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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.535【臨時号】2008.4.8 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.535 です
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本号では、vol.532、vol.534に引き続き、第71回IETFのレポート[第3弾]とし
て、IPv6関連WGの動向についてお届けします。

□第71回IETF報告 特集
○[第1弾] 全体会議報告 (vol.532)
  http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol532.html
○[第2弾] DNS関連WG報告 (vol.534)
  http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol534.html

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◆ 第71回IETF報告 [第3弾]  IPv6関連WG報告
                                     NTT情報流通プラットフォーム研究所
                                                              藤崎智宏
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2008年第一回のIETFは、2008年3月9日(日)から3月14日(金)まで、米国フィラ
デルフィアにて開催されました。3月8日は、米国中部で天候が荒れ、乗り換え
便が遅れたため、到着が真夜中になるなど、日本からの参加者に少なからず影
響が出たようです。

本稿では、会期中に議論された、IPv6に関連したトピックスをいくつか紹介し
ます。


◆IEPGミーティング (Internet Engineering and Planning Group)

IEPGミーティングは毎回、IETFミーティングが始まる直前、日曜日の午前中に
開催されています。今回は、IPv6関連トピックスとして、Randy Bush氏より、
NANOG(The North American Network Operators' Group)ミーティング、
APRICOT(Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational
Technologies)ミーティングの会場ネットワークで実施された、IPv6 only環
境実験の報告がありました。これは、多くの人にIPv6が利用可能なことを知っ
てもらうこと、並びに実際に利用した際に問題点を発見することを目的として
大々的に実施されており、今回のIETFのネットワークでも実施されていまし
た。

環境としては、IPv4によるインターネット接続性の提供を停止し、IPv6/IPv4
変換を実施するプロトコルトランスレータと、IPv4ノードへのDNSクエリを
IPv6に見せかけるALG(Application Level Gateway)を設置するというものでし
た。実験結果として、多くの人が、IPv6のみの環境でもインターネットアクセ
スができたとレポートしていること(実利用に足りたのは、参加者の半数にも
満たなかったとのことですが)、UNIX以外のOSでは不具合が発見されたこと、
中でもMacOSでは、DNS周りに大きな問題があることなどが報告されていまし
た。

□IEPGのwebサイト
  http://www.iepg.org/


◆6man WG (IPv6 Maintenance WG)

6man WGは、IPv6のプロトコル自体のメンテナンスを実施するWGです。今回
は、水曜日の午前中にミーティングが開催されました。主な議題として、

・ノード要求仕様の改訂(draft-ietf-6man-node-req-bis)
・IPv6のサブネットモデルに関する議論(draft-wbeebee-on-link-and-off-
  link-determination)
・IPv6アドレス選択機構(draft-ietf-6man-addr-select-sol)
・IPv6拡張ヘッダに関する議論
  -draft-krishnan-ipv6-hopbyhop
  -draft-krishnan-ipv6-exthdr

などが挙げられます。「ノード要求仕様の改訂」は、現在、RFC4294として出
版されている「IPv6 Node Requirements」文書を改版しようという提案です。

今回の大きなポイントとしては、IPv6では従来、ノードに実装が必須とされて
いたIPsecを、必須条件から外してはどうかというものでした。これは、セン
サーなどの非力なノードではIPsecの実装が困難なこと、また、他のセキュリ
ティ機構が存在する場合などには、IPsecが必ずしも必要でない場合があると
いうことが議論の根拠となっています。しかしながら、IPsecを必須条件から
外すことは、RFC2460など、既存のIPv6の基本文書に対する影響が大きいこと
や、IETFの他のエリアへの影響もあることから、まずはセキュリティエリアの
ディレクタに問い合わせることになりました。ミーティング会場での雰囲気で
は、数的にはIPsecを必須条件から外すことへの賛同の方が多かったものの、
反対もそこそこ多く、合意にはまだ時間を要しそうです。

「IPv6アドレス選択機構」は、アップリンクを複数持つサイトの場合、ノード
は、それぞれのアップリンクから割り当てられた複数のIPv6アドレスを持つた
め、通信の際に通信相手に応じた適切なIPv6アドレスを始点アドレスとして選
択しないと通信に失敗することがあるという問題を、どのように解決するか、
という議論です。v6ops WGにて、アドレス選択機構に対する問題提起および、
要求条件文書の議論を終え、前回のIETFから、解決方法を6man WGにて議論す
ることとなっています。四つの解決方法が提起されており、そのうちの一つで
あるDHCPv6を用いた方法の利点が重点的に主張されました。白熱した議論とな
り、一定の賛同はありましたが、アドレス選択機構は重要であり、広い視点か
らの解決案の検討が必要であるなどの意見もあり、継続議論となっています。

「IPv6拡張ヘッダに関する議論」では、基本拡張ヘッダの一つであるhop-by-
hopオプションについて、不正な利用の可能性があるため、何らかの対処をと
るべきであるという問題提起がなされました。オプションを廃止するといった
案も出されましたが、廃止ではなく、何らかの解を検討することになりまし
た。同時に、IPv6の拡張ヘッダについて、標準フォーマットを規定すべきであ
る、という提案もなされました。IPv6拡張ヘッダは、基本フォーマットが定義
されていない、新規に定義された場合には、既存実装では拡張ヘッダのサイズ
がわからない可能性があります。これを防ぐため、標準的なTSVフォーマット
(Type/Size/Value)を導入しようというものです。これについては賛同が多
く、WGとして検討していく方向となっています。

