定期号】2016.6.15 ◆
  _/NIC
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【NTTコミュニケーションズ株式会社】
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◆ News & Views vol.1409 です
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本号の特集では、2016年5月23日~27日にデンマークのコペンハーゲンで開催
された、第72回RIPEミーティングの模様をご報告します。全体概要、IANA機
能監督権限移管セッション、アドレスポリシーなどの技術動向をお伝えして
いますが、カバーできなかった話題についてはJPNIC Blogでも取り上げる予
定です。RIPEミーティングの開催前に公開した記事もありますので、JPNIC
Blogも併せてご覧ください。

  JPNIC Blog:RIPE 72がコペンハーゲンで開催されます
  https://blog.nic.ad.jp/blog/ripe72-policy-proposal/

コラムは、JPNICにおけるIPv6の教育普及の場面で講師などを務めていただい
ている三井情報株式会社の高津智明氏に寄稿いただきました。インターネッ
ト用語1分解説では、WHOISプロトコルの後継として標準化された「RDAP」を
取り上げています。

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◆ 目次
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【 1 】特集
       「第72回RIPEミーティング報告」
【 2 】News & Views Column
       「トレンドはめぐる、技術とエンジニアリングスキル」
         三井情報株式会社  高津智明氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「RDAPとは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】特集 「第72回RIPEミーティング報告」
                                     JPNIC インターネット推進部 奥谷泉
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回は、2016年5月23~27日にデンマーク・コペンハーゲンで開催された、第
72回RIPEミーティング(RIPE 72)の様子をレポートします。RIPEミーティング
では、その時々に着目すべき発表を扱うPlenary(プレナリ、全体会議のこと)
セッションから、ワーキンググループおよびBoFのトピックスに至るまで、大
変多様な話題が議論されます。本稿ですべてをカバーすることは残念ながら
できませんが、アドレスポリシー関連の議論を含む、皆さまに関わりのあり
そうなトピックスを中心にご紹介します。


■全体概要

事前参加登録者は過去最大で700名を越え、実際には676名の参加があったと
の発表がチェアより会議初日にありました。参加者はヨーロッパ地域内のネッ
トワークオペレーターが中心ですが、Europolのような法執行機関、ドイツや
スウェーデン等からの政府関係者等幅広い層の参加者を取り込んでいます。
今回は、ICANNのCEOおよび理事複数名、IETFチェア、ISOCスタッフ等、いわ
ゆるI*団体と呼ばれる組織からの参加も目立ちました。

初日のPlenaryでは、ICANNの新CEOとして着任したばかりのGoran Marby氏が、
ボトムアップでさまざまな関係者を取り込むマルチステークホルダープロセ
スおよびIPv6導入促進の重要性を語りました。また、昨今RIPEは「The RIPE
Academic Cooperation Initiative (RACI)」と呼ばれる学術機関の研究と運
用の連携強化にも注力しており、RIPE会議中、学術関係者による発表も設け
られていました。

また、ミーティング開始前の6月21~22日には、コミュニティの協力を得なが
ら実施しているインターネットの計測プロジェクトである、RIPE Atlasの
Hackathonも行われ、今後の改良点のRIPE Atlas開発者に対するインプットに
つながりました。RIPE AtlasのHackathonは、2015年にも実施されています。

そして、今回はデンマーク開催ということで、北欧の国別のIXP、トランジッ
ト事業者や市場を比較・紹介する発表もPlenaryで行われ、地域の接続事情の
全体像をつかむにはよい発表でした。

  Interconnection in the Nordics
  https://ripe72.ripe.net/presentations/10-Interconnection-in-the-nordics-RIPE72-v3.pdf

ミーティングのプログラムについては、下記のWebサイトをご覧ください。

  RIPE 72 Meeting Plan
  https://ripe72.ripe.net/programme/meeting-plan/

基本的には議論・情報交換を中心とした会議であるため、決定事項はありま
せんでしたが、最終日のClosing PlenaryではBest Current Operational
Practices (BCOP)タスクフォースから、RIPEにおけるIPv4アドレス在庫が枯
渇したことを踏まえて、今後の進むべき方向をRIPEコミュニティとして明確
なステートメントとして出すことがチェアに対して提案されました。

