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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1641【臨時号】2018.11.26 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1641 です
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2018年10月上旬にカナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーで開催
されたNANOG 74/ARIN 42ミーティングのレポートを前後編に分けてお届けし
ています。前編ではミーティングの全体概要と、技術関連動向をご紹介しま
した。後編となる本号では、アドレスポリシー関連動向として、ARIN 42ミー
ティングの議論の様子をご紹介します。

前編でお届けした内容については、下記のバックナンバーをご覧ください。

□NANOG 74/ARIN 42ミーティング報告 [前編]
  全体概要および技術関連動向報告
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2018/vol1639.html

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◆ NANOG 74/ARIN 42ミーティング報告 [後編] アドレスポリシー関連動向
                                               JPNIC IP事業部 川端宏生
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本稿では、NANOG 74ミーティングに引き続いて、2018年10月4日(木)~5日(金)
に開催された、第42回ARINミーティング(ARIN 42)の様子を、アドレスポリ
シー関連の議論を中心に紹介します。ARINは、北米およびカリブ海周辺の一
部地域を管轄する地域インターネットレジストリ(RIR:Regional Internet
Registry)です。

秋のARINミーティングは通常、NANOGミーティングと併催されます。インター
ネットの運用者コミュニティと、番号資源管理コミュニティのミーティング
を続けて開催することで、双方の密なコミュニケーションをめざして、この
ような開催形式となっているようです。NANOGミーティングでは、ネットワー
クの運用に関するさまざまな議論が行われていますが、ARINミーティングで
は、2日間の会期中ほぼすべての時間が、IPアドレス・AS番号の管理に関わる
議論に充てられています。

ARINミーティングは、他のRIRのミーティングに比べ、提案の数が多いのが特
徴です。これまでのARINミーティングでは、毎回10件近くの提案が議論され
ることが多かったのですが、今回議論予定の提案は5件と、やや少ない状況で
した。

APNICミーティングでの議論では、出された提案の背景を理解することに時間
を費やし、ポリシー文書改定のためのより深い議論に至らないケースも見受
けられます。ARINのポリシー策定プロセスでは、提案がコンセンサスを得る
までの間に、議論と提案内容のブラッシュアップを複数回繰り返す仕組みに
なっています。このプロセスが、メーリングリストやミーティングの参加者
に、提案内容のさらなる理解を促すようです。また、ミーティングとミーティ
ングの間には、メーリングリストで活発な議論が行われてきています。提案
内容や現在のポリシーの現状を熟知する参加者により、ミーティング当日の
わずかな議論時間であっても、より深い議論が行われている印象を受けまし
た。

各セッションで利用された資料、発言録、当日の発表風景の映像・音声など
は、下記のWebサイトでまとめて公開されています。

  ARIN 42 Meeting Report
  https://www.arin.net/vault/participate/meetings/reports/ARIN_42/

なお、会場の雰囲気などは、フォトレポートとしてJPNIC Blogに公開してい
ます。こちらも併せてご覧ください。

  JPNIC Blog:NANOG74・ARIN 42ミーティング フォトレポート
  https://blog.nic.ad.jp/blog/nanog74arin42_photo/


■ アドレスポリシー関連動向

ARINでは、ポリシー提案が提出されると、ARIN Advisory Council (ARIN AC)
と呼ばれるコミュニティから選出されたメンバーが中心になって議論を進め
ていきます。ミーティング当日の発表を行うのも、提案者ではなくARIN ACで
す。

ARIN ACは、ARINにおけるIPアドレス・AS番号の分配ポリシーを熟知している
必要があります。議論の参加者もまた、ポリシーを熟知している人が多いよ
うで、ポリシーが網羅された冊子を片手に、細かな文言についてまで議論を
行う場面がたびたび見受けられました。他の地域のミーティングでは見られ
ない光景で、ポリシー議論への関心の高さが表れているように思いました。

ARIN地域で議論中のアドレスポリシー提案について、JPNIC Blogでご紹介し
ています。

  JPNIC Blog:ARIN 42でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご
  紹介
  https://blog.nic.ad.jp/blog/arin42-policy-proposal/

提案内容の詳細については、JPNIC Blogでご紹介している内容を参照いただ
くことにして、今回のメールマガジンでは、当日どのような議論が行われた
かを簡単にご紹介します。

