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ニュースレターNo.40/2008年11月発行

第56回RIPEミーティング報告

全体会議報告

IPv4アドレスの在庫枯渇が徐々に近づいており、RIPEミーティングでも、IPv6アドレスの利用状況に関するディスカッションが増えてきました。また経路ハイジャックなどの話題も大きく取り上げられています。

第56回RIPEミーティングは、2008年5月5日(月)~9日(金)にかけて、ドイツのベルリンで行われました。ベルリンと言えば、ベルリンの壁を思い起こさせますが、今では道路や地下鉄が西側と東側にまたがっており、私が滞在中に見た限りでは、都市の西側が壁で囲まれていたという当時の様子はわかりませんでした。しかしヨーロッパ地域の人にとってのベルリンは、冷戦の悲劇を身近な出来事として思い出させる場所であるようです。ミーティング参加者と夕食を取った際、話が市内の様子に及ぶと、多くの人は真顔になり、チェックポイント・チャーリー※1などが話題に挙がりました。ベルリンの壁が崩壊したのは、1989年ですので、ミーティング参加者のほとんどが崩壊の顛末を実際に見たり聞いたりしているはずです。

今回の参加登録者の総数は、430名でした。ドイツからの参加者が最も多く、このうちの30%を占めていました。その次がアメリカ(12%)、続いてイギリス(7%)です。日本からの参加者は7名でした。

RIPEミーティングのセッションは、前半はPlenary(全体会議)、後半はWG(Working Group)ミーティングという構成になっています。WGにはAddress Policy WG、Database WG、Routing WG、Anti-spam WGなどがあり、後半は二つの会場で並行してWGミーティングが行われます。今回のPlenaryは、特にIPv6の利用と、インターネット経路制御の話題が多かったように思います。

写真:会議の様子
会議では“scribe”(文字サービス)が提供されました

Plenary

RIPE NCCには、インターネット経路制御の情報の蓄積と分析を行うRIS(Routing Information Service)と呼ばれるサービスがあります。今回のPlenaryでは、RISを使って行われた二つの分析に関する報告が行われていました。

一つ目は、2008年1月末にエジプト近辺で起こった海底ケーブルの障害です※2。この障害は、ケーブルの切断や損傷による通信障害で、障害発生から11日後の2月11日未明に修復されました。RIPE NCCでは、蓄積されているインターネット経路制御の情報を使って、インターネットのASパスなどの分析を行いました。その結果、11日間まったく経路情報が届いていなかったASがあったことがわかりました。経路情報が届いていないということは、接続性がまったくなくなっていた可能性が高いと言えます。その他、バングラデシュでは、障害の起こっている経路を使わないシンガポールや香港を経由する経路への変更が起こっていたことがわかりました。これらの様子はBGPlay※3というツールにより、アニメーションで見ることができました。

BGPlayは、二つ目の報告でも使われています。この報告は、2008年2月末にパキスタンで起こった経路ハイジャックの時、インターネットの経路に何が起こっていたのかをわかりやすく示したものです。経路ハイジャックの起こっていた2時間に、YouTube側でmore specific routeを流す対策を取った様子などがわかりました。最後に、経路ハイジャック問題への対策は、IRRとroute filteringを使うことであると締めくくられました。

□Mediterranean Fibre Cable Cut - a RIPE NCC Analysis
http://www.ripe.net/projects/reports/2008cable-cut/index.html
□YouTube Hijacking: A RIPE NCC RIS case study
http://www.ripe.net/news/study-youtube-hijacking.html

5月7日(水)のPlenaryでは、インターネットへの接続がIPv6だけで行われる“V4 switch off”という時間が設けられました。会場でIPv4を使えないようにすることで、どのような問題が起こるのかを調べることが目的です。会場での挙手の結果、初めてIPv6を利用した人は少なかったにもかかわらず、インターネットにうまく繋げなかった人は多い様子でした。会場からは、端末側でIPv4を無効にするとIPv6も使えなくなった、無線LANのアクセスポイントが不安定だった、といった意見が出されており、会場のネットワークにも改善の余地があったようです。ちなみに、日本ではIPv6を利用する上での不備を解消するため、v6fix※4と呼ばれる活動が、2005年頃にWIDEプロジェクトで行われていました。

この他に、IPv6とIPv4の経路表から見た傾向や、ルータのFIBエントリの数を減らす技術などに関するプレゼンテーションが行われていました。アジェンダは、以下のWebページで参照することができます。

□RIPE 56 Meeting (Agenda)
http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-56/agendas/
写真:V4 switch off
インターネットへの接続がIPv6だけで行われる“V4 switch off”のお知らせ

年に2回行われるRIPEミーティングのうち1回は、通常、オランダのアムステルダムのKrasnapolskyホテルで行われます。RIPE NCCのスタッフの話によると、今年はアムステルダムの同ホテルで内装工事が行われており、今年度は2回ともアムステルダム以外で開催されるようです。Krasnapolskyホテルは、RIPE NCCのオフィスのそばにあるので、ミーティングの開催にあたっては何かと便利だと思いますが、離れた場所では、限られた人数で行わなければならない中で、なかなか大変そうでした。

(JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司)


※1 チェックポイント・チャーリー
「チャーリー」はNATOのフォネティックコードで「C」を意味するコードで、ベルリンが分割統治されていた時代に、当時設置されていたA~Dまでの外国人が通行可能な四つの国境検問所のうちの一つです。この検問所はアメリカ合衆国統治地区とソビエト連邦統治地区の境界線上に設置されていて、冷戦時代はベルリンの壁と並んで東西分断の象徴的存在でした。
※2 JPNIC News & Views vol.531「第25回APNICオープンポリシーミーティングレポート ~APOPSレポート~」
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol531.html
※3 BGPlay - graphical visualisation of BGP updates
http://bgplay.routeviews.org/bgplay/
※4 IPv6 Fix
http://v6fix.net/docs/v6fix.html.ja

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