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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1358【臨時号】2015.12.2 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1358 です
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2015年10月中旬にアイルランド・ダブリンで開催された第54回ICANN会議を受
けて、2015年11月18日(水)に第44回ICANN報告会を開催しましたので、本号で
はその報告会のレポートをお届けします。今回は、Internet Week 2015の同
時開催イベントであったため、ICANNに馴染みのない方がいらっしゃることも
想定して、ICANNに関するチュートリアルの時間を設けるといった初の試みも
ありました。

今回のICANN報告会の資料は、次のURLで公開しています。

□第44回ICANN報告会 資料
  https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20151118-ICANN/

なお、ICANNダブリン会議自体の報告については、vol.1355でお届けしていま
すので、そちらも併せてご覧ください。

□第54回ICANNダブリン会議報告
  ~IANA監督権限移管とICANNの説明責任に関する話題を中心に~
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1355.html

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◆ 第44回ICANN報告会レポート
                                     JPNIC インターネット推進部 山崎信
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2015年11月18日(水)、東京・秋葉原の富士ソフトアキバプラザにて、JPNICと
一般財団法人インターネット協会(IAjapan)の共催で、第44回ICANN報告会を
開催しました。

これは、2015年10月18日(日)から22日(木)までの5日間にわたり、アイルラン
ド・ダブリンにおいて開催された、第54回ICANN (The Internet Corporation
for Assigned Names and Numbers)会議の内容に加え、その後のICANN関連動
向も含めご報告したものです。今回は、Internet Week 2015の同時開催イベ
ントとして開催されました。


■ プログラム

第44回ICANN報告会のプログラムは、次の通りです(話者敬称略)。

第1部 ICANNの基礎(40分)

 1. ICANNに関するチュートリアル
    一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター   山崎 信

第2部 ダブリン会議の動向(70分)

 2. ICANNダブリン会議概要報告
    一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 前村 昌紀
 3. 新gTLDプログラムに関する動向
    株式会社日本レジストリサービス                           遠藤 淳
 4. ICANN国コードドメイン名支持組織(ccNSO)関連報告
    株式会社日本レジストリサービス                         高松 百合
 5. ICANN政府諮問委員会(GAC)報告
    総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課         菅田 洋一

第3部 ICANNを知ろう(35分)

 6. アジア太平洋地域におけるICANNの活動
    ICANN                                                Kelvin Wong
 7. 質疑セッション~ICANNについて何でも聞いてみよう~

各発表の資料は以下に掲載しています。

  ・第44回ICANN報告会 資料
    https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20151118-ICANN/

以下、各発表内容をトピックごとにご報告します。


■ ICANNに関するチュートリアル

今回初の試みとして、ICANNにあまりなじみのない方、報告会に興味はあるも
のの内容が難しいとお考えの方を対象に、ICANNの基本情報に関するチュート
リアルを会の冒頭に実施しました。対象となるであろう層と発表内容とが合
致しているかについて最も気をもみましたが、アンケートをざっと拝見した
限りでは、肯定的な反応が多かったようです。


■ 会議の全体概要

JPNICの前村より、ダブリン会議の全体概要、IANA機能の監督権限移管および
ICANNの説明責任強化についての進捗について主に報告しました。他に、新
gTLDプログラム、TLD空間における国際化ドメイン名(IDN)文字列生成ルール
(Label Generation Rules; LGR)についても少し触れています。内容について
は、vol.1355(*1)で既にご紹介していますので、ここでは省略します。

今回は年次会合ということで、理事が3名改選された(以下参照)ことについて
も触れています。

  - Ray Plzak氏→Ron da Silva氏(アドレス支持組織(ASO)選出)
  - Gonzalo Navarro氏→Rafael Lito Ibarra氏(指名委員会選出)
  - Wolfgang Kleinwaechter氏→Lousewies Van der Laan氏(指名委員会選出)

(*1) News & Views vol.1355
     「第54回ICANNダブリン会議報告 ~IANA監督権限移管とICANNの説明責
     任に関する話題を中心に~」
     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1355.html


■ 新gTLD関連

JPRSの遠藤氏からは新gTLDプログラムの最新状況、日本から申請された新gTLD
の状況、および次回のgTLD募集に向けた動きについて、それぞれご報告いた
だきました。

