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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1661【定期号】2019.2.15 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1661 です
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毎月15日(土日祝の場合はその翌日)に発行している定期号では、特集記事の
みならず、業界メンバーのコラムや用語解説、統計などもお届けしています。

本号では、いよいよ開幕まで3週間と迫った「第64回ICANN神戸会議」を取り
上げます。ICANN会議の日本開催というめったにない機会ですので、奮ってご
参加ください!!

またNews & Views Columnでは、第64回ICANN神戸会議のローカルホスト委員
会メンバーである株式会社インターリンクの森口友里さんに、バルセロナで
行ったプロモーション活動での手応えなどを語っていただきました。

インターネット用語1分解説では、データを暗号化して送受信する仕組みであ
る「SSL」について解説しています。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「第64回ICANN神戸会議、まもなく開幕!!」
【 2 】News & Views Column
       「19年振りにICANNミーティングが日本で開催されます」
         株式会社インターリンク ドメイン事業部  森口友里氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「SSLとは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

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【 1 】特集 「第64回ICANN神戸会議、まもなく開幕!!」
                                     JPNIC インターネット推進部 山崎信
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2019年3月9日(土)から14日(木)まで、第64回ICANN (Internet Corporation
for Assigned Names and Numbers)神戸会議(ICANN 64神戸会議)が開催されま
す。日本でのICANN会議開催は実に19年ぶりです。本稿では、このICANN 64神
戸会議についてお伝えします。

■ ICANNとは

まずは「ICANNとは何か」から説明します。ICANNは、次に挙げるインターネッ
トで使われる一意の識別子(論理資源):

 ・ドメイン名
 ・IPアドレス
 ・プロトコルポート番号およびパラメーター番号

およびDNSルートネームサーバシステムを民間主導でグローバルに調整する目
的で、1998年10月に米国で設立された民間の非営利法人です。ICANNでは、イ
ンターネット資源管理に関連するルール(ポリシー)について国際的に活発な
議論を行っています。


■ ICANN会議とは

○会議の目的およびICANNコミュニティ構成メンバー

インターネットにおける通信が成立するためには、インターネット資源(ドメ
イン名、IPアドレス、AS番号)がグローバルに重複がないよう、一意に割り当
てられる必要があります。

ICANN会議は、このインターネット資源の分配についてのポリシー、とりわけ
ドメイン名に関する分配ポリシーについて、ICANNコミュニティ構成メンバー
が議論を行い、策定するために開催されます。正確には、ICANNはインターネッ
トで使われる一意の識別子の管理と、そのための方針策定に責任を持ちます。
ただしIPアドレスについては方針策定および管理の両方について、最上位階
層が対象となるグローバルポリシー以外はNRO (Number Resource
Organization)が行っており、プロトコルポート番号およびパラメーター番号
についてはIETF (Internet Engineering Task Force)が方針を策定(管理は
IANA (Internet Assigned Numbers Authority))しています。国コードトップ
レベルドメイン(ccTLD)については、それぞれの国が方針を策定し、また管理
も行っています。そのため、ICANNでのポリシー議論は主に分野別/一般トッ
プレベルドメイン(gTLD)が対象となっています。加えて、全世界に広がるイ
ンターネットを対象としていることもあり、ICANN全体の管理体制に関する議
論もこれまで継続的に行われてきています。

ICANNコミュニティ構成メンバーは、大別すると次の2種類のグループからな
ります。

 ・支持組織(Supporting Organization, SO):
   ICANNの各分野に関連する方針策定について、理事会を支援し勧告を行う
   役割を負う組織です。

 ・諮問委員会(Advisory Committee, AC):
   理事会に対し専門的立場から助言を行う組織です。

次に示すように、SOは3組織、ACは4組織あります。

1. 一般/分野別ドメイン名(gTLD)利害関係者のグループ(分野別ドメイン名
   支持組織、GNSO)
2. 国別ドメイン名(ccTLD)を管理している事業者のグループ(国コードドメイ
   ン名支持組織、ccNSO)
3. IPアドレス、AS番号を管理している事業者のグループ(アドレス支持組織、
   ASO)
4. 各国政府代表からなる諮問委員会(政府諮問委員会、GAC)
5. 一般インターネット利用者からなる諮問委員会(At-Large諮問委員会、
   ALAC)
6. セキュリティと安定性のための諮問委員会(セキュリティと安定性に関す
   る諮問委員会、SSAC)
7. ルートネームサーバ運営者からなる諮問委員会(ルートサーバーシステム
   諮問委員会、RSSAC)