ARIN 42での議論の時点では、ARIN-2018-2 (ISPの初期割り振りとリナンバリ
ング許可の明確化)の提案を除き、提案内容をポリシー文書に反映するかどう
かの賛否を確認する段階にありました。提案の最終段階とも言える状況で、
参加者による当日の議論にもおのずと力が入るからか、コメントがなかなか
終わらない場面もよく見られました。

○Recommended Draft Policy ARIN-2017-12: Require New POC Validation
  Upon Reassignment
  (再割り当てにおける新たな連絡先情報を認証する必要性)

  議論の結果:ポリシー文書の改定について挙手による確認が行われ、改定
              について反対する参加者が多い状況であった。議論の内容や
              挙手による確認内容は、提案者やARIN ACと共有され、メーリ
              ングリストでのコンセンサスの確認に進めるかを検討する。

前回のARIN 41ミーティングでの議論を経て、メーリングリストでのコンセン
サス確認にまで至りましたが、ARIN理事による検討では、技術的内容の評価
やISP担当者との議論が不足していると判断され、差し戻しとなった提案で
す。

今回あらためて議論が行われましたが、会場からのコメントは提案に反対す
るものがほとんどでした。この提案では、ISPの顧客に対して、連絡先情報の
登録を行って良いかどうかを確認するための電子メールが送信されることに
なります。メールが顧客のもとに頻繁に届くことを懸念して反対を表明する
参加者が多かったようです。また、連絡先情報として、ISPの情報や、既に認
証済みの情報を利用すればいいのではないかといった代替案も出されていま
した。

連絡先情報を確認するための手順についてのコメントが多く出されていた一
方で、WHOISに登録されることの意味を理解していない担当者の連絡先情報
が、多数生成されるという問題を改善したい、という点については賛成のコ
メントが出されていました。何らかの形で、この問題を解決する方向で検討
が進むようですが、実装方法の詳細についてもう少し議論が続きそうです。

○Recommended Draft Policy ARIN-2018-1: Allow Inter-regional ASN
  Transfers(レジストリ間AS番号移転の許可)

  議論の結果:ポリシー文書の改定について挙手による確認が行われ、改定
              について賛成する参加者が約半数となった。議論の内容や挙
              手による確認内容は、提案者やARIN ACと共有され、メーリン
              グリストでのコンセンサスの確認に進めるかを検討する。

ARINとJPNICとの間でAS番号の移転が可能となることから、JPNICにおいても
注目していた提案の一つです。ポリシー文書に反映する最終確認(ラストコー
ル)直前の状態にあるため、提案に反対する意見はありませんでした。

この提案に対しては、特にRPKIに関して、これまでARINを頂点として認証す
る仕組みであったものが、他の地域に移転されることで、移転後も意図する
ように動作するかどうか、といったコメントが出されていました。

発表者からは、いくつかの調整があるものの、各RIRのトラストアンカーを一
つに集約したグローバルトラストアンカーに移行することで、懸念は解決で
きるとの回答がありました。併せて、アジア太平洋地域を管轄するAPNICとは
テストを実施していることや、過去にRIRをまたいだ移管<Early Registration
Transfer project(ERX)>でAS番号の管理元RIRを変更した経験があることも
報告されており、ポリシーの実装に向けたシステム的な障壁は低いように見
受けられました。

○Recommended Draft Policy ARIN-2018-3: Remove Reallocation
  Requirements for Residential Market Assignments
  (個人ユーザーへの割り当てを目的とした再割り振り要件の廃止)

  議論の結果:ポリシー文書の改定について挙手による確認が行われ、改定
              について賛成する参加者が約半数となった。議論の内容や挙
              手による確認内容は、提案者やARIN ACと共有され、メーリン
              グリストでのコンセンサスの確認に進めるかを検討する。

この提案も、ポリシー文書に反映する最終確認(ラストコール)直前の状態に
ありました。そのような状態ですが、賛成・反対のそれぞれの立場からコメ
ントがありました。

ポリシー文書に記述が設けられたのは、米国においてCATVインターネット接
続サービスが始まった頃の話だったそうです。当時、IPアドレスをプールし
ておく集約機器には、現在のような柔軟なIPアドレス設定ができず、/24単位
でIPアドレスを設定する必要があり、そのためやむを得ず、/24単位でIPアド
レスを割り当てる代わりに、その/24の利用状況は、適切にARINに報告するこ
とになったそうです。現在の状況と合わない記述は削除した方が良いとのコ
メントがありましたが、インターネットの発展の歴史を垣間見た気がしまし
た。

