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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.670【臨時号】2009.8.25 ◆
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◆ News & Views vol.670 です
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本号では、vol.667、vol.668、vol.669に続き、スウェーデンのストックホル
ムで開催された第75回IETFのレポート[第4弾]として、「IPv6関連WG報告」の
後編をお届けします。
後編となる本号は、behave WG、softwire WG、homegate bar-BoFのご報告で
す。
6man WGとv6ops WGについて、またその他の話題につきましては、以下のバッ
クナンバーをご覧ください。
□第75回IETF報告
○[第1弾] 全体会議報告(vol.667)
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol667.html
○[第2弾] DNS関連WG報告(vol.668)
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol668.html
○[第3弾] IPv6関連WG報告(vol.669)
~6man WG、v6ops WGについて~
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol669.html
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◆ 第75回IETF報告 [第4弾] IPv6関連WG報告
~behave WG、softwire WG、homegate bar-BoFについて~
NTT情報流通プラットフォーム研究所
藤崎智宏
NTT情報流通プラットフォーム研究所
松本存史
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◆behave WG (Behavior Engineering for Hindrance Avoidance WG)
behaveは主にNATの挙動に関して扱うWGですが、その技術的な関連性の高さか
らIPv6/IPv4変換についての議論も行われています。今回は、そのIPv6/IPv4変
換を中心にさまざまな提案がなされた関係で、二つのスロットにわたってセッ
ションが行われました。
- draft-ietf-behave-v6v4-framework-00
- draft-ietf-behave-v6v4-xlate-00
- draft-ietf-behave-v6v4-xlate-stateful-01
- draft-ietf-behave-dns64-00
IPv6/IPv4変換に関するトピックとしては、上記Internet-Draftに関する議論
が行われ、前回からの検討状況のアップデートについて報告がありました。
この一連のInternet-Draftについての目新しい変更点としては、前回ご紹介し
た(*)NAT66と呼ばれるIPv6からIPv6へのNATの提案でも触れられていた、
checksum neutralityについての言及があったことが挙げられます。checksum
neutralityとは、アドレス変換の前後で上位層(主にトランスポート層)のヘッ
ダーで利用されるチェックサムの値に影響を与えないようにする、というもの
です。これは変更前後のアドレス対をうまく選ぶことで実現が可能です。例え
ば16ビットのCRCチェックサムを利用しているTCPでは、変換後のアドレスのう
ち16ビットをうまく選ぶことで、チェックサムを不変にしたままNATをするこ
とができます。
(*) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol637.html
このchecksum neutralityによるメリットとしては、今後新たなトランスポー
ト層プロトコルが出現した際にも、同じチェックサム計算方式を使ってさえい
れば、NAT装置をその新プロトコルに対応させる必要なく利用できる、という
ことがあります。しかし、IPv6/IPv4変換の場合は、IPv6とIPv4でUDPチェック
サムの扱いが異なる、つまりIPv6ではUDPチェックサムが必須となったことか
ら、結局再計算をせざるを得ないケースが出る、等の議論が行われました。
- draft-thaler-behave-translator-addressing-00
また、behaveのチェアを務めるDave Thaler氏からは、IPv6/IPv4変換の際に用
いるダミーアドレスとして、どのようなアドレスが望ましいか、という検討の
発表がありました。
IPv6からIPv4変換を行う際のダミーアドレスには、ダミーIPv6アドレスの、ど
の部分にIPv4を埋め込むべきか、またダミーアドレスとして用いるアドレス
は、各サイトで取得したアドレスを使用するべきか、それともwell-knownなプ
リフィクスを定義すべきか、またプリフィクス長はどの程度必要か、といった
さまざまな角度から、またそれぞれのIPv6/IPv4変換シナリオについて分析し
た結果が報告されました。
その他にも、LSN(Large Scale NAT)と呼ばれるISP等でNATを行う方式や、その