このうちGNSOについては、さらに利害関係者別に、次の部会(Constituencyま
たはStakeholder Group)があります。

1.1. ICANNと契約関係にありドメイン名の台帳を管理している事業者(レジス
     トリ)の部会(レジストリ部会、RySG)
1.2. ICANNと契約関係にありドメイン名登録サービスを販売している事業者
     (レジストラ)の部会(レジストラ部会、RrSG)
1.3. ドメイン名利用者としての一般企業を代表する作業部会(ビジネスユー
     ザー部会、BC)
1.4. 知的財産関連の弁護士等からなる作業部会(知的財産部会、IPC)
1.5. ドメイン名利用者としてのインターネットサービス提供事業者等からな
     る作業部会(インターネットサービスプロバイダー・接続プロバイダー
     部会、ISPCP)
1.6. ドメイン名利用者としての非商用関係者からなる作業部会(非商用ユー
     ザー部会、NCUC)
1.7. 非営利団体・国際機関からなる、これら団体へのサービス提供に関する
     運用についての関心事を表明するための作業部会(非営利運用関連関係
     者部会、NPOC)

ICANN会議では、他に最新技術の共有、ICANN自身の運営についての検討、
ICANN自身の理事会(公開で行われます)なども会期中に開催されます。

ICANNのポリシーについては、ICANN会議の場だけではなく、普段からメーリ
ングリストや電話会議などで議論されており、それを補完するものと言うこ
とができると思います。ですので、単一のICANN会議だけで決まることはそれ
ほどありませんが、ICANN会議で新たな議論が開始されたり、継続して行われ
た議論がICANN会議で収束したりすることはあります。また、非言語的コミュ
ニケーションによる補完、思わぬ偶然の発見/出会い、コミュニティ横断的
な議論や参加者同士が親睦を深める機会などのメリットは、対面会議ならで
はのものです。

○会議開催形態

ICANN会議は年3回開催され、各回は異なった地域の持ち回り開催となります
(ICANN 63は欧州、ICANN 65はアフリカで開催)。加えて、三つのフォーマッ
トがあり、ICANN 64神戸会議はコミュニティフォーラムとなります。(*)

  (*) ICANNの会議種別とは
      https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/icann-meeting-strategy.html


○ICANN会議の参加費用および利用言語

ICANN会議の登録料は無料となっています。現地参加できない方のために、ほ
とんどのセッションは遠隔参加も可能です。参加される皆さんの時間、意志、
英語力と電話またはインターネット接続さえあれば参加できます。また、多
くのセッションは録音され発表資料や録音は公開されます。主要なセッショ
ンでは、リアルタイム発言録がインターネットで公開され、主要な言語(国連
公用語6ヶ国語等)での同時通訳も付きます。なお、ICANN 64 神戸会議では、
一番大きな会議部屋で開催されるセッションについては日本語の同時通訳が
入る予定です。


■ ICANN会議に参加する理由

なぜ多くの参加者(コミュニティフォーラムと年次総会では約2,000名)が、
ICANN会議に参加しているのでしょうか。ここまで読んでICANN 64神戸会議に
興味を持たれた皆さんが、参加したくなるような理由をいくつか挙げてみま
す。まず全般的には、20年にわたり行われてきた、世界随一のマルチステー
クホルダープロセスによるポリシー策定議論の元祖と言ってもよいICANNの、
闊達な議論プロセスをこの目で見るまたとない機会になるということが挙げ
られます。

○ドメイン名に興味のある方

対象はさまざまですが、主にGNSOで議論されているドメイン名関連ポリシー
の策定に関与したり、動向を追ったりすることが第一義的な理由になるので
はないでしょうか。ポリシー議論については、「直接のビジネス上の利害が
絡む関係者だけで議論すればよいではないか」とお考えの方がいらっしゃる
かもしれませんが、そうすると一般の利用者に不利な取り決めがされてしま
うかもしれません。多様な関係者が参加するマルチステークホルダーモデル
であるからこそ、物事を色々な観点から検討することができるという見本を、
皆さんの目で体験してみてください。