また、今回の会議では、RIPEチェアの選挙実施が発表されました。現チェア
のHans Petter Holen氏は、前任のチェアから委任をされてコミュニティの信
任も厚いようですが、暫定的なチェアとして委任されたとして選挙の実施に
至ったとの説明がありました。特に不信任が表明されていない状況において
も、あえてコミュニティが参加する選挙を行い、コミュニティからの支持を
明らかにしようとする点は、ボトムアップの精神を重視しているRIPEコミュ
ニティらしいプロセスだと言えそうです。


■IANA機能監督権限移管セッション

今回は、2014年3月の米国商務省電気通信情報局(NTIA)によるIANA機能監督権
限を移管する意向の発表から約2年の時を経て、2016年3月10日にグローバル
インターネットコミュニティが策定した提案の提出が完了したという、一つ
のマイルストーンを迎えた後のRIPE会議でした。そして、セッションと同日
に米国議会での公聴会が予定されているタイミングでもありました。

番号資源コミュニティの立場から、IANA機能監督権限移管およびICANN説明責
任強化に向けた提案とそのプロセスの振り返りが行われました。どちらの提
案においても、番号資源コミュニティが重視したポイント、つまり「ボトム
アップでコミュニティベースのプロセスの有効性をインターネットコミュニ
ティ内外に証明したこと」と「五つの地域をまたいだ番号資源コミュニティ
の団結と一貫した姿勢を他のコミュニティにも示せたこと」が反映されたこ
とが強調されました。

セッションの最後に、RIPEチェアよりRIPE地域のCRISP (クリスプ、
Consolidated RIR IANA Stewardship Proposal)チームメンバー3名それぞれ
に表彰とシャンパンが贈られ、サプライズとして筆者にまで、チェアとして
の務めへの感謝の印として盾をいただきました。


■アドレスポリシー提案

現在RIPE地域で議論中のアドレスポリシー提案は5点あり、各提案の概要は、
今回のRIPEミーティングの開催前に公開したJPNIC Blogでご紹介しています。

  JPNIC Blog:RIPE 72がコペンハーゲンで開催されます
  https://blog.nic.ad.jp/blog/ripe72-policy-proposal/

  2015-04:RIPE Resource Transfer Policies
           (RIPE地域における資源の移転ポリシー文書の統合)
  2015-05:Last /8 Allocation Criteria Revision
           (最後の/8からの割り振り基準の見直し)
  2016-01:Include Legacy Internet Resource Holders in the Abuse-c
           Policy
           (歴史的経緯を持つPIアドレスにもAbuse-cの登録を求める)
  2016-02: Resource Authentication Key (RAK) code for third party
           authentication
           (第三者認証のためのRIPEデータベースにおけるRAKコードの提供)
  2016-03:Locking Down the Final /8 Policy
           (最後の/8ポリシーの厳正化)

2016-02以外の提案はすべて、IPv4アドレスに関する内容であるためか、この
一連の議論に対して「Rearranging the deck chairs on the Titanic(目の前
の問題解決に何の役にも立たない)」と表現して個別に皮肉を述べている参加
者もいましたが、全体としてはセッションおよびその後のメーリングリスト
での議論もそれなりに活発に行われていました。

RIPE会議のプロセスでは提案に対するコンセンサス確認は行わないため、い
ずれの提案に対する結論にも至っていませんが、2015-04は、組織の吸収合併
時にも移転後2年間は移転できないとの制限を設けるべきではないとの指摘が
あった以外は、懸念は見受けられませんでした。2015-05および2016-03には
賛否両論があり、当面コンセンサスに至ることは難しいと思われます。

