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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1361【臨時号】2015.12.8 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1361 です
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2015年11月上旬に神奈川県のパシフィコ横浜にて開催された、第94回IETFミー
ティングの様子を、昨日より連載にてお届けしています。

今回のミーティングは久しぶりの日本開催ということもあって、普段よりも
日本人参加者の方がかなり多かったようですが、やはり普段国内で開かれて
いる各種会合と違い、初めて参加しようとされる方にはなかなかハードルが
高いイメージがあるのではないかと思います。

そこで連載第2弾となる本号では、これまでのIETF報告とは少し趣向を変え
て、今回IETFに初参加したJPNIC職員によるレポートをお届けいたします。普
段のIETF報告では触れていない、初心者向けの情報が盛りだくさんとなって
いますので、次回以降のIETFに参加しようとされる方には大いに参考になる
のではないでしょうか?

次号以降ではいつものIETF報告に戻り、セキュリティ関連WG、IPv6関連WG、
DNS関連WGなどの、各種WGの報告をお届けする予定です。昨日vol.1360で発行
した全体会議報告については、下記のURLからバックナンバーをご覧くださ
い。

  □第94回IETF報告
    ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.1360)
    https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1360.html

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◆ 第94回IETF報告 [第2弾] IETF会合に初めて参加して
                                                   JPNIC 技術部 澁谷晃
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■ はじめに

今回のIETFは、6年ぶりに日本での開催となりました。海外で開催される普段
とは異なり、参加しやすいミーティングだったのではないでしょうか? ま
た、初めてIETFに参加する場としても、よい機会だったのではないかと思い
ます。筆者もその1人です。

IETFでは、初回参加者向けに、専用のオリエンテーションやイベントを用意
するといった取り組みを実施しています。本稿では、実際にIETFに初めて参
加した筆者より、初回参加者向けの各種企画へ参加した感想と、初めて参加
するWGとして選んだRDAP (Registration Data Access Protocol)関連の議論
を行っている、Extensible Provisioning Protocol Extensions (EPPEXT) WG
の報告をお伝えします。


■事前の準備

今年は、Internet Society日本支部(ISOC-JP)とJPNICの共催で、日本でもIETF
勉強会が開かれるなど(*1)、IETF 94横浜ミーティングに向けて準備の取り組
みがありました。勉強会そのものには、残念ながら私は都合が合わず参加で
きなかったのですが、豊富な資料が公開(*2)(*3)されていたので、空き時間
に確認していました。会期前後で自分と同じく日本からIETFに初めて参加さ
れる方と話をしたところ、「この資料を参照することで安心して参加できた」
という声を聞きました。

(*1) IETF勉強会に関するアナウンス
     第1回IETF勉強会開催のご案内
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150618-01.html

     第2回IETF勉強会開催のご案内
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150910-01.html

(*2) IETF勉強会の開催レポート

     第94回IETFミーティング横浜開催に向けて
     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1323.html

     IETF横浜ミーティングへの参加の前に
     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1348.html

(*3) IETF勉強会の資料
     第1回IETF勉強会
     https://www.isoc.jp/wiki.cgi?page=PreIETF93

     第2回IETF勉強会
     https://www.isoc.jp/wiki.cgi?page=PreIETF94


■ 参加当日の状況

参加する前に迷ったのが、当日に行う必要があるレジストレーションの詳細
です。「レジストレーションでは何をするのか?」ということ自体が謎でし
たが、参加経験者に話を聞くと、単に自分の名前を名乗ってバッジをもらう
だけとのことでした。また、参加者数が1,000人を超す規模の大きなミーティ
ングなので、「当日は大行列の中に待つことになるのか?」といった疑問も
ありました。こちらも参加経験者に話を聞くと、特に準備をせず並ぶだけで
問題無いとのことでした。実際、当日レジストレーションに行ってみると、
1,000人が一斉に並んでいるということは無く、数十名程度が何列かに分かれ
て並んでいるだけで、それほど心配することはありませんでした。受付で渡
されたものはネームカードと、初参加者であることを示すニューカマーバッ
ジ(シール状になっており、ネームカードの上に貼り付けるもの)でした。な
お各会場では、机付きでPC用に電源のある席は前の方に数列しか無く、大半
の席は単に椅子が置いてあるだけなのですが、参加者は特に問題にする様子
は無く、ラップトップPCを膝に置いて参加していました。


■ 初日のオリエンテーション

IETF 94初日の11/1(日)は、Newcomers' Orientationという、IETF初参加者向
けのセッションがありました。同じ時間帯に、英語によるオリエンテーショ
ンと日本語によるオリエンテーションが併催され、私は日本語のセッション
に参加しました。日本語のオリエンテーションの担当は、株式会社レピダム
の林達也氏とエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の小原泰弘
氏で、今回用いた資料は元々英語版で作成されていたものを、日本語版に直
したものとのことでした。