○ネットワーク技術者の皆様

ドメイン名およびDNS関連の技術情報に関する議論へ参加できます。SSACおよ
びRSSACについては技術的なトピックを扱うので、技術者の皆さんには各国
ネットワーク運用者グループ(NOG)、IETF、OARCに加えてもう一極として、興
味をお持ちになる対象ではないかと思います。


■ ICANN 64神戸会議の見どころ

ICANN会議では多岐にわたる議論が行われますが、ICANN 64神戸会議では、次
のトピックが注目されています。

○gTLD登録データ(WHOIS)をGDPR (EU一般データ保護規則)に適合させるため
の暫定仕様に関するポリシー策定

2018年5月にICANN理事会が承認した、暫定仕様書を1年以内で正式仕様にする
ための検討が行われています。予定では、ICANN 64神戸会議開催時には議論
は終わり、意見募集が開始されます。併せて、暫定仕様書では検討待ちとなっ
ている、非公開データ項目に対するアクセス認定メカニズムの議論に向けた、
いわゆる統一アクセスモデル(UAM)の検討も行われています。

○次期新gTLD募集手続きポリシー策定

2012年にICANNが新gTLDプログラムを開始し、その後の数年でgTLDが1,200以
上増えました。その次のgTLD募集における申請受付ポリシーについての議論
が2015年より開始され、2012年のgTLD申請受付ポリシーを基にそれを改善す
べく議論が続けられています。予定では議論は2019年夏頃まで続くことになっ
ており、ICANN 64神戸会議開催時点ではまだ議論中となります。


■ 会議参加者の受け入れ体制

ICANN会議の準備および運営のほぼすべては、ICANN Organization (事務局)
によって行われています。一方、それとは別にICANN会議では、現地組織が対
処すべきこと、またそうした方が効率的なものについて、開催地ごとにロー
カルホスト(開催地運営組織)が名乗りを上げてサポートすることが多くなっ
ています。ICANNが定めるローカルホストの責務とは、主に次のものが挙げら
れます。

 ・ICANNが会場・宿泊施設・さまざまなサービスを探すことの支援
 ・関連各所(開催地の政府当局等)との調整
 ・参加者の来日に必要な支援(ビザ発給のための招聘状発行など)

ICANN 64会議開催地の応募に当たって、日本からの提案には「ローカルホス
トの責務は日本のインターネットコミュニティの主なステークホルダーから
なる委員会が負う」と記載されました。開催地応募は日本以外からもありま
したが、前述の体制に基づく提案が高評価を受け、選定に繋がったようです。

この提案を実現するオールジャパン体制として、ICANN 64ローカルホスト委
員会(LHC)が2018年9月25日に設立されました。

最終的なLHCメンバーは、次の通りです。

 ・GMOインターネット株式会社
 ・株式会社日本レジストリサービス
 ・株式会社インターネットイニシアティブ
 ・一般財団法人インターネット協会
 ・インターネットマルチフィード株式会社
 ・株式会社インターリンク
 ・株式会社NTTドコモ
 ・一般社団法人テレコムサービス協会
 ・一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
 ・ビジネスラリアート株式会社
 ・京都情報大学院大学サイバー京都研究所
 ・コムラウデ株式会社
 ・有限会社Takaエンタプライズ
 ・一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会
 ・WIDEプロジェクト

次の3社は、LHCにも参画している、インターネットへの接続性を提供するネッ
トワークスポンサーです。

 ・エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
 ・KDDI株式会社
 ・西日本電信電話株式会社

また、今回のICANN 64神戸会議実現に向けては、上記LHC関連組織の他に、以
下の組織からも支援や協力を受けています。

 ・総務省(主に各国政府関係者向け費用拠出)
 ・一般財団法人神戸観光局/神戸コンベンションビューロー(助成金の拠出)
 ・中内力コンベンション振興財団(助成金の拠出)

なお、JPNICはLHCのメンバーであると同時に、LHC事務局として調整などの業
務も行っています。

ICANN 64神戸におけるローカルホストの責務のうち、主なものは下記の通り
です。

 ・インターネット接続性提供の準備(ネットワークスポンサーにより提供さ
   れます)
 ・ガーライベントの立案、費用調達、開催
 ・海外からの参加者向けビザ招聘状の発行
 ・開会式の話者調整
 ・政府当局との調整

LHCはこれまでに、これらの責務を果たすために必要な活動を行ってきたほ
か、バルセロナで開催されたICANN 63においては、ICANN 64神戸会議に関す
るプロモーション活動を実施しています。