今回、IRRとRIPEデータベースの連携強化を求めていることから、目新しかっ
た提案である2016-02は、RIPE NCC Servicesワーキンググループで議論され、
IRR情報の正確性向上のためという趣旨には賛同が見受けられました。RIPE
データベースとIRRを連携させる仕組みについても、RADBやNTT社のIRR等の主
要なIRRの賛同を受けていることが提案者から説明されました。もし今後コン
センサスが得られた場合、他のRIRも、IRRによる認証に協力を求められる動
きが広がることも想定されます。一方、RPKIおよび他の対応策も含めて総合
的に検討すべきであるとの意見もあり、継続議論となっています。


■IPv4アドレスの移転

今回の会議は、RIPE地域がRIR間の移転ポリシーを施行してから間もないこと
から、ARIN地域からRIPE地域への移転を行った事例紹介がRandy Bush氏によ
り行われました。特にARIN地域は歴史的経緯を持つPIアドレスに対して契約
締結を行っていないため、移転申請を行ったアドレスの分配を正当に受けて
いることの証明に、多くの労力が必要だったそうです。

  A Happy Story of Inter-RIR Transfer of Legacy Blocks from ARIN to
  RIPE
  https://ripe72.ripe.net/presentations/65-160524.ripe-transfer.pdf

JPNICは、すべての歴史的経緯を持つPIアドレスに対して契約締結を行ってい
るため、JPNIC管理下のIPv4アドレス移転であれば、この問題は発生しません
が、ARINからJPNICへの歴史的経緯を持つPIアドレスを移転する際には、似た
ような課題に直面する可能性はあります。会議には複数のブローカーが参加
しており、円滑な移転を支援するため、JPNICの申請手続きについて個別に質
問を受けました。

また、ICANNおよびブローカーであるHilco Streambank社との共同発表とし
て、一部の組織に移転が集中している傾向が共有されました。全体としては、
移転を行うトップ10の組織が、移転アドレス総数の40%以上を占めていること
が統計で示されました。このことから、IPv4アドレスの移転は一部の組織に
集中していることが見て取れます。このほか、移転ではなくリースのように、
他社によるアドレス利用を契約を取り交わして認める事例も確認されており、
これらの形態で利用されているアドレスは、実際のアドレス利用者がデータ
ベースに反映されていないことも共有されました。同様の発表はAPRICOT 2016
でも行われています。

  Market Concentration in the Transfer of IPv4 Space
  https://ripe72.ripe.net/presentations/102-IPv4-Transfers-Indicators-RIPE72.pdf


■経路ハイジャック

IPv4アドレス在庫が枯渇した今、経路ハイジャックの事例が話題に上るよう
になってきています。RIPE 72では、プライベートピアリングによる見えない
ハイジャックの事例が紹介されていました。ハイジャックを行っていた組織
は、DE-CIXを経由してYahooとプライベートピアリングを行っており、顧客か
ら到達性の問題について報告を受けて確認したところ発覚したそうです。ハ
イジャックに利用されたAS番号は、AFRINIC管理下の未分配ASだったそうです
が、料金の支払いも滞りのない法的にも問題のない顧客だったため、DE-CIX
はIRRの登録情報を基に経路を流しており、RIPEのIRRはRIPE地域以外の番号
資源について登録資格を確認していないため、今回のような状況に至ったよ
うです。

  Invisibly Hijacking (Plenaryでの発表)
  https://ripe72.ripe.net/programme/meeting-plan/plenary/

  Discussion on Invisible IP Hijacking (Anti-Abuse WGでの発表)
  https://ripe72.ripe.net/presentations/165-invisiable-hijacking-follow-up.pdf

このように、アドレスの正当な利用者をどう正しく認識するかという問題は、
今後も続いていくかと思われます。ポリシー提案2016-02の議論のもと、IRR
とRIPEデータベース間の連携が強化されていくのか着目していきたいところ
です。


■ルーティングセキュリティの強化

昨今、RIPEコミュニティではIRRへのRoute Objectの登録に関して、情報の正
確性と正当性の向上についての議論が行われています。今回はルーティング
WGにて、人的にデータ認証を行うことによるルーティング情報の正確性向上
に向けたNTT社の取り組みへの参加が、Jared Mauch氏により呼びかけられま
した。また、RIPEのIRRデータベースにおいて、他の地域の番号資源の登録が
認められていることで、登録者が正しい資格を持っているのか正確に確認で
きず、また、地域をまたいだ登録情報の重複にもつながることが問題提起さ
れました。今後は、この問題に対する対応の検討が進められます。

