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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1248【臨時号】2014.11.13 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1248 です
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世界に五つある地域インターネットレジストリ(RIR)のうち、北米地域のRIR
であるARINのミーティングが、2014年10月9日(木)と10日(金)の2日間、米国
メリーランド州のボルチモアで開催されました。本号では、このミーティン
グで議論された内容のうち、日本のインターネットコミュニティでも押さえ
ておきたいトピックについてお伝えします。

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◆ ARIN 34ミーティング報告
                            JPNIC インターネット推進部/IP事業部 奥谷泉
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今回のARIN(*1)会議は、秋に開催される会議の通例として、NANOG(北米のネッ
トワークオペレーターズグループ)(*2)ミーティングとの併催でした。

開催地であったボルチモアは、ニューヨークやワシントンDCにも車で数時間
の距離にあり、街としては治安に気をつけないといけないとのことですが、
会場近くは、公園でビーチバレーをしている光景なども見受けられ、小型の
船が停泊している港まで徒歩数分の、ゆったりとした雰囲気でした。

今回は、アドレスポリシーに関する議論に加え、IANA(*3)機能の監督権限移
管に向けた、ARIN地域としての提案に関する議論が行われたことが、大きな
特徴です。

IANAは、「ドメイン名」「番号資源」「プロトコルパラメーター」の三つの
重要なインターネット資源に関わる機能を担っており、そのうち「番号資源」
に関わる監督権限移管の提案は、各RIR(*4)地域で議論された提案をグローバ
ルに一つにまとめたものを、2015年1月に提出することが求められています。
すなわち、APNIC(*5)地域で議論した内容が他のRIR地域と異なる場合は、
APNIC地域内での再調整が必要となります。そこで筆者は、ARIN 34の1ヶ月前
に、APNIC 38にてAPNIC地域として議論した移管提案と比較する視点で、本会
議におけるARIN地域の議論に着目していました。

アドレスポリシーについては、10点の提案が議論された中、「日本も含めた
APNIC地域でも検討すべきか」という視点で着目しておきたい議論としては、
「IPv4アドレス移転要件の見直し」と「ARIN地域外でのIPv4の利用」の2点が
挙げられます。

特に前者の「IPv4アドレス移転要件の見直し」は、アドレスの必要性を確認
する要件を緩和する方向に進めるものであり、これまでのARINコミュニティ
の姿勢と大きく異なります。APNIC地域における要件も、これに合わせて見直
すべきかということを検討するための材料として、今後も注視すべきかと思
います。

本稿では、IANA機能の監督権限移管の議論も含めた、これら3点に絞ってご
報告します。

(*1) ARIN
     https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html

(*2) NANOG
     https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-kz.html#n1-network

(*3) IANA
     https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ij.html

(*4) インターネット用語1分解説:地域インターネットレジストリ(Regional 
     Internet Registry)とは
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/rir.html

(*5) APNIC
     https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html


■IPv4アドレス移転要件の見直し

今回の会議では、移転するIPv4アドレスに対して、移転先での必要性を確認
した上で、移転を承認する要件を緩和する方向に議論が進められていました。
これは、数年前にARIN地域で移転ポリシーを施行した際に、必要性の確認を
行わないことが投機目的のアドレス売買につながると消極的であった、当時
のARIN地域の姿勢と比べると、かなり大きな変化が見て取れます。

◇ 会場の反応

今回の会議では、移転アドレスの必要性を確認する要件の緩和を求める提案
が、複数提出されていました。提案内容からはその背景は明らかではありま
せんが、移転が想定に基づくものであった移転ポリシー施行時とは異なり、
IPv4アドレスの在庫枯渇が進み、実際に移転が行われている現状においては、
要件を緩和した方が実態に合っていると考える人が増えてきているようにも
思えます。そうは言っても、全体としては、慎重派の意見が目立ち、一度に
すべてのサイズの移転において要件を撤廃するのではなく、小さなサイズか
ら要件緩和をして様子を見ようとする意見が表明されていました。

結果として、今回の会議では合意に至らずに、継続議論となりましたが、要
件緩和自体に懸念を示す意見は少なく、必要性の確認対象とすべき移転サイ
ズについて意見が分かれたことが、コンセンサスとならなかった主な要因と
言えそうです。

◇ APNIC地域からの視点

APNIC地域では、ポリシー施行当初は、需要確認の要件がなかったものの、
ARIN地域とのRIR間移転を実現するために、需要確認の要件を追加した経緯が
あります。

これを踏まえて、今後ARIN地域の要件が緩和された場合、APNIC地域としては
「ARINに合わせて要件緩和をしたい」のか、「現状の要件を残す」のか、コ
ミュニティの意思と方針を整理していく必要性が出てきます。


■ARIN地域外でのアドレスの利用

「ARIN地域外でのアドレスの利用」は文字通り、ARINから分配を受けたIPv4
アドレスの、ARIN地域外での利用を認めることを、ポリシー上、明確にする
ことを求めたものです。この提案も、IPv4アドレス在庫枯渇に伴い、実体化
している課題への対応を目指しています。ただし、ARINから分配を受けたア
ドレスの一部は、ARIN地域内で利用することが前提となります。

