メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

ニュースレターNo.25/2003年11月発行

ICANNモントリオール会議

2003年6月22日から26日まで、カナダ・モントリオールにてICANN会議が開催されました。ここでは主な決議事項、ICANNの新体制、本会議をもって退任された村井純前ICANN理事のコメントをご紹介します。

ICANNモントリオール会議の様子

1. 主な決議事項

ICANNモントリオール会議は、ICANN改革のプロセスにおける大きな節目となるものであり、最終日の理事会終了時をもって、2002年12月から続いてきた「移行期の理事会」が解散し、指名委員会による選出メンバー8名を含めた「新理事会」の任期がスタートしました。以下、移行期の理事会による決議事項の中から主なものをご紹介します。

◆ccNSOの組織化について

ICANN改革に伴う新体制作りにおいて、未決定事項となっていた「国コードドメイン名支持組織」(Country-Code Names Supporting Organization:ccNSO)についての詳細内容が決定しました。直前まで各国ccTLD管理者グループとの協議が行われた結果、ccNSOの責務、組織構成および会員資格、ポリシー策定プロセス等が規定され、それらが反映されたICANN付属定款の改訂版が発効しました。

また、この決定を受けて、ccNSO発足のためのグループを結成することが決議されました。今後はこのグループを中心にccNSOの組織化が具体的に進められることになります。

◆At-Largeの構造に関する提案について

新体制下のICANNでは、個人インターネットユーザーがICANNプロセスに参加するための枠組みとして、世界5地域にそれぞれ地域別At-Large組織(Regional At-Large Organization:RALO)を設立することが規定されています。RALOは、さらに複数の自主運営の現地At-Large組織(At-Large Structure:ALS)により構成されることになっており、今回の決議では、このRALOやALSの設立認定プロセス等に関する提案が承認されました。

■参照URL

新理事会メンバーの任期と選出状況
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/update.html

ICANN付属定款(2003年6月26日発効)
http://www.icann.org/general/bylaws.htm

暫定At-Large諮問委員会からのAt-Largeグループ設立に関する提案
http://www.icann.org/montreal/alac-organization-topic.htm


2. ICANN新体制スタート

◆「新理事会」の成立

前述のとおり、モントリオール会議を区切りに「移行期の理事会」が解散し、新体制下における組織構造の要となる「新理事会」が成立しました。これにより、2002年12月から続いてきた改革のための移行期間が終了し、これからは改革の議論の結果規定された新体制のもとで、新生ICANNとしての活動がスタートすることになります。

◆改革の経緯と今後の取り組み

ICANN改革の議論の発端は、2002年2月に当時のICANN事務総長であったStuart Lynn氏が発表した改革に向けての提言書でした。Lynn氏はその中で、ICANNはさまざまな問題のために岐路に立たされていると指摘し、ICANNがその本来の使命を達成するためには、組織構造およびプロセスを建設的に改革する必要があると訴えました。

このLynn氏の提言をきっかけに、グローバルなインターネットコミュニティにおいて活発な議論が繰り広げられてきたわけですが、2002年12月、新たな付属定款の発効をもって、長期間にわたる検討結果が以下のような具体的な形に規定されました。

・構造改革
理事会メンバーの選出方法の変更(指名委員会の創設)
ポリシー策定組織の再編成(国コードドメイン名支持組織(ccNSO)の新設)
官民の適切な協力関係の構築(政府諮問委員会(GAC)と他の構成組織との連携強化)
一般ユーザーの適切な参加(At-Large諮問委員会を中心とする新たなAt-Large構造の実現)
・プロセス改革
ポリシー策定プロセスの迅速化(具体的プロセスの規定)
説明責任および透明性の強化(独立審査パネル・オンブズマン等の設置)

今回スタートした「新理事会」も、こうした改革の主要項目の一つとして挙げられるものです。理事会改革のポイントは、公益のために奉仕する優れた資質を持つメンバーによって迅速な意思決定を行うことにより、実効的なICANNを目指すというものでした。この目的を実現するために、広範囲の組織・分野の代表によって構成される指名委員会が創設され、理事会メンバーの過半数を選出する役割を負うことになったわけです。

