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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.157【臨時号】2004.3.8 ◆
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◆ News & Views vol.157 です
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アジア太平洋地域におけるIPアドレス関連の技術、ポリシー等の議論が行われ
るAPNICオープンポリシーミーティング。2月末に開催された第17回ミーティン
グより、IPアドレスポリシーの最新動向をお伝えします。
□APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)
http://www.apnic.net/
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◆ 第17回APNICオープンポリシーミーティング報告
JPNIC IP事業部 穂坂俊之
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2004年2月23日~27日の日程で、マレーシア・クアラルンプールにてAPRICOT(*
1)のプログラムの一部として開催された、APNICオープンポリシーミーティン
グ(以下、APOPM17)に参加してきました。
APOPM17のプログラム構成は従来通り、チュートリアル、SIG(*2)、BoF (*3)、
およびAPNIC総会からなっています。今回はアドレスポリシーSIGの結果を中心
に、以下ご報告いたします。
(*1) APRICOT:Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational
Technologies
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-APRICOT
(*2) SIG:Special Interest Group
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-kz.html#03-SIG
(*3) BoF:Birds of a Feather
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-bof
◆アドレスポリシーSIG
今回のアドレスポリシーSIGには、合計5件の提案が提出され、このうち以下の
4点について会場でコンセンサスが得られました。
ここでは提案の中身を詳細にご紹介することができませんが、これらの提案は、
JPNICのウェブサイトに日本語訳が掲載されております。詳細については下記
Webページをご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2004/20040209-01.html
1) IPv4アドレス最小割り振りサイズおよび初回割り振り基準の変更
IPv4アドレスの最小割り振りサイズが、現行の「/20」から、「/21」へ
と縮小になります。これに伴い、初回割り振り基準も「直後に『/23』
(現在は「/22」)を使用し、1年以内に『/22』(現在は「/21」)を使
うことを証明できること」へ緩和されます。
2) 閉じたネットワークへのIPv6アドレスの割り振り
グローバルなIPv6インターネットへ接続しないネットワークに対しても、
基準を満たしている限りグローバルなIPv6アドレスを割り振ることが明
確化されます。
3) IPv6アドレスの割り振りにおけるIPv4インフラの考慮について
IPv6アドレスの割り振りを受ける際に、既存のIPv4ネットワークのイン
フラストラクチャ、及び顧客数が正当化の根拠となることがより明確に
なります。
4) 歴史的経緯を持つIPv4アドレスの扱いについて
ルーティングされておらず、さらに他のどのような用途にも利用されて
いない、歴史的経緯を持つアドレス空間については、ある一定の手続き
を経た上でAPNICへ返却される、というものです。
また、この他に台湾のADSLプロバイダから、現行の「IPv4割り振り/割り当て
申請のためのAPNICガイドライン(*4)」のケーブル/DSLサービス部分をアップ
デートするよう要請するプレゼンテーションが行われ、結果ワーキンググルー
プ(WG)を設立し、本文書をアップデートすることとなりました。
以前よりJPNICが取り組んでいるIPv6アドレスガイドライン文書については、
本SIGにてドラフトの報告が行われました。今後は APNIC で文書の編集を行い、
正式文書化に向けて作業が行われることとなっています。
(*4) 日本語訳:
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/apnic/apnic-guideline-IPv4-request-j.html
◆データベースSIG
データベースSIGでは、「歴史的経緯のあるアドレスの更新権限をAPNICがもつ
という提案」が会場のコンセンサスを得ました。現在、該当するアドレスのメ
ンテナーは利用者となっていますが、これをAPNICに書き替え、利用者側から
情報の更新ができなくなるようにしたうえで、更新権限を要求する組織に対し
ては契約を結び、年額US$100を課金するというものです。
提案の背景には、現状では歴史的経緯のあるアドレスの更新権限が利用者側に
あるため、該当のアドレス利用組織が存在しない場合、名義の書き替え等によ
るアドレスのハイジャック(乗っ取り)が起こりやすいということがあります。
◆コンセンサスを得た提案事項について
上記でご説明した、会場でコンセンサスを得た提案事項につきましては、今後
APNICのEC(*5)による承認および一定の周知期間を経てAPNICにて実施されるこ
ととなります。日本ではJPNICオープンポリシーミーティングの場などでの議
論を経た後、コンセンサスを得て実装していくことになりますので、今後の
JPNICからのミーティングのアナウンス等にご注目いただけると幸いです。
(*5) EC:Executive Council
◆NIR(*6) SIG
今回のNIR SIGでは、JPNIC、TWNIC、KRNIC、VNNICからプレゼンテーションが
行われ、各NIRの活動レポートや、各国におけるオープンポリシーミーティン
グ(OPM)の状況などの情報交換が行なわれました。上記アドレスポリシーSIG
でご紹介した台湾のADSLプロバイダからの提案は、TWNICのOPMでコンセンサス
を得て、今回のAPOPM17で紹介されたものです。
(*6) NIR:National Internet Registry
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ka.html#12-nir
◆APNIC総会
今回は3名のECが改選となりましたが、これに対する立候補者が3名であったた
め、この3名の立候補者が次期ECとして承認されました。
そのうちの2名、前村昌紀(JPNIC IPアドレス事業部門担当理事)とChe-Hoo
Cheng氏(香港)は再選、新たにVinh Ngo氏(オーストラリア)がECに加わる
こととなります。長らくECを務めてきたGeoff Houston氏(オーストラリア)
は今回でECを退任することとなりましたが、会場からは今までの功績を称え、
拍手が沸き起こっていました。
また、次回2004年9月のAPNICミーティングのホスト国はフィジーに決定しまし
た。あわせて2005年2月に日本・京都、2006年はインド・バンガロールでそれ
ぞれAPRICOTとの併催になったことも報告されました。
JPNIC関係者が行ったプレゼンテーションや、上記以外のSIGの内容などこの他
にもまだまだご紹介したいことはあるのですが、スペースの都合上別の機会に
譲ることとし、今回はコンセンサス事項を中心にご紹介いたしました。
APOPM 17のプログラムやプレゼンテーションはすべて下記Webページに掲載さ
れていますのでご興味のある方はそちらをご参照いただければ幸いです。
□17th APNIC Open Policy Meeting
http://www.apnic.net/meetings/
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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