◇ 解決したい課題

  ・現在のアドレスポリシーでは、ARINから分配を受けたIPv4アドレスの利
    用をARIN地域内に限定するべきか、他の地域でも利用できるのか、明確
    ではない
  ・一方、他のRIR地域での在庫枯渇が進む中、複数のRIR地域に拠点を持つ
    企業からは、ARINから分配を受けたアドレスを、他の地域でも利用でき
    るようにしたいとのニーズも確認されている

◇ 会場の反応

会場では、Microsoft社やGoogle社などの企業の参加者から、「既にそういう
使い方をしている」との意見が複数表明されました。一方、FBI(米国連邦捜
査局)などの法執行機関からの参加者は、アドレス利用者の実態がつかめなく
なり、連絡が取れなくなるとして懸念を示しており、継続議論となりました。

◇ APNIC地域からの視点

APNIC地域内でも、このようなケースは考えられると同時に、申請者が所在地
外のRIRを自由に選択できると解釈する余地を与えかねない、といったことな
ども考えられることから、どこまでをアドレスポリシーで明文化するべきか、
バランスを踏まえて考慮することが大切なように思います。


■IANA機能の監督権限移管に向けた議論

NTIA(米国商務省電気通信情報局)(*5)からの発表を受け、IANAの三つの機能
のうち、「番号資源」に関わるIANA機能の監督権限移管に向けた提案は、RIR
コミュニティで策定することになっていることは、vol.1236(*6)でお伝えし
ました。

APNIC地域でのAPNIC 38(2014年9月)での議論に続き、ARIN 34では、ARIN地域
としての提案策定に向けた議論を行いました。

◇ 今回の議論とARIN地域の現状

会議では、提案すべき内容に踏み込んだ議論は行わず、背景と現状の報告、
ARIN地域としての提案策定に向けたプロセス案を紹介し、プロセスとして適
切であるかについて議論を行いました。

ARIN地域では、IANA機能の現状と今後に関する調査を実施し、コミュニティ
の意向を確認した上で、提案の策定を進めるとし、ARIN 34の後に、実施した
調査の結果が公開されています。

  IANA Stewardship Transition - ARIN Community Input
  https://www.arin.net/participate/governance/iana_survey.pdf

◇ 他のRIRとの比較

他のRIR地域では、調査という形を取らず、具体的な提案をもとに各コミュニ
ティの意思確認が進められています。

なお、ARIN地域における調査結果の中で、印象に残ったものとしては、NTIA
に代わりIANA機能の監督を行う第三者機関の設立を支持する意見が、過半数
となっていた点でした。これは、APNIC地域で議論した提案には含まれていな
い要素です。

◇ 今後

この調査結果を踏まえて、ARIN地域として、どういう提案を策定するのか、
また、ARIN地域での提案策定・コンセンサスの確認が、全RIRでゴールとして
設定した2014年12月までに間に合うのかが注目されるところです。

その後の全RIR地域における議論を経て、CRISP (The Consolidated RIR IANA
Stewardship Proposal) Teamが各RIRコミュニティの意向を尊重しながら、ど
う内容をすり合わせていくのかということが、番号資源として一つの提案に
まとめる鍵となります。

(*5) インターネット用語1分解説:NTIAとは
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/ntia.html

(*6) vol.1236 APNIC 38カンファレンス報告 [第1弾] 全体およびアドレスポ
              リシー関連報告
     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2014/vol1236.html


■ARIN 34とNANOG 62に参加して

ARINは、オペレーターによる議論の参加も促進しており、NANOG会議のセッ
ションの中で、ARIN 34で議論するアドレスポリシー提案を、NANOGの参加者
と議論する形式をとっています。NANOG 62では、それ以外にも、政策に関わ
るテーマを扱ったプログラムとして、ネット中立性へのFCC(米国連邦通信委
員会)法案検討に向けたFCC担当者による発表や、ICANN会議へオペレーターの
参加を呼びかけるセッションなど、「運用」を軸としながらも、技術的な枠
にとらわれない内容が見受けられました。

一方、NANOGが終わりARIN会議が始まると、約3分の2の参加者が去る現状を目
の当たりにすると、もともと政策的な話に興味がある人以外に、ポリシー策
定に関わってもらおうとすることは、なかなかのチャレンジであることが感
じ取れます。

ARIN会議単体で見た場合、APNIC地域と比較するとポリシー提案の数も多く、
提案への議論が活発に行われていますが、参加者の1人が「数は多いが、特筆
すべき議論は、移転における必要性確認要件の撤廃に関する議論くらい」と
の感想を述べていたことも印象的で、議論が活発なのがよいと一概には言え
ないのかもしれません。

  参考:
  ・ARIN 34ミーティングプログラム
    https://www.arin.net/participate/meetings/reports/ARIN_34/ppm.html

  ・ARIN地域における提案一覧
    https://www.arin.net/policy/proposals/


■次回のARINミーティング

  次回のARINミーティングは、米国カリフォルニア州・サンフランシスコに
  て、2015年4月12~15日に開催されます。

  ARIN 35
  https://www.arin.net/participate/meetings/index.html


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1248 【臨時号】

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