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ニュースレターNo.50/2012年3月発行

APNIC32カンファレンス報告
全体およびアドレスポリシー動向報告

APNIC32カンファレンスは、2011年8月28日から9月1日にかけて開催され、韓国のNIRであるKISAがホストを務めました。開催地となった釜山は港町であると同時に低い山並みに建物が建ち、山から海が見える地形の街です。日本からのアクセスも片道2時間程度と、国内線感覚で行けることもあってか、普段、他のミーティングとの併催ではなく単独で行われるAPNICカンファレンスではお見かけしない日本国内からの参加者も、出席されていました。

全体の参加者数も、同じく単独で2010年にオーストラリアのゴールドコーストで開催されたAPNIC30ミーティングよりも約60名多い、244名と報告されています。

今回のプログラムの特色としては、従来のAPOPS、Policy SIG、APNIC会員総会(AMM)などのセッションに加え、APNIC会員の投票権およびGACに関するワーキンググループ(WG)、IPv6 Transition、“Inter-networkingduring natural disasters”というテーマで、ニュージーランドのクライストチャーチや東日本で発生した震災の、ネットワークへの影響と、震災支援への関わりを取り上げたパネルディスカッションなども開催されました。

また、オープニングプレナリーでは、今後のインターネットのあり方をテーマとして、APNICのGeoff Huston氏と、韓国におけるインターネットの父と言われているKilnam Chon氏がスピーチを行いました。

APNIC32カンファレンスにおける主な決定事項

APNIC32での決定事項は、アドレスポリシー面においては、4点中1点の提案についてコンセンサスが得られた結果となりました。また、NRO NC、Policy SIG およびNIRSIG のChair、Co-Chair を選出する各種選挙が行われました。

今回のカンファレンスでコンセンサスが得られた、アドレスポリシー提案(prop-096)は、APNIC地域におけるIPv4アドレスの移転要件を見直す内容となっています。

APNICでは2011年11月より施行しており、これによりAPNIC管理下のIPv4アドレスの移転時には、移転アドレスの効率利用を確認するために、APNICがアドレス利用状況の審議を行うことになりました。すなわち、移転申請の承認をAPNICから受ける上では、移転されるアドレスが効率的に利用されることをAPNICで確認できることが前提となります。

一方、継続議論となったものの、長期的な需要にも対応できるIPv6ポリシーの見直しが大きな課題とされ、これに関する提案が3点行われました。いずれの提案も、次回ニューデリーでのAPNIC33カンファレンスでも引き続き議論される予定です。

また、選挙においては、NRO NCにはポリシーWGのチェアである、日本電信電話株式会社の藤崎智宏氏、Policy SIGのCo-ChairにはソフトバンクBB株式会社の山西正人氏が選出されました。今後、日本国内とAPNIC地域におけるポリシーフォーラムの良い連携が期待できそうです。

次に、これまでのサマリーに基づいて、詳細をご報告します。

写真:韓国・釜山の町並み
APNIC32カンファレンスが開催された、韓国・釜山の町並み

アドレスポリシー提案

今回コンセンサスが得られた提案であるprop-096はIPv4アドレスの移転に関するものでしたが、残り3点の継続議論となった提案は、すべてIPv6アドレスの分配基準を見直す内容でした。今後はIPv6への本格移行を意識したアドレス管理の議論が行われていくことが予測されます。

コンセンサスの得られた提案
prop-096:在庫枯渇後のIPv4アドレス移転における効率利用確認要件の継続
継続議論となった提案
prop-098:IPv6アドレス割り振り方法の最適化
prop-099:大規模ネットワークのためのIPv6アドレスの予約
prop-100:国家的なIPアドレスプラン~国単位でのアドレスブロックの割り振り~

参考:http://meetings.apnic.net/32/policy/

今回コンセンサスに至ったprop-096の背景としては、ARIN地域との移転要件の相違があります。

この提案は、日本のアドレスポリシー策定フォーラムを運営しているポリシーWGメンバーから提出され、前回のAPNIC31カンファレンスからの継続議論となっていたものです。

APNIC地域のIPv4アドレス在庫は2011年4月に枯渇しましたが、ARIN地域は五つのRIRの中で最も多くのIPv4在庫が残されています。このような状況も踏まえ、前回のAPNIC31では、APNIC地域おいては、他のRIR地域の事業者との移転を認める提案が通りましたが、他にAPNIC地域との移転を認めるポリシーを施行しているRIRが現在ないため、実質的には効力のない状態でした。