NAT装置の信頼性をより高めるための方式、そしてNATが介在している場合で
も、アプリケーションが通信相手を正しく認識するための方式等、さまざまな
提案があり、議論が行われました。
□behave WG
http://www.ietf.org/dyn/wg/charter/behave-charter.html
□第75回 IETF behave WGのアジェンダ
http://www.ietf.org/proceedings/75/agenda/behave.html
◆softwire WG (Softwires WG)
softwire WGでは、トンネルを用いてIPv4 over IPv6、またはIPv6 over IPv4
通信を実現する方式を検討するWGです。基本的にはDS-lite(Dual stack lite)
と呼ばれる方式にまとまりつつあるのですが、今回は6rd(もともとはIPv6
Rapid Deploymentの意)という、IPv6 over IPv4通信を実現する方式について
の議論も行われました。
- draft-townsley-ipv6-6rd-00
簡単に説明すると、6to4というIPv4グローバルアドレスを保持しているサイト
にIPv6アドレスを自動割り当てし、IPv6接続性を自動的に提供する方式がある
のですが、これを特定のサイト内で完結させ、管理性を高めた方式がこの6rd
となっています。実際にもともとの提案者のRemi Despres氏は、FREE Telecom
というフランスのISPにおいて、商用のIPv6接続サービスを提供するための方
式として使用しているとのことです。
ここ最近、IPv6の普及度を調査したレポートなどにおいて、IPv6の通信品質の
悪さが取りざたされており、その原因が6to4やTeredo等の、IPv4ネットワーク
上で提供されるIPv6トンネル接続方式にあるとされています。そこで、6to4や
Teredoといったプロトコルを廃止しよう、またはより信頼性を向上させようと
いう提案がなされています。本方式はこういったIPv6への移行のためのプロト
コルではなく、より管理性と品質の高いIPv6接続サービスを提供するための方
式として提案されています。こういった背景から、6rdは比較的大勢のサポー
ト獲得に成功しており、WGアイテムとなる予定ですが、まずその前にWGの
チャーターを変更する必要があり、それを待ってWGアイテムとして公開される
予定になっています。
□softwire WG
http://www.ietf.org/dyn/wg/charter/softwire-charter.html
□第75回 IETF softwire WGのアジェンダ
http://www.ietf.org/proceedings/75/agenda/softwire
◆homegate bar-BoF
ホームネットワークにフォーカスし、ユーザーエクスペリエンスの向上、セ
キュリティの維持、新機能の導入、という三つのテーマを扱うhomegate WGの
設立をめざす動きがあります。今回は、公式なBoFとしてスロットを申請して
いたのですが、主にスコープに不明確な部分があるとの理由から、開催には至
りませんでした。そこで、bar bof、すなわち非公式BoFという形で、有志によ
りIETFミーティングの設定時間外にミーティングが行われました。
そこで検討されたトピックとしては、DNSSEC、IPv6/DHCPv6、ECN/RED、
Multicast、Security、Firmware更新、ゼロコンフィグ、デバイスの管理方
法、複数サブネット、といった項目がありました。
それぞれのトピックについて、興味を持っている人がどれぐらいいるかについ
て確認していくという形で進められましたが、どのトピックも扱う必要が
無いと感じている人は少数で、どれもこれも扱うという流れになってしまった
ようです。
また、さらにはWG化された場合のアウトプットとして、ホームゲートウェイの
要求仕様書などのようなものができた場合には、v6ops等のIETF内の他のWGで
既に部分的に行われている活動とはどうすみ分けがされるのか、またIETF以外
にもさまざまなSDO(Standards Developing Organization)で取り扱われている
仕様書との関係はどうなるのか、といった方向に話は発散する一方となってし
まい、なかなかWGのスコープを明確に定めるのには至らないという様子でし
た。
homegateのセッションのスライド等はIETFのWebサイトから取得できるように
はなっていませんが、メーリングリストが開設されており、依然活発な議論が
行われているようです。下記のURLから参加できますので、ご興味のある方は
ぜひご参加ください。
□homegate ML
https://www.ietf.org/mailman/listinfo/homegate
第75回IETFミーティングの各種情報は、以下のURLより参照可能です(議事録も
今後掲載される予定です)。
□ 全体プログラム、WGアジェンダ、発表資料
https://datatracker.ietf.org/meeting/75/materials.html
□ 録音
ftp://videolab.uoregon.edu/pub/videolab/media/ietf75/
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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