  Making Routing Registries Great Again
  https://ripe72.ripe.net/presentations/141-making_routing_great_again_ripe72.pdf

  Bogon ASN Filtering
  https://ripe72.ripe.net/presentations/151-RIPE72_bogon_ASNs_JobSnijders.pdf

ルーティングセキュリティを強化する仕組みとして、RPKIについては、RIPE
NCCからIRRとの連携も強めた新たなツール提供の必要性についてコミュニティ
へ相談が行われたり、DE-CIXが顧客に対してROAをもとにしたValidationを行
うサービスも紹介されたりしていました。

  RPKI Validator
  https://ripe72.ripe.net/presentations/153-RPKI-Validator-3.0-RIPE72.pdf

  RPKI Validation at IXPs
  https://ripe72.ripe.net/presentations/92-2016-05-25_RPKI_Origin_Validation_at_IXPs.pdf

また、ルーティングセキュリティ強化に向けたコミュニティによる取り組み
であるMANRS (Mutually Agreed Norms for Routing Security)についても、
その活動への支持を表明する組織をどう広げるのかといった議論も行われま
した。本文書は、日本語の参考訳をJPNICのWebページで提供しています。

  MANRS BCOP Update
  https://ripe72.ripe.net/presentations/38-Manrs-Bcop-Ripe72-AMR-WVG.pdf

  Mutually Agreed Norms for Routing Security (MANRS)翻訳文
  https://www.nic.ad.jp/ja/translation/isoc/20140924.html

このようにRIPE 72期間中、ルーティングセキュリティの強化に向けて、さま
ざまなアプローチによる情報交換が行われていました。


■会議の振り返り

IPv4アドレスポリシーに関する議論はある程度活発ではあるものの、直接
APNIC地域にも関わる内容は見受けられませんでした。しかし、IPv4アドレス
の在庫枯渇に伴うハイジャックの問題については、今後も留意が必要です。
この対応として、IRRとRIPEデータベースの連携強化を求める2016-02は今後、
他のRIRとの連携やIRRとの関係性を踏まえて動向を着目していきたいところ
です。

また、本稿でカバーすることのできなかったDNS関連やIPv6関連の議論は、今
後JPNIC Blogでご紹介する予定です。

(2016年6月21日追記)
JPNICブログ「RIPE 72ミーティングレポート」
https://blog.nic.ad.jp/blog/ripe72/

■もっと知りたい方へ

ここでご紹介した内容は5日間にわたって開催されたRIPE 72の会議の、ほん
の一部です。

Plenaryセッションやテーマごとの各種運用に関する議論が大変充実していま
したので、ぜひアーカイブから資料や動画をご覧ください。ミーティングレ
ポートも発表されています。

  https://ripe72.ripe.net/archives/
  https://ripe72.ripe.net/programme/report/

次回RIPE 73会議は、2016年10月24~28日にスペイン・マドリッドで開催され
る予定です。


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
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 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1409/9130eb7dc4e8249403c303d345afa611┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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【 2 】News & Views Column
       「トレンドはめぐる、技術とエンジニアリングスキル」
                                             三井情報株式会社 高津智明
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「時代はめぐる」とよく言う。それを聞くたびにお年寄りの言葉だと思って
いたのだが、最近実感として自分自身が郷愁に浸ることがよくある。
平成生まれのSEさんから見れば、私ももう旧世代の職人なのかもしれない。