6man WGですが、前回に引き続き、今回も既存仕様に手が入るような提案がな
されています。引き続き、動向に注視する必要があります。

□6man WG
  http://www.ietf.org/html.charters/6man-charter.html

□第71回IETF 6man WGのアジェンダ
  http://www3.ietf.org/proceedings/08mar/agenda/6man.html


◆v6ops WG (IPv6 Operations WG)

IPv6とIPv4の共存技術、IPv6のディプロイメントに関する話題を扱うv6ops WG
のミーティングは、前回に引き続き、Transition session、General session
の2コマがそれぞれ、火曜午前と、金曜午前に開催されました。IPv4アドレス
枯渇が現実味を帯びてきたこともあって、IPv6への注目度は高まっているため
か、1コマ目のセッションでは、ミーティングに用意された部屋が人でいっぱ
いになり、急遽さらに広い部屋に移るという事態になりました。また、当初の
プログラムでは、それぞれの提案は、その内容に応じて関連した方のセッショ
ンに割り振られていましたが、時間や話者の都合により、実際にはセッション
タイトルにほぼ関係なく、提案と議論が行われました。

Transition sessionの時間では、主にIPv6の導入に関し、さまざまな議論が実
施されました。今回は特に、移行に関する技術的なトピックスのみでなく、移
行を促すためにいつまでに何をしなければならない、といった「移行プラン」
を制定しよう、という話がありました。これについては、かなり多くのコメン
トがあり議論されましたが、政策的な話はIETFですべきでない、といったコメ
ントもありました。

その他、「現状あるIPv4/IPv6共存技術とIPv6移行技術と、IPv6/IPv4混在状態
の分析」、「移行時のインターネット接続ノードに対する要求条件(既存IPv4
ノードに対し、変更を求めてはならないなど)」、「上位プロトコルへの影響
などの各種要求条件」に関する議論がありました。また、IPv4アドレス在庫が
なくなった後でもIPv4インターネットへの接続性を提供するため、「トランス
レーション技術を用いてIPv6ネットワーク上でIPv4パケットを通過させる技術
(v4v6v4)の提案」などが実施されました。後者のトランスレーション技術につ
いては、IETF71の会場ネットワークに実装され、実地でその有効性がデモンス
トレーションされていました。

また、移行技術ではありませんが、IPv6にてエンドユーザにアドレスブロック
を割り当てる際には、DHCPv6-PDが利用されることが多くなっており、その際
に割り当てたアドレスブロックに対する経路情報をどのようにISP内に注入す
べきかについて、議論がありました。これは、DHCPの標準化を実施している
DHC WGで始まった議論ですが、オペレーションの観点からのコメントが募集さ
れています。

金曜日のGeneral sessionでは、Transition以外のv6ops WGの継続的案件と、
火曜日に残った議題などに関して議論が行われました。IETFの正式な会期は金
曜日午前中までとなっていますが、従来から、このコマに割り当てられるセッ
ションは少なく、また、人の多く集まるセッションは木曜日までに終了してい
ることが多いことから、金曜日には会場にいる人が少なくなっています。今回
も、火曜日に比べてかなり人の少ないセッションとなっていました。

議論は、エンドサイトに対するIPv6アドレス割り当てサイズを定義している
RFC3177の見直しから開始されました。このRFCでは、エンドサイトに割り当て
るIPv6アドレスサイズを/48にすることが規定されており、実際にアドレス
配布を実施しているRIRでも、以前はこの文書に合わせて推奨割り当てサイズ
を/48としていました。しかしながら、主にアドレスの無駄使いを防ぐ、とい
った観点から、この割り当てサイズの変更が議論になり、RFC3177の改版議論
と合わせて、RIRでの推奨割り当てサイズの変更が実施されました。

RFC3177の改版は途中、議論が沈静化したこともあり、しばらく放置されてい
ましたが、今回、再び議題に挙げられ、議論が実施されました。しかしなが
ら、以前の議論の際にも問題となった、アドレス割り当てサイズに関する内容
は、IETFで議論するものではないといった意見や、技術に特化した内容にすべ
きだという意見など議論が収束せず、引き続きメーリングリストで議論するこ
ととなっています。この他、Transition sessionの残議題として、IPv6/IPv4
トランスレータに関する議論、また、前回から引き続き、不正ルータ広告の防
止に関する議論、カスタマサイトにおけるセキュリティ確保に関する議論など
が行われました。参加人数はそれほど多くありませんでしたが、活発な議論と
なりました。

□v6ops WG
  http://www.ietf.org/html.charters/v6ops-charter.html
  http://www.6bone.net/v6ops/

□第71回IETF v6ops WGのアジェンダ
  http://www3.ietf.org/proceedings/08mar/agenda/v6ops.html


第71回IETFミーティングの各種情報は、以下のURLより参照可能です(いくつか
のWGでは、議事録も掲載されています)。

□ 全体プログラム、WGアジェンダ、発表資料
   https://datatracker.ietf.org/meeting/71/materials.html

□ 録音
   http://videolab.uoregon.edu/events/ietf/


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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