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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.771【臨時号】2010.8.24 ◆
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◆ News & Views vol.771 です
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2010年6月中旬にベルギーで開催されたICANN会議を受けて、恒例となりました
「第28回ICANN報告会」を8月5日に開催いたしました。本号では、そのレポー
トをお届けします。
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◆ 第28回ICANN報告会レポート
JPNICインターネット推進部 山崎信
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2010年8月5日(木)に富士ソフトアキバプラザ(東京都千代田区)にて、JPNICと
財団法人インターネット協会(IAjapan)の共催により第28回ICANN報告会を開
催しました。本報告会は、ベルギーのブリュッセルで開催された第38回ICANN
会議(2010年6月20日~25日)を対象としたものです。
今回も、新gTLDの最新動向をカバーした上で、幅広い内容をお伝えする機会
となったのではないかと思います。以下、報告会の内容をご紹介します。
最初に、IAjapanの高橋徹副理事長より開会のご挨拶をいただきました。変化
の中で継続的にICANN会議をフォローすることは各組織にとって大変なことで
あるが、できるだけ多くの方がICANNの活動を理解して、議論への参加を望む
旨のお話がありました。
◆ ICANNブリュッセル会議概要報告
JPNIC理事の丸山直昌より、ICANNブリュッセル会議の全体概要について報告
しました。特に主な理事会決議、および新gTLDの主な課題について詳解しま
した。今回は欧州連合(EU)の中心地での会議ということで、開会式では欧州
理事会議長(通称:EU大統領)のHerman Van Rompuy(ヘルマン・ファン・ロン
パイ)氏をはじめとする、そうそうたるメンバーによる挨拶があったとのこと
です。詳細については、vol.762(*1)で既にご報告していますので、そちらを
ご覧ください。
(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2010/vol762.html
◆ 各支持組織(SO)/諮問委員会(AC)からの報告
○ ccNSO関連報告
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の堀田博文氏より、国コードドメイ
ン名支持組織(ccNSO)についてご報告いただきました。.JPにおけるDNSSEC導
入に向けた技術評価の状況、およびIDN ccTLDファストトラックの状況と、そ
れに関連して中国および台湾で導入された等価(Synchronized)IDN ccTLD(*2)
についてもお話しいただきました。また、IDN ccTLDの導入によりccTLDの定
義がどうなるかについても、言及いただきました。
(*2) 「.中国」と「.中國」など、正字体だけでなく異字体それぞれのゾーン
を全く同じ名前空間として取り扱う仕組み。詳しくは(*1)中の「中国
語圏におけるIDN ccTLDの承認」をご覧ください。
○ ICANN政府諮問委員会(GAC)報告
総務省総合通信基盤局電気通信事業部 データ通信課の網野尚子氏に、GACの
会合についてご報告いただきました。主に新gTLDに関するGACからのコメン
ト、GACと理事会の合同ワーキンググループ(WG)、GACとAoC(*3)レビューのた
めの説明責任・透明性レビューチーム(A&T RT)との合同会議などについての
内容となりました。
(*3) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/aoc.html
○ 新gTLDへの障壁の低減
GNSO Councilメンバー/東京大学のRafik Dammak(ラフィク・ダンマク)氏よ
り、「新gTLDへの障壁の低減」と題して、SO/AC 新gTLD申請者サポート作業
部会(JAS WG)についてお話しいただきました。JAS WGは、ICANNナイロビ会議
の理事会で設立が決議され、新gTLD申請時および運用時に支援が必要となる
申請者へのサポートのために設立されました。WGの現状はチャーターが制定
された後、基準を満たした申請者に対する正味費用を削減する方法、および
誰に何を支援するのかということの明確化について、主に議論されていると
のことです。さまざまな企業・団体が申請するであろう新gTLDに対して、申
請の敷居を広げることにつながるこのような取り組みは、容易ではありませ
んが、興味深いところです。
○ ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)報告