ICANN 64神戸会議にご関心を持っていただけましたでしょうか。ぜひこの機
会にご参加いただき、インターネットの根幹を支えるマルチステークホルダー
による議論を体感してください。

  ローカルホスト委員会Webサイト
  https://www.icann64.jp/

  ICANN64 | Kobe (ICANNのWebページ)
  https://meetings.icann.org/en/kobe64


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 ┃良かった                                                          ┃
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 ┃悪かった                                                          ┃
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【 2 】News & Views Column
       「19年振りにICANNミーティングが日本で開催されます」
                        株式会社インターリンク ドメイン事業部 森口友里
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2017年6月、ヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催された第59回ICANNミーティ
ングにて、2019年3月の第64回ICANNミーティング開催地が神戸に決定しまし
た。日本では、2000年の第6回ICANN横浜ミーティング以来となる19年振り、
2度目の開催です。同ミーティングは年に3回、世界各国で開催され、世界中
から数千人規模のインターネット関係者が集まっています。

私は、2018年10月にバルセロナで開催された第63回ICANNミーティング内の特
設ブースで、第64回ICANN神戸ミーティングのPRを担当させていただきまし
た。ブースには、開催地周辺の宿泊施設や交通機関に関する問い合わせが寄
せられました。最も多かった質問は、「神戸はどこにあるの?」です。東京、
大阪、京都に比べると、知名度は低く感じましたが、神戸をよく知らなくて
も神戸ビーフを知っている人は多く、「日本に行ったら食べたいもの」とし
て、人気が高いことを実感しました。

ドイツの国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)「.de」のレジストリ担当
者からは、いつもICANNミーティング開催地で実施するパーティ「ジャーマン
ナイト」の会場はどこがいいか相談を受けたり、私が着用していたハッピを
着て写真撮影を希望される方を順番に対応したり、ブースは常に大盛況。ハッ
ピは神戸市からお借りしたもので、とても人気がありました。ブースに訪れ
た方々の7割は、「第64回ICANN神戸ミーティングに行きたい!」と好感触。
3割の方は「行きたい!けどボス次第かな……」などと言われていたことが印
象に残っています。

会期中の4日間、絶え間なく人が来てくれたので、昼食をとれたのは最終日の
みでした。ダイエットになりましたが、神戸に関心を持ってもらえることが
何よりも嬉しかったです。第64回ICANN神戸ミーティングで開催される「Geo
TLDs .CITIES Conference in Kobe」におきましては、当社よりお声がけさせ
ていただいた、上村圭介氏(大東文化大学外国語学部教授)、松崎太亮氏(神戸
市企画調整局政策企画部ICT連携担当部長)がご登壇され、「日本の地理的名
称TLDに関する研究」や「阪神・淡路大震災後のウェブサイトからの情報発
信・活用」について発表されます。

第64回ICANN神戸ミーティングは、3月9日より14日まで、神戸ポートピアホテ
ル・神戸国際会議場で開催されます。とても貴重な日本開催です。どなたで
も無料で参加できますので、ぜひともお越しください。

  ICANN64 | Kobe  登録ページ
  https://registration.icann.org/register.php?id=kobe64


■著者略歴

森口 友里(もりぐち ゆり)

2002年に株式会社インターリンクに入社。以来一貫してドメイン管理、運用
業務に従事し、世界各国で開催されるICANNミーティングに参加。2019年3月
に開催される第64回ICANN神戸会議のローカルホスト委員会の活動に携わる。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「SSLとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

SSL (Secure Sockets Layer)は、HTTP (Hyper Text Transfer Protocol)や
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)といったいろいろなアプリケーショ
ン・プロトコルで、セキュアなチャンネル(通信路)を利用できるようにする
仕組みです。SSLによる通信データを暗号化する仕組みや鍵共有の仕組みは、
数々の攻撃手法ができることでセキュアではなくなったため、2015年には利
用が推奨されなくなりました(*1)。

SSLは、Webのビジネス利用が注目され始めた1994年に、通信データ、特に商
用のデータの保護を目的としてNetscape社で開発されました。SSL 1.0は公開
されることはなく、1995年にSSL 2.0が当時Webブラウザとして多くのユーザー
を抱えていた、Netscape Navigatorに実装されます。

