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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1294【臨時号】2015.3.31 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1294 です
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vol.1288より、10年ぶりの日本開催、かつAPAN会合との同時開催ともなった、
APRICOT-APAN 2015の会合に関するレポートを連載にてお届けしてきました。

本号は、その締めくくりとして、日本実行委員会として中心的な活躍をされた
1人である石田慶樹さんに、APRICOT-APAN 2015を開催した意義と成果をあらた
めて語ってもらうことにいたしました。

この連載は本号で最終回となります。今までのAPRICOT 2015/APNIC 39カンファ
レンスに関するレポートと関連記事は、バックナンバーをご覧ください。

□APRICOT 2015/APNIC 39カンファレンス報告
  [第1弾] 全体報告(vol.1288)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1288.html
  [第2弾] アドレスポリシー関連報告(vol.1289)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1289.html
  [第3弾] 技術動向報告(vol.1290)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1290.html
  [第4弾] APRICOTと再会したAPANに関してのご報告(vol.1291)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1291.html
  [第5弾] ネットワークチーム活動報告(vol.1293)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1293.html

□APRICOT-APAN 2015関連記事
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/apricot-apan-2015.html

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◆ 「福岡へきんしゃい」への道 ~APRICOT-APAN 2015を開催して~
           日本インターネットエクスチェンジ株式会社/JPNIC理事 石田慶樹
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■APRICOT-APAN 2015への道

2011年2月末から3月にかけ香港において、APRICOT (Asia Pacific Regional
Internet Conference on Operational Technologies)とAPAN (Asia Pacific
Advanced Network)というアジア太平洋地域のインターネットに関わる二つの
国際会議が初めて共同開催されました。その前後からAPRICOTの日本の常連参
加者の間で、そろそろAPRICOTを日本で開催してはどうかという話題が出され
るようになっていました。その直後に東日本大震災が発生し、その大災害の
中でインターネットの有用性は再認識されましたが、一方でアジア太平洋地
域における日本の存在感の希薄化を危惧するようになりました。

そのような状況を少しでも好転させ、アジア太平洋地域での日本のプレゼン
スを向上させるために、国内の5社が中心となって、APRICOTを日本に招致す
るために2012年の春ごろより準備を始めました。開催のターゲットとした年
はさまざまな調整や準備も考え、2015年としました。また、APRICOTを招致す
るだけではなく、あわせてAPANとの2回目の共同開催を模索していくこととな
りました。開催地もいくつかあった候補の中から福岡に決定し、正式に招致
に乗り出すこととなりました。

その後、インターネットマルチフィード株式会社の細谷僚一氏を実行委員長
としてオールジャパンの体制を構築し、またJPNICは実行委員会の事務局機能
を担当するということで形式を整えていきました。また、それぞれの国際会
議の主催者であるAPIAやAPANとのコンタクトや協賛企業の勧誘、さらにはイ
ベントそのものの認知度向上のための活動も同時並行的に開始することとな
りました。徐々に準備を開始した結果、まもなく主催者それぞれから開催に
OKが出ました。


■APRICOT、APANとは何か

APRICOTとはその名の通り、アジア太平洋地域のインターネットの運用技術の
ための国際会議であり、主にインターネットの基盤の運用技術に関して議論
が交わされています。また、あわせてAPNIC Meetingも開催されるために、資
源管理や、直近ではインターネット・ガバナンスに関しても取り上げられて
います。しかし、それはこのカンファレンスの持つ一面でしかなく、別の一
面として、その場でヒューマンリレーションシップが形成されさまざまなネ
ゴシエーションやコーディネーションが行われています。その中には、もち
ろん営業活動も含まれます。このため、APRICOTにはアジア太平洋のみならず
北米やヨーロッパからも著名な参加者も毎回参加しており、その場で横のつ
ながりを広げていくことで運用にもビジネスにも広がっていきます。

一方のAPANは主に学術系を中心としたものでありますが、インターネットそ
のものの研究開発ばかりではなく、医学・農業・芸術といった応用分野の研
究者も多数参加してWorking Groupを作り、それぞれのWGでの活動も非常に盛
んです。特に医療の分野においては遠隔医療のさまざまな実験をAPANの運用
しているネットワークを介して行い、またこれまでにはAPANのミーティング
中に商用のサービスでは実現できないようなデモも行われてきました。

APRICOT-APANは性格が異なる二つの国際会議を共同で開催する試みであり、
2011年に香港で初めて行った際には、共同開催としては大成功という評価と
なりました。共同で開催するにあたっては、さまざまな調整事項が発生はし
ますが、一方でアジア太平洋地域のインターネットに関わるさまざまなプレ
イヤーが一堂に会することにより生まれる相乗効果も期待されていました。
これらの環境の中で、APRICOT、APANのいずれもしばらく日本で開催されてい
なかったこともあり、共同開催という提案につながりました。