新gTLDプログラムの最新状況では、

  - 委任されたTLD数が2015年11月上旬時点で786となったこと
  - 新gTLDでセカンドレベル以下に登録されたドメイン名が2015年10月末時
    点で約880万件となったこと
  - 複数の申請者による同一文字列の競合解決手段として実施されたオーク
    ションの結果
  - 次回のgTLD募集に向けた動き

などについて報告されました。

総務省の菅田氏からは、GACの動向として、以下に関して主に報告いただきま
した。

  - 現在の新gTLDラウンドにおける、セーフガード助言(金融・医療などの規
    制業種や免許・資格に関するドメイン名に対して、消費者保護などの観
    点からGACが行う助言)の実施状況の明確化などについて助言がなされた
    こと
  - 国際機関の名称・地理的名称などの保護等に関するGAC助言の検討状況に
    ついて


■ 各組織の動向

JPRSの高松氏よりccNSOの動向として、以下に関して情報共有がなされたこ
と、および他支持組織・諮問委員会との会議開催についてご紹介いただきま
した。

  - 市場動向および対策、登録者情報の正確性確認
  - IANA監督権限移管関連
  - ICANNアカウンタビリティ関連

総務省の菅田氏からは、

  - IANA監督権限移管およびICANNの説明責任の向上に関するGAC内の動向
  - 2016年3月にモロッコ・マラケシュで開催される予定のハイレベル政府会
    合

についてご報告いただきました。

IANA監督権限移管およびICANNの説明責任の向上については、前者はIANA監督
権限移管調整グループ(ICG)の提案には反対がなかったこと、後者ではCCWG
(*2)が提案したメカニズムのうちGACの助言に関するストレステスト第18項
(*3)について意見が分かれ、GACが担う役割の維持などの原則については一致
したものの、具体的な見解は継続検討となったとのことです。

ICANNのKelvin Wong氏より、ダブリン会議中に開催されたAPACスペース、お
よびICANNが進めている市民社会エンゲージメント計画について主に紹介いた
だきました。

(*2) ICANNの説明責任強化に関する提案検討を行う「ICANNの説明責任強化に
     関するコミュニティ横断ワーキンググループ (Cross Community Working
     Group on Enhancing ICANN Accountability)」

(*3) ICANNにおける危機的な状況をいくつか仮定した上で、その状況下にお
     いて説明責任機構が機能するかを検証するために、提案に含められるも
     の。
     前述の「News & Views vol.1355」をご参照ください。


■ 質疑セッション~ICANNについて何でも聞いてみよう~

この2年ほど、ICANN報告会では最後のプログラムとして、IANA監督権限移管
とICANNの説明責任向上についてのパネルディスカッションを実施してきまし
たが、今回の報告会はInternet Weekの同時開催イベントとしたことから、初
参加の方でもICANNに関することを何でも気軽に質問でき、議論ができるよう
なセッションとしたいという思いがありました。そこで、最後に、ICANNス
タッフに直接質問できる時間を設けました。

Wong氏の発表からそのまま質疑セッションに移り、次のような質問が参加者
よりありました。

  - 新gTLDが既存のgTLDと同様に問題なく使えるようにする活動である
    Universal Acceptance(*4)についての期待
  - 迷惑メール対策および新gTLDの(迷惑メールの発信などではなく)健全な
    利用について議論できる場が欲しい

後者のうち、新gTLDの健全な利用については、ICANNがちょうど2016年1月22
日まで意見募集中(*5)ということです。意見募集に関連して、今後の報告会
では、報告会開催時点でのICANNからの意見募集一覧を共有するとよいのでは
ないかというコメントもありました。このコメントに対しては、JPNICとして
も検討したいと思います。

(*4) インターネット用語1分解説:TLD Universal Acceptanceとは
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/tld-universal-acceptance.html

(*5) gTLD Marketplace Health Index Proposal: Call for Comments and
     Volunteers
     https://www.icann.org/public-comments/gtld-marketplace-health-2015-11-17-en


■ 終わりに

ここしばらくICANN報告会の中心話題となっていたIANA監督権限移管とICANN
説明責任強化に関する状況は、前者ではICGは意見募集の結果反映を完了して
おり、後者のCCWGの結論を待ってICANN理事会へ2016年1月下旬に提案を提出
予定ということで、次回の報告会までにはNTIA(米国商務省電気通信情報局
*6)への提出が完了していることが期待されます。後者の議論は本稿執筆時点
ではスケジュール通りということですが、完全に決着がついたわけではない
ようですので、なおも予断を許しません。

(*6) インターネット用語1分解説:NTIAとは
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/ntia.html


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1358 【臨時号】

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