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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.654【定期号】2009.7.16 ◆
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◆ News & Views vol.654 です
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本号では、2009年6月21日から26日にかけて、オーストラリアのシドニーで開
催されたICANN会議のレポートをお届けします。
なお、今回のICANN会議の報告会を7月23日(木)に、東京の富士ソフト アキバ
プラザで開催いたします。本号では現在ICANNでどのような議論が行われてい
るかをお伝えするとともに、報告会では会議参加者からの生の声をみなさまに
お届けできればと考えております。
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◆ 目次
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【 1 】特集 「ICANNシドニー会議報告」
【 2 】News & Views Column
「インターネットテクノロジーの愉しみ」
グリー株式会社 藤本真樹氏
【 3 】インターネット用語1分解説
「PDPとは」
【 4 】統計資料
1. JPドメイン名
2. IPアドレス
3. 会員数
4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー
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【 1 】特集 「ICANNシドニー会議報告」
JPNIC インターネット推進部 前村昌紀
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2009年6月21日から26日まで、オーストラリアのシドニーで第35回ICANN会議が
行われました。前回、2009年3月のメキシコシティ会議では、新gTLD導入が大
きなトピックとして挙がりましたが、今回のシドニーでもやはり大きな話題と
なりました。
本稿では、この新gTLD導入に付随する動きとして、実装勧告チーム(IRT:
Implementation Recommendation Team)と呼ばれる、新gTLD導入で問題とな
る、商標など知的財産権に関する扱いを検討するチームについて、ご報告しま
す。
◆IRT
IRT(Implementation Recommendation Team)を直訳すると、「実装勧告チー
ム」となりますが、具体的には、新gTLD導入の際に必要とされる、商標保護方
策を検討し勧告することが、このチームのミッションです。IRTは、ICANN理事
会が2009年3月のメキシコシティ会議において議決した、GNSOの知的財産権関
係者部会(IPC:Intellectual Property Constituency)に対する要請によって招
集されたものです(*1)。IPCは決議を受けて3月中にIRTを編成し、以降2ヶ月に
わたって検討を重ね、5月末にまとまった最終案が、今回のICANN会議で報告さ
れました。
最終案では、以下の五つの方策が提案されています。
1) 今後、多数設立されると見込まれる新たなTLDに対する、商標保護手続きの
負担を軽減するための仕組み。具体的には以下の三つ。
・TLDレジストリが共通して利用し、商標に関する情報のリポジトリとして
機能する「IPクリアリングハウス」
・一定数以上の国で保護されている商標(GPM:Globally Protected Marks)
を登録する「GPMリスト(GPML)」
・GPM以外の商標を取り扱う「IPクレームハウス」
2) 商標悪用によるドメイン名の利用を早期に凍結する「統一早期凍結システ
ム(URS:Uniform Rapid Suspension System)」
3) 商標権をクリアして登録されたドメイン名を使って、登録後に商標保護の
観点で問題のある運用がなされることを防ぐ、「登録後紛争解決メカニズ
ム(Post-Delegation Dispute Resolution Mechanism)」
4) .comなど、登録データが一元化されず分散管理されていると、情報更新が
徹底されない恐れがあることから、新たなgTLDでは全て、レジストリの一
元化管理(いわゆるThick WHOIS)を行うこと
5) TLD文字列の審査において、文字列の類似性だけでなく、聞こえ方や意味も
含めた類似性判別を、審査のアルゴリズムに含めること
この報告書最終案は、2009年7月に世界4都市で行われる、ICANNコンサルテー
ションでも紹介され、意見聴取が行われた後、秋に公開が予定されているドラ
フトガイドブック(新gTLD導入に関するドラフト版RFP)第3版に盛り込まれる予
定です。
(*1) JPNIC News & Views vol.626 「ICANNメキシコシティ会議報告」
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol626.html
◆その他
GNSOでは、支持組織全体の組織改革が大詰めを迎えています。組織改革によ
り、GNSOは現存の部会(Constituency)をベースとした組織編成から、部会を包
含する四つのステークホルダーグループ(SG)をベースとする組織編成へと移行
します。(*2) これによって、部会を新規設置する自由を確保しながら、GNSO
全体として、より広い関係者の参加と、バランスの取れた方針策定を目指して
います。
GNSO評議会
|
+-- 契約者会議 -----------------+-- レジストリ SG (RySG)
| (Contracted Party House) | +-- レジストリ部会など
| +-- レジストラ SG (RrSG)
| +-- レジストラ部会など
|
+-- 非契約者会議 ---------------+-- 商用 SG (CSG)
(Non-contracted Party House)| +-- ビジネス、知財権、ISP部会
| など
+-- 非商用 SG (NCSG)
+-- 非商用ユーザ部会など
各SGのチャーターと、組織改革に伴うICANN付属定款の修正案は、最終ドラフ
トの段階にきており、意見募集に付されています(*3)。
また、新gTLDの追加やIPv6やDNSSECなどの普及によって、ルートゾーンの拡大
が予想されますが、これに対するスケーラビリティ確保も大きな話題の一つで
あり、ワークショップが持たれました(*4)。