■準備そして会期中

1,000人規模の国際会議では、その準備には数年を要します。まず、当地での
実行委員会を組織し、事務局を設置し、予算の目途をつけ、会場を予約し、
さらに主催団体との交渉を行うことになります。それぞれが相互に依存関係
があるために、立ち上げ当初には一気呵成に進められるものではなく、それ
ぞれを少しずつ丁寧に進めなければなりません。最初に開催に向けて動き出
したのが2011年の秋ごろでしたが、その後、候補となる各地の会議場の空き
具合などを確認し、地元からの強力な支援が得られる福岡を主催者へ提案す
る候補地として選定し、会場の下見を行ったのは2012年の夏のことでした。
その後、準備委員会として着実に準備を進めて、実行委員会としての設立は
2014年3月のことになります。福岡での開催のアナウンスは2013年には開始し
ており、直前の開催となるAPRICOT 2014でも広く宣伝を行いました。ただ、
そのAPRICOT 2014がバンコクで開催予定であったものが、タイにおける政情
不安の影響を受けて直前になってマレーシア・ペタリンジャヤに開催地が変
更となり、それによる多少の混乱を受けて事前準備を怠りなく行っている福
岡開催に対する周囲からの期待も高まりました。そして、直前の台湾・南投
でのAPAN 38やオーストラリア・ブリスベンでのAPNIC 38においても実行委員
が事前の宣伝を行い、参加への呼びかけを行いましたが、そのいずれにおい
ても、期待の高まりを感じるものでありました。

日本実行委員会を中心に国内の準備を着実に進めていきましたが、とりわけ
入念な準備を行ったのは会場に提供するネットワークでした。二つの国際会
議を共同で行い、しかもそれぞれの要求も異なることなることが予想できた
ので、会場ネットワークの構築運用にあたるネットワークチームを構成しま
した。このネットワークチームはネットワークの設計から始まりましたが、
事前のホットステージおよびワークショップとカンファレンスでの実際の働
きについてはAPRICOT 2015の中でもLightning Talkとしても報告しており、
またさまざまな場で報告を行っています。エンジニアと学生からなる総勢40
名強からなる大所帯のチームが一丸となって素晴らしいネットワークを構築
し、またそれが今後にもつながっていくポテンシャルを有しているものであ
りました。詳細は、前号のNews & Viewsもご覧ください。

  [第5弾] ネットワークチーム活動報告(vol.1293)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1293.html

今回の会議の開催準備中である2014年4月8日に、ISOCから故平原正樹博士の
インターネットの殿堂入りメンバーへの選出が発表されました。平原氏は
JNIC(JPNIC)やAPNICの設立に深く関わっており、これらの業績がインターネッ
トのグローバルな成長に顕著な貢献を果たしたということが理由でした。ま
た平原氏は2003年に福岡で開催されたAPAN 13で中心となって働かれておりま
した。そこで、APRICOT-APAN 2015の開催に合わせて、平原氏に関係の深い有
志によるパーティも会期中の3月4日に開催されました。パーティにはご家族
を含めて90名弱の参加者があり、またAPNICを含め海外の参加者も多く、氏の
幅広い交流関係がうかがえるアットホームなパーティとなりました。

APRICOT-APAN 2015では、インターネットに関連する招待講演が行われました
が、日本実行委員会が講演者として推薦したのが、クロージングプレナリに
おける東京大学大学院の早野龍五教授でした。早野教授は東日本大震災とそ
れに続く福島第一原子力発電所の事故を受け、インターネットを活用して積
極的な活動を行い、またその情報についても公開されておりました。その講
演"Internet use and disasters - lessons from the Fukushima Dai-ichi
accident?"というタイトルで、事故を受けて早野教授が行ってきたさまざま
な活動を紹介され、講演時間が短く感じられ、海外の参加者が非常に感銘を
受けた様子でした。これも、そもそもこの会議を招待する動機であった日本
のありのままの状況を海外に伝えるという目的にかなったものとなりました。


■今後に向けて

APRICOT、APAN、およびAPNICのミーティングは日本で5年以上開催されていま
せんでした。今回の開催において登録者数1,000名以上(うち日本人が350名
弱)、参加者として報告されている数が54の国と地域から835名となっており、
真の国際会議となりました。参加者の声も内外を問わず非常に好評であった
と認識しています。プログラムの中身の作りこみやAPRICOTとAPANの融合、交
流の強化などいくつか反省すべき点もありますが、ひとまず成功であったと
言えます。ただ、これを一過性の成功に留めるのではなく、今後アジア太平
洋地域さらにはグローバルに対する日本の貢献の出発点になるべく関係者一
同で気を引き締めて進めたいと考えています。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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