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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1293【臨時号】2015.3.30 ◆
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◆ News & Views vol.1293 です
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vol.1288より、10年ぶりの日本開催、かつAPAN会合との同時開催ともなった、
APRICOT-APAN 2015の会合に関するレポートを連載にてお届けしています。

本号では、参加者を含むすべての関係者が利用した、会場ネットワークの構
築と運営に携わったネットワークチームの活動報告をお届けします。舞台裏
にて、長い時間をかけて熱心に取り組んできた方々の様子を垣間見ることが
できます。

今までのAPRICOT 2015/APNIC 39カンファレンスの全体会議に関するレポート、
また開催前に書かれた関連記事は、下記のURLでバックナンバーをご覧いただ
けます。

□APRICOT 2015/APNIC 39カンファレンス報告
  [第1弾] 全体報告(vol.1288)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1288.html
  [第2弾] アドレスポリシー関連報告(vol.1289)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1289.html
  [第3弾] 技術動向報告(vol.1290)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1290.html
  [第4弾] APRICOTと再会したAPANに関してのご報告(vol.1291)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1291.html

□APRICOT-APAN 2015関連記事
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/apricot-apan-2015.html

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◆ APRICOT 2015/APNIC 39カンファレンス報告 [第5弾]
   ネットワークチーム活動報告
         APRICOT-APAN 2015 ネットワークチーム チェア 谷崎文義/高田美紀
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2015年2月24日から3月6日の11日間、福岡にて「APRICOT-APAN 2015」が開催
されました。会議や参加者をサポートする会場ネットワークを提供するため
「APRICOT-APAN 2015ネットワークチーム」が結成され、会場ネットワークに
関する一連の作業に従事しました。本稿では、会場ネットワークについての
全体を振り返るとともに、ネットワークチームのチェアとして気づいたポイ
ントなどについて紹介します。


■ ネットワークチームがめざしたもの

われわれは『来場者が会期中に快適に過ごせるような会場ネットワーク環境
を提供する』ことを目的に、2014年1月初旬から具体的な活動を開始しまし
た。

ネットワークチームは、APRICOT-APAN 2015日本実行委員会が谷崎、高田を
チェアとして任命したことからはじまりました。チェア2人はまず、チームの
方針を話し合いました。インターネットやネットワークに関する大規模な国
際会議が日本で開催されることはまれであることから、日本のエンジニアが
持つネットワーク構築運用技術の高品質さを、来場者にアピールする絶好の
機会であると考えました。また、次の世代を担うエンジニアの育成、および
地方の優れた人材を発掘する場としても、このプロジェクトは重要な役割を
果たすことができると考え、これら2点をチームの目標として掲げました。

チームメンバーを集めるため、JANOGメーリングリストへの投稿や実行委員か
らの働きかけ、九州のインターネットコミュニティへの呼びかけなど、さま
ざまな形で募集を行いました。最終的にメンバーは九州在住のエンジニアや
学生を含め総勢40名強となり、ご協力いただいた企業の皆さまと一体となり
プロジェクトを進めました。


■ ネットワーク構築における課題と対応

設計構築をプロジェクトで進めるにあたって、まず課題になるのはネットワー
クの規模です。APRICOT-APAN 2015日本実行委員会が立てた目標は参加者1,000
名、またその中の7割程度が海外からの参加者となる見込みでした。日本国内
からの参加者が多い会議よりも、多くの無線LANデバイスの持ち込みがあると
想定しました。最終的に参加者1人あたり2台の無線LANデバイスが持ち込まれ
ると仮定し、端末数を2,000として無線LANネットワークの設計を行いました。
また、今回のAPRICOT-APAN 2015は、他の会場ネットワークと異なるポイント
が3点ありました。それは……

・APRICOTとAPANという性格の異なる二つの国際会議が同時に行われること
・前半のワークショップと後半の本会議では会場が異なるため、それぞれで
  設計と設営、開催期間中の運用、撤収が必要なこと
・関係するスタッフは東京と九州にそれぞれに存在すること

です。

APRICOTとAPAN、二つの国際会議から会場ネットワークに求められるものは異
なるものでした。参加者が会期中に調べものやメールのやり取り、SNSなどの
ため利用する無線LANネットワークについては、同じものとさせてもらうこと
ができましたが、APRICOTではWeb配信や会議をサポートする設備のために有
線ネットワークが求められました。またAPANでは、APANネットワークを利用
したさまざまなデモが行われるため、APANネットワークに高速に接続できる
広帯域な環境が求められました。このため、福岡国際会議場でのネットワー
クでは、APRICOTで使用するネットワークとAPANで使用するネットワークを論
理的に分け、2面のネットワークを構築しました。