こういったコメントがある一方で、現在の運用は既に定着しており、データ
ベースに登録するために割り当てを管理していることが、個人(宅)への割り
当てを行っていることを証明する情報の一つとなっている組織もあるそうで
す。このポリシーを改定してしまうと、割り当ての管理が適切に行われなく
なってしまうこと懸念するコメントが出されていました。また、割り当て先
を管理しておくことが、アドレスの利用状況の把握やジオロケーションへの
対応などに利用されることにつながるのではないか、といったコメントもあ
りました。

○Recommended Draft Policy ARIN-2018-4: Clarification on Temporary
  Sub-Assignments(再割り当ての明確化)

  議論の結果:ポリシー文書の改定について挙手による確認が行われ、改定
              について賛成する参加者が多い状況であった。議論の内容や
              挙手による確認内容は、提案者やARIN ACと共有され、メーリ
              ングリストでのコンセンサスの確認に進めるかを検討する。

この提案は、ARIN以外にも、APNICやヨーロッパ・ロシア・中近東を管轄する
地域インターネットレジストリであるRIPE NCC (Reseaux IP Europeens
Network Coordination Centre)、南米地域を管轄するLACNIC (Latin American
and Caribbean Internet Address Registry)においても、同じ議論が行われ
ています。

ポリシー文書の改定は、ネットワークの運用上で困っていることを改善する
ことを目的として提案されることが多いのですが、この提案に関して、問題
とされる状況がわからないといったコメントや、提案者が本当に実現したい
ことなのかどうか、といったように、問題意識をはっきりした方が良いので
はないかというコメントが出されていました。

その一方で、ポリシー文書に記述されている内容が、より詳細に定義される
ことに賛同するコメントもありました。議論全体を見ると賛成の雰囲気でし
たので、ポリシー文書の改定が進むことになると思われます。記述内容は今
後も継続して検討されることが想定されます。

○Draft Policy ARIN-2018-2: Clarification to ISP Initial Allocation
  and Permit Renumbering(ISPの初期割り振りとリナンバリング許可の明確
  化)

  議論の結果:ポリシー文書の改定について挙手による確認が行われ、改定
              について賛成する参加者が多い状況であった。議論の内容を
              提案者やARIN ACと共有して、提案内容の修正や今後どのよう
              に進めるかについて検討する。

ポリシー文書の改定提案が行われる背景はいくつかあります。上記で紹介し
たARIN-2018-4(再割り当ての明確化)は、提案者が現在起こっている問題を解
決したいと思うことを提案にしたものですが、この提案ARIN-2018-2は、現在
の状況に合致しない記述やわかりにくい記述を修正するための提案です。

この提案についても、改定に賛成するコメントがほとんどでした。賛成のコ
メントに加えて、未割り振り在庫が枯渇したIPv4アドレスの新規分配ポリシー
について議論をするよりも、既に分配済みのIPv4アドレスの分配先を変更す
るため、移転に関するポリシーやIPv6アドレス分配のポリシーについて議論
をした方が良いのではないか、といったコメントも多く出されていました。


■ 最後に

NANOG 74ミーティングとARIN 42ミーティングについて、前編・後編の2本立
てで報告をしましたが、会期中の参加者による熱い議論のすべてをお伝えす
ることができないことが、とても残念です。

APNICの管轄地域に含まれる日本においても、ポリシーWGが中心となり、JPNIC
でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する議論が行われています。
第35回JPNICオープンポリシーミーティングは、Internet Week 2018と併せ、
11月28日(水)に東京・浅草橋のヒューリックホール&ヒューリックカンファ
レンスにて開催予定です。その場でも、ARIN 42ミーティングの模様を少しご
紹介できればと考えています。

  第35回JPNICオープンポリシーミーティング開催のご案内
  http://jpopf.net/JPOPM35announce

次回のARIN 43ミーティングは、2019年4月7日(日)~10日(水)に、バルバド
ス・ブリッジタウンで、次々回のARIN 44ミーティングは、
2019年10月31日(木)~11月1日(金)に、米国・テキサス州オースティンでの開
催が予定されているそうです。ARIN 44ミーティングの前には、
10月28日(月)~30日(水)の日程でNANOG 74ミーティングが開催されます。

   Upcoming ARIN Meetings
   https://www.arin.net/participate/meetings/


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 JPNIC News & Views vol.1641 【臨時号】

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