SSLのプログラミング・インタフェースは、TCP/IPのソケット・プログラミン
グのインタフェースに似たものになっていて、アプリケーションにおいて、
そのプログラムを大きく変更せずに、SSLのセキュア・チャンネルの機能を利
用できるようになっています。そのため、WebのHTTPだけでなく、電子メール
などのさまざまな通信で利用しやすいようになっています。アプリケーショ
ンに提供されるセキュア・チャンネルの特徴を下記に挙げます。

 1. 通信データを暗号化することで盗聴しても内容が分からないようにする
 2. 通信データが伝送される途中で改ざんされた時にそれを検出する
 3. 通信相手が正しいということを確認する

3.はSSLだけではなく、SSLのセッションが開始するときに関連付けられる電
子証明書を使って行われます。アクセスしているサーバのホスト名と電子証
明書に記載されたホスト名が一致するかどうかを含め、電子証明書は、アプ
リケーションのサーバやクライアント(Webブラウザなど)で確認されます。

SSLの後継のプロトコルであるTLSの利用にあたって、RFC7568(*2)ではTLSか
らSSLへのフォールバックは禁止され、弱いアルゴリズムなどを意図せずに
使ってしまうように仕向けられる"ダウングレード攻撃"を避けるようになっ
ています。

(*1) The TLS Protocol Version 1.0
     https://tools.ietf.org/html/rfc2246

(*2) Deprecating Secure Sockets Layer Version 3.0
     https://tools.ietf.org/html/rfc7568


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2018年9月~2019年2月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
  9/1|255 3632 412924 570 35899 13358 6089 5292 1886 2238 931667 101195  9353 2009 1526367
 10/1|254 3639 413817 568 35976 13325 6072 5302 1887 2231 933702 100429  9407 1994 1528603
 11/1|254 3642 415091 572 36079 13298 6054 5307 1888 2228 937114 100226  9469 2011 1533233
 12/1|255 3646 416210 576 36196 13287 6040 5315 1888 2227 945808 100112  9546 1989 1543095
  1/1|255 3643 417440 578 36313 13272 6024 5321 1888 2222 952963  99869  9616 1953 1551357
  2/1|254 3645 418415 575 36423 13249 6008 5332 1887 2220 953672  99447  9696 1940 1552763
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからのIPv4アドレス割り振りとJPNICへのIPv4アドレス返却ホスト数
  (2018年8月~2019年1月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   8 |     4096 |        0 |   93164744
   9 |     1024 |        0 |   93165768
  10 |     4096 |        0 |   93169864
  11 |     3072 |        0 |   93172936
  12 |   766208 |   764160 |   93174984
   1 |    65536 |     1024 |   93239496
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2019年2月13日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |     95 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     45 |
 ---------------------
  合計      |    191 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2019年2月8日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           439


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2019.2.14(木)~15(金)        IPv6 Summit in SHIZUOKA 2019 & IPv6ハ
                               ンズオンセミナー(静岡、静岡市産学交流
                               センター)
  2019.2.15(金)                第25回 NORTHインターネット・シンポジウ
                               ム2019(札幌、国立大学法人北海道大学 学
                               術交流会館 小講堂)
  2019.2.18(月)~20(水)        NANOG 75 (San Francisco, U.S.A.)
  2019.2.18(月)~22(金)        APAN 47 (Daejeon, Korea)
  2019.2.18(月)~28(木)        APRICOT 2019/APNIC 47 (Daejeon, Korea)
  2019.2.22(金)                Security Days Spring 2019 Nagoya [後援]
                               (愛知、JPタワー名古屋ホール&カンファ
                               レンス)
  2019.2.27(水)                IGF2018報告会(東京)
 ---------------------------------------------------------------------
  2019.3.1(金)                 Security Days Spring 2019 Osaka [後援]
                               (大阪、ナレッジキャピタル・カンファレ
                               ンスルーム グランフロント大阪)
  2019.3.2(土)                 IPv6 1day技術セミナー (札幌、ビットス
                               ター株式会社)
  2019.3.6(水)~8(金)          Security Days Spring 2019 Tokyo [後援]
                               (東京、JPタワーホール&カンファレンス)
  2019.3.9(土)~14(木)         ICANN64 [協賛] (神戸、神戸ポートピアホ
                               テル&神戸国際会議場)
  2019.3.23(土)~29(金)        IETF 104 (Prague, Czech Republic)
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  2019.4.7(日)~10(水)         ARIN 43 (Bridgetown, Barbados)


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