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ニュースレターNo.39/2008年7月発行

第25回APNIC オープンポリシーミーティングレポート

全体概要

台北で開催されたAPNIC 25ミーティング(2008年2月25日(月)~29日(金))についてご紹介したいと思います。

この時期のAPNICミーティングとしては例年通り、APRICOTカンファレンスのプログラムとして組み込まれ、APRICOT全体も含めて、台湾のNIRでありccTLDレジストリでもあるTWNICがローカルホストを務めました。余談ですが、TWNICがAPNICミーティ ングのホストを務めるのはこれで4回目です。

JPNICからはアドレスポリシー担当2名(筆者を含む)、技術担当2名という構成で、合計4名が参加しました。

アドレスポリシー提案の結果

アドレスポリシー提案の結果については、以下の通りとなりました。

コンセンサスに至った提案: 3点
[prop-053]IPv4の最小割り振りサイズを/21から/22へ 変更する提案
[prop-054]NIR-APNICの運用規定文書変更の提案
[prop-057]IPv6アドレス初回割り振り基準変更の提案
継続議論となった提案:2点
[prop-055]IANAからRIRへのグローバルアドレス分配の提案
[prop-050]IPv4アドレスの移管を認める提案
却下/取り下げとなった提案:3点
[prop-052]RIR間でIPv4アドレス枯渇時期を調整する提案
[prop-056]枯渇に向けたIPv4ソフトランディングの提案
[prop-058]LIR向けプライベートアドレスの新設

参考:http://www.apnic.net/policy/proposals/

ポリシー面での議論/結果について

今回もIPv4アドレスの在庫枯渇に向けた提案が多く、合計8点の提案のうち、5点は枯渇を意識した提案でした。

特に、現在はポリシー上禁止されているIPv4アドレスの移管を認める提案は、今後のIPアドレス管理のあり方を大きく変えることになり、JPNICとして最も注目しているものです。また、APNICの他に、ARIN、RIPE地域でも同様の趣旨の提案が議論されており、今後も動向を注意深く見ていく必要がありそうです。詳細についてはJPNIC News & Views【特別号】IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート[第10回]※1でご紹介しています。

また、今回参加者からのコンセンサスが得られたIPv6初回割り振り基準変更の提案は、国内事業者からの現在の基準は厳しいとの意見を受け、JPNICから提出したものです。これにより、IPv6の割り振り申請を行うにあたって障壁となっていた「2年以内に200の割り当てを行う計画」を提示することが必須ではなくなりました。

今後はIPアドレス管理指定事業者としてIPv4アドレスの割り振りを受けており、割り振りを受けたIPv6アドレスを2年以内に経路広告するのであれば、IPv6アドレスの割り振りを受けることが可能となります。

APNIC EC選挙

今回のミーティングでは現職ECメンバー3名の任期満了に伴い、選挙が行われました。

EC(Executive Council:理事会)は会員を代表し、APNICの円滑な活動を監査する役割を担っています。現任であるJPNICの前村昌紀も改選対象となっており、候補者10名と厳しい競争が予測される選挙ではありましたが、無事再選となりました。このたび選出されたもう2名のECメンバーはChe-Hoo Cheng氏(香港)[再選]、MaYan氏(中国)です。

その他、現職のECメンバーは以下のWebサイトでご覧いただけます。

http://www.apnic.net/ec/

写真:前村昌紀
EC選挙において、遠隔で演説を行ったJPNICの前村昌紀

NRO NC選挙

NRO NCはグローバルポリシーについてICANN理事から諮問を受ける役割を担っており、各RIR地域から3名の代表者が選出され、合計15名のメンバーにより構成されています。

今回APNIC地域を代表するNC1名が任期満了となったため選挙が行われ、6名の候補者のうち、現職NCであるKenny Huang氏(台湾)が再選しました。現在のAPNIC地域を代表するその他2名のNCは、藤崎智宏氏(日本)とHyun-Joon Kwon氏(韓国・KRNIC)となっています。

ミーティングにおける議論の進め方

APNIC地域のミーティングは、他の地域と比べると地域内の参加者による発言が少なく静かな傾向がありますが、今回は新たな発言者等もおり、メーリングリストで提案が紹介された時点で活発な議論が行われたミーティングでした。 しかし、それでも発言するのは英語に堪能な参加者であるケースが多く、APNIC事務局、そしてSIGチェアが議長を務める各セッションでは、どうすれば英語を母国語としない参加者の発言を引き出すことができるのかについて話し合いました。

母国語でメモを書いてAPNICスタッフ/チェアに渡せる仕組み、または議論に間を空け、英語を母国語とする発言者の意見を吸収し、意見を形成する時間を設ける等の案が出ています。今後これらを試していきながらよい方法を引き続き模索していくことになると思われます。

次回のミーティング

次回のミーティングは、2008年8月25日~29日にかけて、ニュージーランド・クライストチャーチにて開催されます。季節的には冬になるので寒そうですが、ホスト地紹介の写真を見ると景色は映画のようにきれいです。

参考情報

下記URLよりミーティングの発表資料、動画、音声、議論を文字におこしたトランスクリプトのアーカイブが参照可能です。

http://www.apnic.net/meetings/25/

(JPNIC IP事業部 奥谷泉)

表:提案されたアドレスポリシー
今回提案されたアドレスポリシーの結果一覧

※1 JPNIC News & Views【特別号】IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート[第10回]
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol528.html

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