会期は2週間ありましたが、前半の会場はJR博多シティ、後半は福岡国際会議
場と異なる場所でした。二つの会場ネットワークを全く別のものとして設計
すると、機材のやりくりや運用が煩雑になると考え、論理設計(VLAN番号やマ
ネジメント用のIPアドレス、機器の設定ポリシー等)の共通化をしたり、機材
を使い回せるようにしたりと配慮しました。また、会場の協力により、会場
内にある既設ネットワークのUTP配線と光ケーブル配線を会期中借用すること
ができました。これらの結果、設計と構築の工数を大幅に短縮することがで
きました。

当初、二つの会場で設営と撤収を行う必要があるという、手間の面ばかりに
注目していましたが、思わぬ効果もありました。福岡国際会議場での大規模
なネットワークの構築運用を始める前に、比較的小規模なJR博多シティの構
築運用を行えたことが、スタッフの貴重な経験となり、結果的には習熟度を
上げそれが大きな自信につながり、福岡国際会議場での運用を助けることに
なったのです。

設計構築を進めるにあたり、綿密なコミュニケーションを取ることはとても
重要です。しかし、スタッフは東京と九州に分かれており、また各個人を取
り巻く状況はさまざまです。このような環境でも密にコミュニケーションを
行うために、メーリングリストのみならず、FacebookやGoogleドライブを利
用しました。Facebookでは非公開のグループを作成し、掲示板やメッセンジ
ャーでコミュニケーションを取りました。また、設計構築に関わるさまざま
な資料はGoogleドライブに保存し、多様な環境から閲覧と編集を可能にしま
した。


■ 次世代の育成

会期が始まる前の1週間、使用するすべての機材を九州産業大学に集め、本番
で使用する環境を実際に構築して確認する事前作業を行いました。この期間
のことを「ホットステージ」と呼んでいます。借用した機材の動作チェッ
ク、管理のためのラベル貼り、機器の設定、UTPや光ケーブルでのつなぎ込
み、提供するすべての環境がきちんと動作しているかどうかの確認試験、ま
た設計に関する議論とドキュメントのアップデートを、会期中に構築運用に
関わるスタッフで行いました。ホットステージを進めるにあたってのポイン
トは、学生の育成です。東京や九州のエンジニアと、九州産業大学や九州工
業大学の学生が1:1または1:2程度のチームとなり、一緒に設定したり確認し
たりする作業にあたってもらいました。実際に自分で手を動かして設定をし、
エンジニアと共に確認しトラブルシュートすることで、一つ一つの設定内容
や今回のネットワーク設計についての理解が深まり、会期中の運用にスムー
ズに入ることができました。このようなエンジニアと学生のコラボレーショ
ンは、会期中も続きました。ネットワークチームに参加した学生たちは、日
頃の大学生活では触れることのできない多数の機器に最初は戸惑いもあった
ようですが、エンジニアの助けもあり、会期終了時には一人前のエンジニア
に成長しました。


■ ネットワークチームによる万全の体制が会議の成功に貢献

両会場での設営と運用、撤収はネットワークチームスタッフ全員で行いまし
た。JR博多シティでは、ワークショップごとに異なる有線/無線LANネットワー
ク、各種サービスを提供するサーバー群を構築しました。福岡国際会議場で
は、来場者の生活用無線LANネットワーク、および会期中に行われるさまざま
なデモやWeb配信、出展社ブースのための有線LANネットワーク、各種サービ
スを提供するサーバー群を構築しました。特に福岡国際会議場は会場規模が
大きいため、使用する機材が多く設置そのものには時間はかかりましたが、
綿密な準備とスタッフの頑張りのおかげで、初日の朝から会場ネットワーク
が必要な場所においても、無事に運用を開始することができました。

会期中は各種ツールを用いたネットワークの監視と観測を行い、運用状況の
確認を行うとともに、不測の事態に備えました。また、来場者のために会場
ネットワークに関するサポートを行うネットワークヘルプデスクを開設し、
学生を中心に専任のスタッフを配置しました。ホットステージや会期中にお
いて高品質のネットワークを維持管理すること、またヘルプデスクを運営す
ることは、『来場者が会期中に快適に過ごせるような会場ネットワーク環境
を提供する』というネットワークチームの目的に即したものです。観測や申
告をもとに、両会場とも会期中に無線LANネットワークの細かなチューニング
を複数回行いました。特に福岡国際会議場でのオープニングとクロージング
では、多数の人が一つのホールに集うことから、ホール内を複数箇所に分け、
それぞれの場所で利用状況を確認するなど監視体制を強化し、安定運用でき
るように努めました。

その結果、両会場のネットワークとも大きなトラブルはなく、無事に会期を
終えることができました。


■ 終わりに

会期が終了しても、プロジェクトは終わりません。借用した物品の返却、
APRICOT-APAN 2015会場ネットワークの運営に伴い、会場外のさまざまな場所
で変更されたさまざまな設定の後片付けに関しては、会期完了直後から始まっ
ており、現在も進行中です。

最後に、このプロジェクトは、多くの人々の協力や助言なくして遂行するこ
とができませんでした。APRICOT-APAN 2015会場ネットワークに関わったすべ
ての人々に、厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。


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 JPNIC News & Views vol.1293 【臨時号】

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