インターネットやITシステムを構成する技術や製品も、広義に見れば似たよ
うなテクノロジーが流行り廃れて、時代のうねりと共にめぐり、注目されて
いる。インターネットの創生期、イーサーネットLANが一般的に成りつつあっ
た頃、もっぱら注目されたのはハードウェア制御、すなわちアクセラレーショ
ンの技術である。それまでソフトウェアで実装・検証されたルーティングや
フォワーディングの技術が、より高速に安定して動作するようにハードウェア
化され、今では当たり前になったルーターやスイッチ製品が台頭した。
当初100kbps(キロビット毎秒)程度の回線処理で高速と言われたルーターは、
今や100Gbps(ギガビット毎秒)とおよそ1,000,000(百万)倍オーダーの性能を
誇る。現在はインターネットルーティングの経路数も60万ルート規模となり、
10年前、20年前のハードウェアとは必要とされるキャパシティが大きく異な
る。

興味深いのは、この20年間で追求されてきた単純なハードウェアアクセラレー
ションの機能について、トレンドがより汎用的かつ柔軟な機能に変遷しつつ
あることだ。

今まではL3ルーティングやL4ロードバランスなど、アプリケーションレイヤー
から見れば比較的単純な処理を高速に実現する為のハードウェアとして
ASIC(*1)、FPGA(*2)、CAM(*3)などが開発されてきたが、近年では単純なルー
ティング情報の交換とは言えなくなったマルチプロトコルBGPや、メールに封
入されたウイルス類を検知する必要のあるファイヤーウォールの処理など、
かなり複雑でキャッシュの効かない機能がネットワークインフラに求められ
るようになり、特化した機能を高速化するプロセッサより、むしろ汎用処理が
できるサーバー向けCPUの効率利用が重要視されつつある。

複雑なネットワークファンクションをソフトウェア実装し、これを高速な
CPUで動作させるという動きは、まさに NFV (Network Functions
Virtualization)に他ならない。これは、20年間ハードウェアに特化されてき
たネットワーク機能を、十分に高速化されたCPUとメモリーの恩恵を持って、
仮想化サーバー上に実装し、ユーザーの求める機能を必要なだけ選択して提
供できる環境が整いつつあるということだ。

新しいネットワークインフラが普及しつつある今は、ハードウェアオペレー
ターとして特化したスキルを求められてきたSEにとって、仮想化ネットワー
クひいてはSDN (Software Defined Network、ソフトウェア定義ネットワー
ク)の台頭によって、ソフトウェア技術やサーバー技術まで幅広いスキルを求
められる大きな転換期である。

インターネット創生期、ネットワークを構築するエンジニアはサーバー管理
者でありプログラマーでもあることが珍しくなかった。ITエンジニアと言え
ばコンピューター関係なら何でも触れるすごい人という誤解が蔓延した。今
まさにそんな時代に逆戻りしそうな感慨に浸る、時代と共にトレンドは繰り
返し、僕も年をとったのかもしれない。

  (*1) Application Specific Integrated Circuit
  (*2) Field-Programmable Gate Array
  (*3) Computer Aided Manufacturing


■筆者略歴

高津 智明(こうづ ともあき)

IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースで技術者の教育・育成を担当する教育
WGのエンジニアリングを担当。

~2003年 住友商事グループ 住商テレメイト、住商エレクトロニクスなどで
新世代通信技術商材の発掘・市場立ち上げを担当、Fibre Chanel、
YAMAHA Router、Redback DSL BAS、ONI DWDMなどの市場開拓を担当。

2003年~2014年 株式会社日立製作所入社、アラクサラネットワークス株式会
社出向、ルーター/イーサネットスイッチ製品を主体とした自社製品の市場開
発やプレマーケティング、エンジニアリングを担当。

2015年~ 三井情報株式会社 入社、SDI/仮想化技術に関する戦略推進などを
担当。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「RDAPとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

RDAP (Registration Data Access Protocol)とは、IPアドレス等のレジスト
リに登録したデータにアクセスするためのプロトコルで、WHOISプロトコルの
後継として、RFC7480~7485において標準化されたものです(*1)。