この指名委員会による選出プロセスが6月中旬に終了したことを受けて、今回の新理事会成立となったのですが、これはあくまで改革に向けてのスタートラインにすぎません。真の改革の成果は、新理事会を中心とする新生ICANNによって、これから一つ一つ築き上げていくことになります。ICANN改革を成功させるためには、上記の各項目を着実に実現させるべく取り組んでいくことが重要な課題であると言えるでしょう。

(JPNIC ドメイン名事業部 入交尚子)

■参照URL

新理事会メンバーの詳細情報
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/about/organization.html#3

ICANN改革の経緯
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/overview.html


3. ICANNでの活動を振り返って

私がICANNの理事を引き受けることになった理由には、もちろん私のインターネットへの技術的貢献という側面の意味もあるが、ISOC※1のコミュニティの中で長く活動していたという背景もある。もともとISOCは、国際的でグローバルなインターネットという技術基盤の世界的な発展を支えるために創られた組織であり、ダイナミックに発展していくインターネットの技術を支え、インターネットの発展全般に貢献すること目的としていた。

従来型の基盤、たとえば、電話網、航空網などに代表されるような、比較的完成され安定した技術の国際的な協調を実現する経験はあっても、インターネットのようなボトムアップ的で激しい技術の発展は、人類にとってこれまであまり経験がなかった。インターネットは人間の創造性に起因する無限の可能性があり、その未来を予測することは不可能である。したがって、この発展を推進するグローバルな協調の仕組み作りは、社会的な理解が圧倒的に不足していて、この理解の確立を模索し続けなければならない。

ISOCのコミュニティの最初の構築に携わったメンバーは、そのための組織化を考えていた。その過程で、テクニカルな運用を進めていたドメイン名に対して、知的所有権の問題が出てきたためIAHC※2を発足した。IAHCの活動で、WIPO※3、ISO※4、ITU※5など既存の「国際感」に基づく国際組織との出会いがあり、インターネットが開く新しい「国際感」とのすりあわせの中で、スムーズな相互理解、相互協調といった点が課題として生じた。そうした課題解決を目的としてICANNが生まれ、私もISOC、IAHCの流れから理事としての取り組みを続けてきた。

私に対しては、日本やアジアを背負って活動するという期待もあったと思う。確かにICANNへの参加者にはそれぞれ地域を代表してという人もいるが、私自身は別の役割を果たすべきだと考えながら参加してきた。すなわち、インターネットのグローバルな基盤における、特に接続性についての役割である。そんな中でルートサーバのコミッティの議長を務めてきたのは、グローバルなオペレーションであるということを象徴的にとらえていく中で、私のICANNコミュニティへの参加として整合性があったと思う。

ボトムアップに作られた人類の活動の基盤としてのインターネットの意味、および技術的な構造、社会的な構造、両方の視点からの意味を、できるだけ多くの人に理解してもらうためのねばり強い活動の一つとして、ICANNの活動はきわめて意義があったと思う。また、ICANNの活動は、グローバルなインターネットの正しい理解を日本で確立していくというJPNICの本来の目的にも一致するところがあり、その活動に積極的に参画することはJPNICとしても大きな意義がある。

理事は辞したが、社会的な意義を確立するという意味で、今後もICANNへの積極的な参加が必要だと考えている。最後に、私の理事時代のICANN関連の活動を支えてくださったJPNIC会員や事務局や理事の方、各省庁の方、関係者の方にお礼を申し上げるとともに、今後のますますの協調をお願いしたい。

(前ICANN理事 村井純)


※1 ISOC:Internet Society
インターネット技術およびシステムに関する標準化、教育、ポリシーに関する課題や問題を解決あるいは議論することを目的とした非営利の国際組織
※2 IAHC:International Ad Hoc Committee
gTLDの運営管理を改善することを目的として発足した国際臨時特別委員会
※3 WIPO:世界知的所有権機関。知的財産の保護を目的とする国連の下部組織
※4 ISO:International Organization for Standardization
工業製品の国際標準の策定を目的とする機関
※5 ITU:International Telecommunication Union
国際電気通信連合。電気通信に関する国際標準の策定を目的とする、国連の下部組織

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

このフォームをご利用した場合、ご連絡先の記入がないと、 回答を差し上げられません。 回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2020 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.