ARIN地域においても、他のRIR地域との移転を認めるポリシーが議論されてきましたが、相手先のRIRが移転アドレスの効率利用確認を行っていることが条件のため、APNIC地域の移転要件ではARIN地域との移転は認められない状況でした。

そして、prop-096によりAPNIC地域においても、移転時のアドレス利用の効率確認を行うように見直すことで、ARIN地域で議論されている他のRIRとの移転要件を満たすことが可能となります。

APNIC31では、本提案は一部の参加者から強く反対意見が表明され、継続議論となりましたが、今回のカンファレンスではARIN地域との移転実現の必要性がより認識され、コンセンサスが得られました。

これにより、ARIN地域においてRIR間の移転を認めるポリシーを正式に施行すれば、APNIC管理下の事業者とARIN地域の事業者との移転が可能となります。

JPNICにおいては、現在、移転対象をJPNIC管理下のIPv4アドレスに限定して移転を認めていますが、今回のAPNIC32で要件を見直す提案がコンセンサスを得られたことで、JPNICでも現在の移転要件を見直して、他のRIRとの移転を認めるべきかの検討が必要になると考えています。

これについては、2011年11月28日(月)に開催された第21回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM)でも議論を行い、継続議論となりました。詳しくは「第21回JPNICオープンポリシーミーティング報告」をご覧ください。

選挙

NRO NC、Policy SIG、NIR SIGにおける各ポジションの選挙がそれぞれ行われました。結果は次の通りです。

NRO NC:
藤崎智宏(日本電信電話株式会社、ポリシーWG チェア)
- 実質的にはICANN ASO ACの役割を担い、グローバルポリシーを承認する際に、ICANN理事会へのアドバイスを行います。
Policy SIG:
Chair Andy Linton(InternetNZ(.nz のレジストリ)、 APNIC31 Policy SIG Co-Chair)
Co-Chair Skeeve Stevens(ISOC AU Chapter Director)山西正人(ソフトバンクBB 株式会社)
- ChairおよびCo-Chairは、メーリングリストおよびPolicy SIGセッションにおける議論のモデレーション、アドレスポリシー提案に対するコンセンサスの判断を行います。
NIR SIG:
Chair 奥谷泉(JPNIC)
Co-Chair Jessica Shen(CNNIC)
- Chair およびCo-Chair は、NIR SIGにおける議論のモデレーションを行います。

参考:http://meetings.apnic.net/32/elections/

写真:Kilnam Chon氏(左端)
韓国で「インターネットの父」と言われているKilnam Chon氏(左端)。APNICおよび韓国政府関係者らとともに

カンファレンスを振り返って

全体の議論としては、過去数回のAPNICカンファレンスでは、NIRの新設をめざして積極的なカンファレンスへの参加を始めたインドからの新たな参加者グループと、これまでの参加者で意見が分かれ、緊張感の感じられる状況もありましたが、APNIC32ではPolicy SIG、選挙ともに円滑に議論と進行が進められました。

今回も、特にprop-100(国単位でのアドレスブロックの割り振り)についてはメーリングリストでの議論において意見が強く分かれていましたが、双方の意見を十分に聴取した上でセッションの運営を進めた、Policy SIG ChairのAndy Linton氏の尽力も大きかったのではないかと思います。

Policy SIGのChairおよびCo-Chairも、古くからの参加者からここ数年より定期的にカンファレンスに参加して議論へ積極的に関わってきたメンバーへと、新たな顔触れに変わりました。

アドレスポリシー面においては、APNIC地域全体としては、長期的な計画に基づいた需要にも対応できる方向で、IPv6の分配基準を見直すことが今後の大きなテーマとなると考えられます。日本国内では、現時点で、規模の大きなIPv6ネットワークで必要とされるアドレスは分配済みと考えられる状況ですが、4ビット境界単位での割り振りなど、運用上の利点もあると考えられるその他要件の見直しも、今後の継続議論の対象となっております。今後、どのように見直しを進めることがよいか、国内のフォーラムでも議論を進めていきたいと思います。

また、ARIN地域との移転を実現するためには、JPNICでも移転時に効率利用の確認を行うポリシーを施行することが必要となります。そのような影響も踏まえて、JPOPMでの議論を通じて、JPNICにおける移転要件の見直しについて、アドレス利用者のみなさんの意向が確認できればと考えています。

次回のAPNICカンファレンス

APNIC33ミーティングは、2012年2月27日(月)から3月2日(金)にかけて、ARPICOT2012カンファレンスと併催してインド・ニューデリーで行われます。

http://meetings.apnic.net/33/

(JPNIC IP 事業部 奥谷泉)

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