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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.636【臨時号】2009.4.20 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.636 です
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本号では、vol.632、vol.634、vol.635に続き、アメリカのサンフランシスコ
で開催された第74回IETFのレポート[第4弾]として、「IPv6関連WG報告」をお
届けします。

今回の「IPv6関連WG報告」は、前後編に分けての発行となっています。前編と
なる本号は、6man WG、intarea、ISOC主催のパネルについてのご報告です。

なお、その他の話題につきましては、以下の報告についてもあわせてご覧くだ
さい。

□第74回IETF報告
  ○[第1弾] 全体会議報告  ~概要、IETF Technical Plenaryについて~
    (vol.632)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol632.html

  ○[第2弾] 全体会議報告  
     ~IETF Operations and Administration Plenaryについて~ (vol.634)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol634.html

  ○[第3弾] DNS関連WG報告
     ~dnsop WG、dnsext WG、DNSSEC deployment BoFについて~ (vol.635)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol635.html

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◆ 第74回IETF報告 [第4弾]  IPv6関連WG報告
        ~6man WG、intarea、ISOC主催のパネルについて~
                                   JPNIC IPアドレス検討委員会メンバー/
                                     NTT情報流通プラットフォーム研究所
                                                              藤崎智宏
                                     NTT情報流通プラットフォーム研究所
                                                              松本存史
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第74回のIETFは、米国サンフランシスコにて、2009年3月22日から27日まで開
催されました。このところの世界的な景気の低迷もあり、参加人数が激減する
ことが危ぶまれましたが、ミネアポリスで開催された前回より200名以上多い
参加者が集まりました。シリコンバレーに近い西海岸ということで、多くの方
が自宅やオフィスから通っていたようです。

さて、毎回IETFでは、IPv6に関連した話題は多くのWGで議論されており、パラ
レルでそれらのセッションが開催されていることも多く、全てを少人数で把握
することは困難な状況です。そこで本稿では、会期中に議論されたIPv6に関連
したトピックスのうち、IPv6に特化した内容を議論するWGでの話題を中心に紹
介します。

◆6man WG(IPv6 Maintenance WG)

6man WGは、IPv6のプロトコル自体のメンテナンスを実施するWGです。今回の
ミーティングは、2009年3月24日(火)に開催され、参加者は100名程度でした。
最初にチェアより、WG文書の現状について以下のような報告がありました。

・重複フラグメントに関するドラフトのラストコールが終了。コメントがあっ
  たため、改版バージョンが出た。改版バージョンに対するコメントを募集中。
・予約インタフェース識別子ドラフトがRFC5453として発行された。
・IPv6サブネットモデルドラフトの新バージョンが発行された。
・ノード要求文書改版が進行中。

また今回の主な提案としては、以下が挙げられます。

・経路制御ヘッダのIANAへの登録について
  draft-arkko-ipv6-iana-routing-header
・IPv6複数アドレス選択デザインチームの議論報告
  draft-chown-addr-select-considerations
・トンネルパケットのUDPチェックサムの扱いについて
  draft-eubanks-chimento-6man

上記三つの提案について、以下に簡単にご紹介します。

「経路制御ヘッダのIANAへの登録」とは、経路制御ヘッダのタイプフィールド
に関する登録ガイドラインの提案です。現在、経路制御ヘッダのタイプフィー
ルドについて、IANAへの登録は四つ(そのうちの一つであるタイプ0については、
セキュリティ上の問題から利用禁止になっています)ありますが、今後追加登
録の際には、IETFのレビューかIESGへの申請を必要とすることにしたいという
ものです。議論の中で提案者から、経路制御ヘッダのタイプを定義しているよ
うな文書が他にないかどうか知っていたら教えて欲しいというリクエストもあ
りました。結局、会場内からは、この提案には賛成、他の定義文書については
知らない、というのコメントが一つあったのみで、他に意見はありませんでし
た。意見があれば、今後メーリングリストでコメントをして欲しいとのことで
す。

「IPv6複数アドレス選択デザインチームの議論報告」では、IETF72(ダブリ
ン)に引き続き、デザインチームからIPv6ノードがアドレスを複数持っている
場合のアドレス選択のあり方について以下の検討報告がありました。

・アドレス選択ポリシー配布の必要性
・ポリシー変更タイミングに関する考え方
・インタフェースが複数あるノードの場合の扱い
・それぞれのインタフェースからコンフリクトするポリシーが配布されてきた
  場合の扱い

v6ops WGでも、アドレス選択ポリシー配布については議論になっています。今
回のIETFでは、複数インタフェースがある場合の問題に関して議論する
mif BoFが6man WG終了後に開催されたこともあり、そちらとの関連や、現在の
アドレス選択仕様であるRFC3484は、終点アドレス選択と始点アドレス選択を
同じルールセットで記述しているが、それらを別々のルールセットとして記述
するように変更することも考慮するべきではないかという意見が出されました。
提案文書に対する会場からの賛成の声はそれほど多くなく、引き続きMLで議論
をしていくことになりました。

「トンネルパケットのUDPチェックサムの扱い」とは、IPv6とIPv4におけるUDP
の扱い方の違いについての提案です。IPv4では、UDPパケットのチェックサム
はオプション扱いになっていますが、IPv6の基本仕様を定めているRFC2460で
は、UDPにおいて、チェックサムの計算が必須であることが定められていま
す。この違いは、IPv4ではIPv4ヘッダ内にチェックサムフィールドがあります
が、IPv6ではIPv6ヘッダ内のチェックサムを不要としたことによるものです。
しかし、マルチキャストをトンネルで転送するAMTなどのプロトコルでは、ト
ンネル部分でチェックサム相当の計算をするため、UDPカプセリングを実施す
るルータやエンドホストの負荷軽減のために、この計算を不要としたいという
ことが提案されました。

