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ニュースレターNo.65/2017年3月発行

ICANNハイデラバード会議報告

2016年11月3日(木)から9日(水)にかけて、インドのハイデラバードにて第57回ICANN会議が開催されました。また、このハイデラバードの会議で当センターの前村昌紀がICANN理事を拝命しました。本稿では、このハイデラバード会議の様子をご紹介します。また、前村からの所信表明についてもお届けします。

はじめに

第57回ICANN会議は、ハイデラバードにあるHyderabad International Convention Centre (HICC)で7日間にわたり開催されました。

2015年10月に発表された、「新会議戦略」にのっとった3度目となる今回の会議は、「会議C」という7日間構成の大規模版であるとともに、年次総会(Annual General Meeting)とも位置づけられます。参加者数は3,200人を超え、過去最大を数えました。うち1,000人以上は、インドからの参加者とのことです。

また、ICANN会議のプレイベントとして、India School of Internet Governanceという、学生向けの教育イベントが行われました。JPNICからは、奥谷泉が講師として参加しましたが、充実したプログラムや受講者の真摯な参加姿勢に感心したようです。これらは、インドにおけるICANNへの関心の高さを印象付けました。

資源管理ポリシーに関する検討の進捗は小康状態

資源管理ポリシーなどに関する検討活動では、作業部会ごとにそれぞれの進捗がありましたが、今回のハイデラバード会議で特に大きな節目を迎えたものはありませんでした。以降、主だった項目について簡単に状況を記します。

  • 次世代登録ディレクトリサービス(RDS)

    ポリシー策定プロセスの初期にあたる、作業部会の検討が始まりました。利用目的やデータ要素などに関する、基本的要件を検討している段階です。
  • 新gTLD次回ラウンドに向けた手続き

    作業部会は「申請者支援」「法規制・契約」「異議申立手続き」「技術運用事項」の、四つのワークトラック(WT)に分かれて次の5点を論点として検討が開始されています。
    1. レジストリ契約のタイプ分け
    2. 緊急バックエンドレジストリ事業者(EBERO)の要否
    3. 継続的申請受付の可能性
    4. 1文字のみからなるIDN TLDの可否
    5. TLD名前衝突問題への対処
  • 権利保護メカニズム(RPM)のレビュー

    新gTLDの委任後紛争解決手続き(PD-DRP)と、Trademark Clearinghouse (TMCH)に焦点を当てた検討が進んでいます。
  • オークション収益に関するクロスコミュニティ作業部会

    申請者間で競合した文字列に対するオークションの収入について検討する作業部会において、趣意書が採択されました。作業部会メンバーが寄附金受領者となり得るケースが大きな問題となっていましたが、作業部会加入にあたり、利害宣誓を厳格に行うという条件が盛り込まれました。

JPNIC奥谷がリーダーシップアワードを受賞

今回のICANN会議は、2016年10月1日のIANA監督権限移管以降、初めての会議でした。年次総会で授賞されるリーダーシップアワードは通常1名なのですが、今年はIANA監督権限移管の提案検討に携わった、五つのコミュニティ会議体すべての議長に授与されることが決定されました。オープニングセレモニーの中で実施された授賞式において、CRISP (Consolidated RIR IANA Stewardship Proposal)チームの議長を務めたJPNICの奥谷泉も、この賞を受けました

理事の退任と就任

現在ICANN理事は、選任方法に依らず年次総会のタイミングで就任するように決まっています。今回20名の理事のうち5名が入れ替わるということで、理事会は大きな陣容変更となりました。現在の理事会の陣容は、JPNICのICANN理事会ページでご覧いただけます。

ASO選出 Kuo-Wei Wu 前村昌紀
GNSO選出 Bruce Tonkin Becky Burr
指名委員会選出 Erika Mann Maarten Botterman
Bruno Lanvin Khaled Koubaa
RSSACリエゾン Suzanne Woolf Kaveh Ranjbar

11月8日(火)に行われた年次総会が理事会陣容切り替えのタイミングで、通常の理事会と、新陣容による役職指名のための理事会が続けて行われました。退任する理事は通常の理事会までが任期、就任する理事は役職指名理事会からが任期、となります。このタイミングで、私も理事に就任したことになります。この後行われたパブリックフォーラムでは、開催地域であるアジア太平洋地域の理事として、一つの区分の司会も行いました。