ICANN会議の最終日に行われた公開理事会会合では、22に上る決議が採択され
ましたが、その一つとして、新たな事務総長、Rod Beckstrom氏が指名されま
した(*5)。この決議の直後に、Beckstrom氏は壇上に上がり、インターネット
におけるICANNの重要性とその使命を強調し、事務総長としての決意を表明す
る演説を行いました。
◇ ◇ ◇
今回のシドニー会議の詳細に関しては、2009年7月23日に開催予定の第25回
ICANN報告会(東京、富士ソフト アキバプラザ)でご報告いたします(*6)。ぜひ
ご参加ください。
(*2) Council Organization > Structure & Composition
http://gnso.icann.org/en/improvements/structure-en.htm
Council Organization > Stakeholder Group Process
http://gnso.icann.org/en/improvements/stakeholder-process-en.htm
(*3) 意見募集のページ
http://www.icann.org/en/public-comment/#stakeholder
http://www.icann.org/en/public-comment/#gnso-restructure
(*4) Root Zone Scaling Study Group
http://syd.icann.org/node/3806
(*5) Rod Beckstrom Named ICANN CEO
http://www.icann.org/en/announcements/announcement-26jun09-en.htm
(*6) 第25回ICANN報告会開催のご案内
http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2009/20090709-01.html
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【 2 】News & Views Column
「インターネットテクノロジーの愉しみ」
グリー株式会社 藤本真樹
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インターネットに関わる仕事の醍醐味の一つに、技術革新の速さがあるかと
思っています。先月(2009年6月)を振り返ってみても、Opera Unite(*1)の
ニュースがあったかと思えば、Google Wave(*2)のプレビューが始まり、
iPhone 3GSが発売され、と息をつく暇もないくらい刺激的なニュースが流れて
きます。
そして最近、インターネットらしいと思わされた技術が、Web上の画像を利用
した自動画像補完技術です(*3)。インターネットを通じてアクセスできるデー
タ量は増える一方です。また、小規模な組織でも直接、間接を問わず、比較的
安価に大量のデータを扱うことができるようになっているように感じます。そ
の中から、こういった興味深い成果が生まれているのを目の当たりにすると、
インターネットの世界はもっともっと面白くなるんじゃないか、そして世界中
の多くのエンジニアによって支えられているその技術に、わずかでも貢献でき
るかもしれないという可能性にワクワクします。
(*1)Opera Unite:Webブラウザー「Opera」に搭載する、サーバー機能のこと。
この機能を組み込むことで、通常外部サーバーを経由しなけ
れば実現できないサービス(ファイル共有、写真共有、
チャット、メモ共有、Webサーバー、メディアプレーヤー)が
PC同士(あるいは自分のPC)で利用可能となる。
http://unite.opera.com/
(*2)Google Wave:Google社が開発した、次世代コミュニケーションプラット
フォームのこと。メール、インスタントメッセージング、文
書/写真/ビデオ/アプリケーション共有などを統合した、リ
アルタイムのコミュニケーションサービスが利用可能。
http://wave.google.com/
(*3)自動画像補完技術
http://graphics.cs.cmu.edu/projects/scene-completion/
日本語紹介記事: http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20090629/1246282979
■ 著者略歴
藤本 真樹
2001年に上智大学文学部卒業後、株式会社アストラザスタジオを経て、2003年
2月有限会社テューンビズに入社。PHP等のオープンソースプロジェクトに参画
し、オープンソースソフトウェアシステムのコンサルティング等を担当。2005
年6月グリー株式会社取締役に就任。
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【 3 】インターネット用語1分解説
「PDPとは」
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PDPとは「Policy Development Process」の略で、日本語では「ポリシー策定
プロセス」と訳されます。
ポリシー(政策や方針など)の策定を行う組織の多くでは、ポリシーをどのよう
な方法で検討し策定するのか、また、策定されたポリシーの施行方法などにつ
いて、事前に明文化して定めておくことが重要視されています。この事前に定
められた文書、もしくはそれに基づいて行われる一連の過程をPDPと呼びま
す。
このPDPは、インターネット関連のさまざまな組織においても定められていま
す。例えば、ICANNや各RIR(*1)などのPDPは、各組織のWebサイトなどで公開さ
れており(*2)、誰でも自由に見ることができます。また、JPNICが定めるIPア
ドレス技術文書「JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス(*3)」も、
PDPの一つです。
インターネットではその成り立ちから、ポリシー策定に誰でも参加できること
が重要視されています。例えば、各RIRは、コミュニティによるガバナンスを
実現するために、参加者による議論を行うミーティングである「オープンポリ
シーミーティング」を設置しています。またメーリングリスト、チャットなど
といった、遠隔での議論およびコメント手段も導入し、会員だけではなく興味
を持つ人に広く門戸を開いています。つまり、ルール作りには誰でも参加する
ことができ、これをボトムアッププロセスと呼んでいます。
また、インターネットにおける各種資源の調整業務に関するポリシー策定が自
身の重要な役割の一つであるICANNでは、遵守すべき原則の一つとして、「民