RDAPの主な特徴としては、

・HTTP(S)にて通信されること
・応答がJSON (JavaScript Object Notation)(*2)形式で構造化されているこ
  と

が挙げられ、TCP43番ポートを用いてテキストベースで通信されるWHOISとは
異なっています。

WHOISは、データ形式がレジストリ間で統一されていないことから、機械的な
解析が困難でしたが、RDAPではデータ形式がレジストリ間で統一されたJSON
のフォーマットとなっています。たとえば、IPアドレスについては、始点の
アドレスが"startAddress"、終点のアドレスが"endAddress"という名前を持
つオブジェクトに格納されます。これにより、WHOISで検索したIPアドレスを
機械的に処理しようとした場合などに、より解析をしやすくなっています。

RDAPはIPアドレスの他に、AS番号やドメイン名といったインターネット資源
を、共通のフォーマットで扱うことができるようになっています。IPアドレ
スとAS番号については、既に世界中に五つある地域インターネットレジスト
リ(RIR)すべてのRDAPサーバーにて、参照することができるようになっていま
す(*3)。

RDAPが策定された経緯や参照方法については、過去のインターネット用語1分
解説やJPNICブログにて詳しく解説していますので(*4)、ぜひそちらもご参照
ください。

(*1) Web Extensible Internet Registration Data Service (weirds)
     https://datatracker.ietf.org/wg/weirds/documents/

(*2) インターネット用語1分解説「JSONとは」
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/json.html

(*3) IANA IPv4 Address Space Registry
     http://www.iana.org/assignments/ipv4-address-space/ipv4-address-space.xhtml

     IANA IPv6 Address Space Registry
     http://www.iana.org/assignments/ipv6-address-space/ipv6-address-space.xhtml

     Autonomous System (AS) Numbers
     http://www.iana.org/assignments/as-numbers/as-numbers.xhtml

(*4) インターネット用語1分解説「次世代WHOISとは」
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/next-gen-whois.html

     JPNICブログ「RDAP ~次世代WHOISプロトコル~ の紹介」
     https://blog.nic.ad.jp/blog/rdap-intro/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2016年1月~2016年6月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付| AD   AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
 1/1|260  3561 379056 594 32541 14214 6570 4998 1843 2367 839520 113521  8590 2612 1410247
 2/1|259  3564 379743 590 32607 14183 6562 5007 1852 2364 841880 113514  8611 2673 1413409
 3/1|258  3563 380856 592 32749 14163 6552 5028 1865 2361 844626 113465  8634 2605 1417317
 4/1|258  3566 382284 590 32889 14138 6538 5024 1874 2354 847537 113153  8656 2626 1421487
 5/1|259  3564 383500 587 32999 14104 6527 5039 1875 2350 850454 113128  8727 2600 1425713
 6/1|259  3565 384480 585 33101 14087 6504 5050 1875 2342 852026 112474  8757 2583 1427688
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2015年12月~2016年5月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
  12 |     3072 |        0 |   93066184
   1 |     1024 |     1024 |   93066184
   2 |   138240 |   133120 |   93071304
   3 |    75776 |    72704 |   93074376
   4 |     3072 |        0 |   93077448
   5 |     1024 |        0 |   93078472
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2016年6月14日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |     97 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     38 |
 ---------------------
  合計      |    186 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2016年6月15日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           412


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2016.6.13(月)~15(水)        NANOG 67 (Illinois, U.S.A.)
  2016.6.17(金)                第59回通常総会
                               (東京、ホテルメトロポリタン エドモント)
                               第114回臨時理事会
                               (東京、ホテルメトロポリタン エドモント)
  2016.6.23(木)~7.1(金)       JPNIC技術セミナー (東京、JPNIC会議室)
  2016.6.27(月)~30(木)        ICANN 56 (Helsinki, Finland)
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  2016.7.6(水)~8(金)          JANOG38 (沖縄県、沖縄かりゆしアーバン
                               リゾート・ナハ)
  2016.7.17(日)~22(金)        IETF 96 (Berlin, Germany)
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  2016.8.1(月)~5(金)          APAN 42 (Hong Kong, China)
  2016.8.1(月)~9(火)          SANOG 28 (Mumbai, India)
  2016.8.2(火)                 第30回JPNICオープンポリシーミーティング
                               (東京、JPNIC会議室)


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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 JPNIC News & Views vol.1409 【定期号】

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