説明責任の強化に向けた検討

ICANNの説明責任強化に向けた取り組みについてはハイデラバード会議開催の前日、11月2日(水)にCCWT-ACCT (Cross Community Working Group on Enhancing Accountability)の会合が開催され、終日議論が行われました。この説明責任強化については、IANA機能監督権限移管の一環として検討が行われているものですが、移管後の体勢ではICANNコミュニティがICANNの運用に関わる重要な意思決定に関して権限を持つようになったことが大きなポイントです。この話題に関しては議論の動向も含めてJPNICブログで詳しくご紹介していますので、そちらをぜひご覧ください。

コミュニティがより参画できるICANNへ 〜ICANNの説明責任強化に向けた検討〜
https://blog.nic.ad.jp/blog/ccwg-acct/

終わりに

ヘルシンキ会議から4ヶ月間の、ICANN理事見習い期間がついに終わりました。ハイデラバード会議でも、各支持組織、諮問委員会との対話を通じて相互理解が深まったとも感じます。これから3年間の任期を、しっかり務めてまいります。

ハイデラバード会議の資料や記録は、こちらのページからご覧いただけます。

ICANN57 | Hyderabad
https://meetings.icann.org/en/hyderabad57

次のICANN会議は、2017年3月11日から16日にかけて、デンマークのコペンハーゲンで開催されます。

(JPNIC インターネット推進部 前村昌紀)

ICANN理事就任にあたって

前村 昌紀

2016年6月に選任が決まってから約4ヶ月が経ちましたが、ようやく任期開始を迎え、これから3年間ICANNの理事を務めてまいります。

ICANNは、RIRsやIETFに比べて、圧倒的にマルチステークホルダーによる組織です。さまざまな、時に相反する考え方のステークホルダーを抱えるコミュニティに対して示す理事会の判断は、時に極めて難しいこともあり得ます。グローバルな公益とは何かという、ICANN設立以来一貫した問いかけも存在します。これらは、ICANNが安定的な運営とサービス提供を行えるようになっている今日でも、いまだ実験的な取り組みと言えるのではないかと思うほどです。

JPNICからもお伝えしてきた通り、2016年10月1日、インターネットの黎明から一貫して米国が担ってきたIANAに対する監督権限が、グローバルなインターネットコミュニティに移管されました。2014年以来2年半にわたって検討して準備をしてきた、純粋にコミュニティがリードする新たなインターネットの運営体制が、ちょうど始まったところです。その要所を占めるICANNでは、IANA部局を子会社化するとともに、IANA監督権限移管に最低限必要とされた、新たな説明責任機構が施行されたばかりです。このような時代の転換点で、要所の運営に関与することにわくわくするとともに、責任の重大さを感じずには入られません。

実は、6月に選任が決まった直後に理事会議長であるSteve Crocker氏から連絡があり、6月最終週に開催されたICANNヘルシンキ会議の理事会活動に招待されました。ヘルシンキ会議の場で必要な手続きを整えて、議決権をはじめとする権能は持たないまま、いわば「見習い」として、今まで理事会の活動に参加してきました。ヘルシンキ会議とハイデラバード会議の間には、9月にブリュッセルで開催された理事会合宿会合もありました。これらの会合以外にも、メーリングリストなどでのやり取りも日常的に行っています。

また、理事会の定員は20名ですが、このたび私と同時に理事に就任する5名を加え、メンバーは一時的に25名となっています。この25人は、黎明期からインターネットに関わっている技術者、ICANNのそれぞれの事業分野に精通した専門家、組織経営に長年の経験を持つエグゼクティブなど、それぞれに非常に高い専門性を持つ人々が集まっており、なおかつ、礼儀を踏まえながら、実に闊達な手加減のない議論が繰り広げられます。従って、新参者として学ばなければならないことがたくさんあることのプレッシャーよりも、刺激と充実感の方が勝るという感じがしています。

これからの任期3年間、責任を全うするとともに、ICANNがもっとよくなることに少しでも貢献できるよう、全力で取り組んでまいります。同時に、この務めを通じて知ったことは(守秘義務を負う部分は話せませんが)、できるだけ皆さまと共有していくとともに、皆さまからのご意見もぜひともたくさん伺ってまいりたいと思います。

これからも、皆さまからのご指導ご鞭撻とご高配のほど、よろしくお願いいたします。

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