間によるボトムアップ的な調整」が含まれており、PDPはその原則に沿って実
現されたものということができます。ICANNでは、GNSO(*4)やccNSO(*5)におい
てポリシーを策定するための流れをPDPと呼び、独立した文書ではなく基本定
款の細目を規定する付属定款(*6)の中で、プロセスの詳細が明確に規定されて
います。(*7)
(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/rir.html
(*2) http://www.nro.net/policy/index.html
(*3) http://www.nic.ad.jp/doc/jpnic-01090.html
(*4) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/gnso.html
(*5) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-ccNSO
(*6) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ij.html#02-icann-bylaws
(*7) http://www.icann.org/en/general/bylaws.htm
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【 4 】統計資料
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1.JPドメイン名
o 登録ドメイン数(2009年2月~2009年7月)
--------------------------------------------------------------------------------
日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------
2/1| 272 3485 325828 878 24539 17326 8102 4507 1931 2975 544709 134565 1069117
3/1| 272 3496 326646 875 24624 17283 8103 4518 1929 2970 550346 134790 1075852
4/1| 270 3516 327911 870 24772 17232 8095 4534 1931 2963 555635 134785 1082514
5/1| 271 3524 329046 849 24904 17207 8086 4552 1931 2954 561571 135581 1090476
6/1| 272 3528 329816 843 24971 17190 8091 4559 1925 2943 565795 131280 1091213
7/1| 271 3532 330644 828 25096 17130 8070 4554 1886 2932 572433 130984 1098360
--------------------------------------------------------------------------------
GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
GJ:汎用ドメイン名 日本語
2.IPアドレス
o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2009年1月~2009年6月)
------------------------------------------
月 | 割振 | 返却 | 現在の総量
------------------------------------------
1 | 14336 | 0 | 57393086
2 | 565248 | 0 | 57958334
3 | 269312 | 24576 | 58203070
4 | 401408 | 4096 | 58600382
5 | 599040 | 8192 | 59191230
6 | 1357824 | 12288 | 60536766
------------------------------------------
□統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/
3.会員数 ※2009年6月25日 現在
---------------------
会員分類 | 会員数 |
---------------------
S会員 | 3 |
A会員 | 1 |
B会員 | 4 |
C会員 | 5 |
D会員 | 128 |
非営利会員| 10 |
個人推薦 | 35 |
賛助会員 | 39 |
---------------------
合計 | 225 |
---------------------
□会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
4.指定事業者数 ※2009年7月10日 現在
IPアドレス管理指定事業者数 381
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2009.7.15(水)~23(木) SANOG 14 (Chennai, India)
2009.7.16(木) 電子証明書を用いた認証方式に関する説明
会(東京、JPNIC会議室)
2009.7.20(月)~24(金) 28th APAN (Kuala Lumpur, Malaysia)
11th APNG Camp (Kuala Lumpur, Malaysia)
2009.7.23(木) 第25回ICANN報告会(東京、富士ソフト アキ
バプラザ)
2009.7.26(日)~31(金) 75th IETF (Stockholm, Sweden)
--------------------------------------------------------------------
2009.8.25(火)~28(金) APNIC 28 (Beijing, China)
--------------------------------------------------------------------
2009.9.11(金) IPアドレス管理指定事業者定例説明会
(東京、JPNIC会議室)
電子証明書を用いた認証方式に関する説明
会(東京、JPNIC会議室)
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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