チェックサムを不要とすることへの危険性が指摘される一方で、「IPv4では
チェックサムがないのだからIPv6でも同様にすべきだ」というという意見や、
「その目的ならUDP liteを使うべきだ」、「UDP liteは、UDPとプロトコル番
号が違うため、NATを通過できない」という議論がありました。UDPチェックサ
ムの有無による得失や、AMTの仕様も含め、メーリングリストで継続議論を行
うことになりました。

□6man WG
  http://www.ietf.org/html.charters/6man-charter.html

□第74回IETF 6man WGのアジェンダ
  http://www3.ietf.org/proceedings/09mar/agenda/6man.html

◆intarea (Internet Area Open Meeting)

intarea オープンミーティングは、Internetエリアでの話題のうち、どのWGに
も属さない議題や、複数のWGにまたがった内容を議論するWGです。Internetエ
リアのエリアディレクターが、エリア全体の動きの紹介も実施します。今回、
IPv6に関連する話題としては、DHCPv6を使用し、デフォルトルータおよびオン
リンクのプリフィックスを配布してはどうか、という提案がありました。

IPv6では、デフォルト経路はルータ広告(Router Advertisement, RA)により
通知されます。これに対して、IPv4と同等の動作をできるようにすべきだとい
う意見や、RAのセキュリティを問題にする意見等があり、DHCPv6による経路情
報の配布に関しては以前から何度か提案されていました。しかし、こうした提
案は、同等のことを複数の手段で実施することを嫌う意見、IPv6の基本的な動
作を変更することに対する懸念などがあり、否決されてきました。今回は、運
用コミュニティからの意見等もあり、IETFの重鎮が提案するという形で
intareaミーティング、routingエリアミーティング、dhc WGで議論が実施さ
れました(dhc WGでは一部のみ)。今回の提案は、IPv6の基本動作を変更せずに
DHCPv6による経路配布を取り込むという内容になっています。従来と同様の懸
念の提起や、DHCPv6とRAのセマンティクスの違い等についても意見のある中、
IPv6が広まるならばDHCPv6の利用もやむを得ないという意見もあり、継続議論
となりました。

□第74回IETF intareaのアジェンダ
  http://www.ietf.org/proceedings/09mar/agenda/intarea.txt

◆ISOC主催のパネル「The Seven Stages of IPv6 Adoption」

2009年3月24日(火)のランチセッションとして、ISOC(Internet Society)主催
のIPv6ディプロイメントに関するパネル討論、「The Seven Stages of IPv6
Adoption」が行われました。このセッションは、パネリストとして後述の方々
がプレゼンテーションを行い、その後に会場からの質問に答えるという形式で
進みました。IETFミーティングには直接関係はありませんが、IPv6関連の話題
ということで、パネリストの名前とプレゼンテーションの内容を簡単にお伝え
します。

- Russ Housely氏、IETFチェア
    IPv6プロトコル発祥の団体として、移行シナリオの見直し、移行技術の開
    発を進めていく。

- Richard Jimmerson氏、American Registry for Internet Numbers(ARIN)
    IPv4アドレスの残数は確実に減っている。ARINでも従来よりIPv6への
    認識を高める活動をしており、最近は業界の反応も変わりつつある。

- Kurtis Lindqvist氏、Netnod社
    IPv6が流行らないのはIPv4との非互換性、移行への積極的な理由がないこ
    となどが原因。IPv4とIPv6網をつなぎ、エンドユーザー向け機器を増やし
    ていくことが必要。

- Lorenzo Colitti氏、Google社
    IPv6は新規ビジネスのチャンス。インターネットの継続利用のためにも必
    要。Google社におけるIPv6への取り組みの歴史を紹介。

- Alain Durand氏、Comcast社
    IPv4アドレスは確実になくなるが、IPv4デバイスはたくさん残る。また、
    コンテンツサーバがIPv6対応するには時間がかかる。ユーザーが個別の
    IPv4アドレスを使わずにIPv4サービスを使えるようにすることが必要。

- Sebastian Bellagamba氏、Internet Society
    カリブ、ラテンアメリカ等の途上国におけるIPv6ディプロイメントの例を
    紹介し、政府の関与が重要なことを示す。

- Jari Arkko氏、Ericsson Research(IETF Internetエリアディレクタ)
    IPv6の仕様はできあがっており、メンテナンスフェーズに入っている。
    IETFでの注目も、ディプロイメントへ移っている。

会場からのIPv6の意義に関する質問に対しては、「多くのデバイスが常時接続
になっていくことや、今後も継続的にインターネットを利用していくためには
必要」といった回答をはじめ、「やはりIPv6へ移行するインセンティブが少な
いことが問題だ」というような、従来から多くある意見も出されました。特に
結論を出すようなパネル討論ではなかったのですが、多くの聴衆が集まり、
IPv6への関心の高さがうかがえました。

パネルの詳細、話者のプロフィール、発表スライドについては、以下のWeb
サイトに掲載されています。

  http://www.isoc.org/isoc/conferences/ipv6panel/


                  ◇              ◇              ◇

次回の[第5弾]では、「IPv6関連WG報告 ~v6ops WG、6ai BoFについて~」を
お送りします。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.636 【臨時号】

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