メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

ニュースレターNo.71/2019年3月発行

インターネットことはじめ

第6回 音楽配信への道~CDからストリーミングへ~

音楽再生への道

イラスト:博士

2019年3月現在、音楽を楽しむには定額制の音楽配信サービスを利用するのがお手軽です。 月額1,000円程度で、 インターネットを通じたストリーミング再生がほぼ無制限に利用できます。 こうした状況に落ち着くまでには紆余曲折がありましたし、 また未来永劫このスタイルが続くことも無いでしょう。 未来を予測するのは難しいですが、ここに至るまでの過去を振り返ってみます。

単純に音を出すだけなら、1980年代のパソコンでも可能でした。 ゲームなど、ソフトウェアだけで短い単語を喋らせた例もあります。 しかしデジタルでの録音再生となると当時のパソコンには荷が重く、 1990年代前半にようやく一般化します。 とはいえ、1990年代前半はまだハードウェアも乱立し、 アプリケーションが自前でハードウェアごとに対応するという状況でした。

広く普及するOSが標準で録音再生をサポートするのは、 奇しくも同じ1990年代前半のMacintoshやWindowsからです。 もっともこの頃は両者ともにマイナーな存在でした。 また標準化されたとはいえ、当時PCで音楽を再生する場合には、 音楽用CDを直接再生することが一般的でした。 この時代、パソコンで扱える音楽データは1分あたり10MBほどのデータ容量があり、 当時のPC用記憶デバイスに収めるには大きすぎたからです。

圧縮フォーマットとブロードバンド

こうした状況が変化したのは、2000年前後です。 まずMP3に代表される音楽用の圧縮フォーマットが普及し始めたこと。 これらのフォーマットは許容可能な音質の劣化と引き替えに、 データ容量をほぼ1/10のサイズにできました。 それ以前にもデータを圧縮する方法はあったのですが、 音質とデータ容量のバランスの点で音楽向きとは言いがたいものでした。

2000年代には記憶デバイス容量も大きくなり続け、 1分あたり1MB程度で十分音楽再生を楽しめるなら、 数百分相当のデータを保存することも現実的になりました。 音楽用CDではなく、PCに保存したデータを聞くというスタイルが普及し始めたのです。 こうしたデータに対応したポータブルプレーヤーも登場し、 2001年10月には代名詞的存在とも言えるiPodが発売されています。 とは言え、この頃はまだ音楽流通の主役はCDです。 購入した、もしくはレンタルしたCDからデータを作成する、 という方法が一般的でした。

次に音楽用圧縮フォーマットの普及とほぼ時を同じくして、 常時接続で高速なインターネット接続サービスも始まります。 当初は1.5Mbps程度のADSLでしたが、 よほど長くない限り1曲のデータが数分でダウンロードできます。 こうなると、インターネット経由で音楽データをやりとりすることも可能になります。

ダウンロード販売からストリーミング再生へ

イラスト:ロボット

こうした背景を元に、 2000年前後には音楽販売会社によるダウンロード販売が始まりました。 が、販売会社ごとに自社レーベルの音楽を販売するのみで、 価格や使い勝手、楽曲数などの問題でなかなか普及しませんでした。 これを一気に普及させたのが、米国では2003年、 日本では2005年に始まったiTunes Music Storeです。 iTunes Music Storeは複数レーベルを網羅しており、ユーザーにしてみれば、 いつも使っているソフトウェアで、 どのレーベルでも簡単かつ安価に好きな曲だけを購入できる、 というのが魅力的でした。

また日本では、 高機能化した携帯電話に対するダウンロード販売が一般に普及しました。 いわゆる着うた、着うたフルです。 2002年にサービスが始まりましたが、手持ちの携帯電話だけでダウンロード、再生、 支払いが完結するので、PCを持たないユーザーにも使えるのが魅力でした。 スマートフォンの普及により従来型携帯電話のシェアが低下したため、 残念ながら2016年12月にサービスを終了しています。

世界的に見るとストリーミング配信で最初に商業的な成功を収めたと目されるのはSpotify Technology社で、2008年にSpotifyという名前のサービスをスタートしました。 無料会員は広告の入るストリーミング再生のみ、 有料会員だと広告無しでダウンロードも可能。 料金は月額定額制で聴き放題というサービスです。 Spotifyが存在感を増してきたのは2013年頃で、 その成功に刺激されてか、日本国内では2015年にAWA、LINEMUSIC、Apple Music、 Google Play Music、Amazon Prime Musicなどが立て続けにサービスを開始しました。

ストリーミング再生はネットワークが必須となるものの、 いつでも最新のデータを入手可能です。 さらに各サービスは単なる再生だけではなく、プロにより厳選されたプレイリストや、 いわゆるインターネットラジオ、 さらにはおすすめの曲を提示するといった機能も用意しています。 ダウンロード販売で10曲も購入すれば、 ストリーミングサービス1 ヶ月の料金以上に相当することもあり、 毎日新しい曲を聴くのなら極めてリーズナブルです。 どんどん新しい曲を聴きたいというユーザーを中心に支持を集め、 それが急成長に繋がりました。

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.