ALAC諮問委員のJames Seng(ジェームス・セン)氏より、ALACの活動などにつ
いてご報告いただきました。セン氏は現在中国在住のため、録画したインタ
ビューをご覧いただきました。ALACが主に関与している方針検討は、A&T RT、
ICANNの運営計画と予算計画、IDN ccTLDポリシー策定プロセス(PDP)、新gTLD
申請者ガイドブック案(DAG)となり、セン氏はこの中で主にDAGについて、国
際化ドメイン名(IDN)の観点から関与しているとのことです。
○ ICANNアドレス支持組織(ASO)報告
日本電信電話株式会社の藤崎智宏氏より、ASOにおける活動についてご報告い
ただきました。ASOでは、現在AS番号関連で1件(4バイトAS番号の分配に関す
るIANAからRIRへのAS番号分配ポリシー)、IPv4アドレス配布関連で2件(IANA
プール枯渇後の、回収したIPv4アドレスブロックのRIRへの分配ポリシー/枯
渇後のIANAによるIPv4割り振りポリシー)の、計3件のグローバルポリシーが
議論中とのことです。ICANN会議では、ドメイン名関連の話題が中心となって
しまいがちですが、IPv4アドレスの在庫枯渇がいよいよ近づいてきたことも
あり、ASOへの注目度合いが高まるのではないでしょうか。
◆ 新gTLD関連報告
○ 新gTLD登録開始に向けた課題(レジストラの観点から)
GMOドメインレジストリ株式会社の大東洋克氏より、新gTLD登録開始に向けた
課題についてお話しいただきました。関連するWG、2010年5月31日に発行され
たDAG第4版でのアップデート、レジストリ・レジストラ垂直統合問題(*4)な
どについて幅広くご報告いただきました。最後に新gTLD候補の列挙があり、
注目を集めていました。
(*4) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/registry-registrar-vi.html
○ 新gTLD時代のブランドマネージメント
株式会社アーバンブレインの才門功作氏より、ICANNブリュッセル会議の1プ
ログラムとして開催された、「新gTLD時代のブランドマネージメント」と題
するセッションについてご報告いただきました。同セッションでは、新gTLD
登録開始前後でグローバル企業が考慮すべきブランド保護およびマネージメ
ントについて、大手企業のブランド担当および知財関連法律家により議論さ
れたとのことです。同セッションで、2011年と想定されている新gTLDラウン
ドでの申請総数予想について、会場の参加者に手を挙げてもらったところ、
200から300が最も多かったという箇所が個人的には興味深かったところです。
○ 新gTLD登録開始に向けた課題(知財権の観点から)
株式会社ブライツコンサルティングのDomingo De la Cruz(ドミンゴ・デ・
ラ・クルズ)氏より、新gTLD申請期間中および新gTLD運用開始後のそれぞれに
おける、知的財産権保護手段についてお話しいただきました。ブリュッセル
会議では、新gTLD運用開始後のレジストリに対する異議申し立て手段のうち、
商標権に関する委任後紛争解決手続き(PDDRP; Post Delegation Dispute
Resolution Procedure)が話題になったとのことです。登録者に対する異議申
し立て手段では、URS(Uniform Rapid Suspension)について重点的にお話しい
ただきました。他に、商標データベースであるTrademark Clearinghouseおよ
びそれを活用した警告通知サービスであるTrademark Claimsについてもお話
しいただきました。個人的には、かなり準備が整ってきたという印象を持ち
ました。
◆ その他
○ .XXXの復活?アップデート
JPNICの前村昌紀より、前回の(第27回)ICANN報告会でお伝えした、.XXX TLD
のその後の状況について報告いたしました。内容の要点は、ブリュッセル会
議における理事会決議では、.XXXの申請者であるICM Registry社からの申請
の精査に着手するよう事務局に指示し、ブリュッセル会議までのGAC勧告を勘
案してICMとの契約書案に関する交渉に入るということです。
◇ ◇ ◇
今後の新gTLD関連の動向として、ブリュッセル会議会期中の理事会で、2010
年9月に予定されている理事合宿を、新gTLDの実装に関連する未解決事項の検
討に使う、という理事会決議がありました。理事合宿は、正式な理事会では
ないため決議などはできませんが、責務の確認(Affirmation of Commitment;
AoC)の時と同様、大筋についてこの場で話し合われるのではないかと思って
います。
◇ ◇ ◇
なお、本報告会の発表資料は、JPNIC Webサイトで後日公開いたします。
また、動画も後日公開予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。
次回第39回ICANN会議は、2010年12月5日~10日にコロンビアのカルタヘナに
て開催される予定です。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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