  Newcomers' Orientation 日本語版資料URL
  http://wiki.tools.ietf.org/group/edu/attachment/wiki/IETF94/94-newcomers-japanese.ppt?format=raw

オリエンテーションの演題は「IETFの構造とインターネット標準の標準化プ
ロセス」というもので、内容は、IETFがどういった団体でどのように運営さ
れているのか、また、RFCなどインターネット標準となるIETF文書がどのよう
なプロセスで策定されているのかが、わかりやすく解説されていました。

IETFの組織構造(*4)に関しては、IETFで扱う技術分野は多岐にわたることか
ら、分類としてまず大きく技術分野をエリアというくくりで分け、さらにエ
リア内にワーキンググループ(WG)を置いて管理している構造になっています。
初参加者は、自分が興味のある技術分野がどのエリア・WGで扱われているの
か、確認するところから始める必要があると感じました。

(*4) https://www.nic.ad.jp/ja/tech/ietf/section3.html


ほかに、オリエンテーションの中で、ハム(Hum)という賛同を示す発声方法の
練習をしたり、オープンマイクで話すときの注意点を聞いたりしました。IETF
では、ある議論について賛成の意思表示をするため、ハム(Hum)という口を閉
じて、唸り声を出すような方法を採ることがあるということでした。また、
オープンマイクで話すときは、議事メモを残す都合や遠隔参加者への配慮の
ため、必ず名前を伝えてからマイクで発言するようにとのことでした。

それに加えて、セッション参加中にはブルーシートという、所属と名前を記
入する紙が回されるので、適宜記入する必要があるという案内もありました。
こうした諸案内により、私はセッションに参加した際に、作法的な面で戸惑
うことはありませんでした。

なお、先にレジストレーションデスクでもらったニューカマーバッジを付け
ていると、それなりに先輩参加者が配慮して接してくれるので、この機会に
必要な挨拶・情報交換など交流をすると良いという話もありました。

オリエンテーションの良かった点としては、初参加者向けに必要な情報が、
2時間程度でまとまって提供されることがあります。IETFのWeb上に、初心者
向けのガイド(*5)が載っていて、有益な情報が満載されているとは思うので
すが、文章量が多いため、初参加者がいきなりこれを読むよりは、こういっ
た口頭での導入があると助かると感じました。

(*5) IETFのタオ:初心者のためのインターネット技術タスクフォースガイド
     https://www.ietf.org/tao-translated-ja.html


■ Newcomers' Meet and Greet

オリエンテーションの後、ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテ
ルのBayview Roomという部屋で、初参加者向けの集まりがありました。こち
らではお酒が提供され、懇親会のように歓談するスタイルとなっていました。
初参加者向けの配慮としては、IETFのエリア・WG一覧の紙資料(5ページ程度)
が入口で渡された点と、室内に複数設置してあるテーブルにIETFのエリアを
示すプレートがそれぞれ立てられており、その近くにエリアディレクターや
WGチェアがいて、話ができるようになっていた点があります。会場は大盛況
で、かなり大きな声で話さないと至近距離でも何を言っているのか聞き取り
づらいほどでした。また、先のオリエンテーションで話のあった、ニューカ
マーバッジを付けていると先輩参加者が配慮してくれるというのはその通り
で、この集まりの最中に、チェアの何人かがニューカマーバッジを付けてい
る私を見つけて話しかけてくれ、円滑にコミュニケーションを取ることがで
きました。


■ 参加したセッションの報告

ここまで書いたように、筆者は今回の横浜会合がIETF会合初参加だったので
すが、初めて議論に参加するWGとして、下記のWGを選びました。

- Extensible Provisioning Protocol Extensions (EPPEXT) WG

筆者が今回のIETFに参加した動機は、各種技術の最新動向を追うことのほか、
RDAP (Registration Data Access Protocol)関連の動向について情報収集す
ることにありました。RDAPは、WHOISに置き換わるプロトコルとして、WEIRDS
(Web Extensible Internet Registration Data Service)というWGにおいて標
準化が進められたもので、RFC7480~7485において文書化され、WEIRDS WGは
2015年3月に活動を終了しました。WEIRDS参加者用MLはその後も残っており、
RDAP関連の議論が散発的にされていたのですが、EPPEXT WGの方でもRDAP関連
の提案がされることがあり、扱う技術が重複していました。そのため、RDAP
関連の議論を継続して行う場として、WEIRDS WGとEPPEXT WGを統合した、
REGEXTという新たなWGを発足させることをML上で議論していました。今回の
IETF横浜では、まずはEPPEXT側の残課題について確認と議論がされた後、新
WGのマイルストーンについて議論がされました。チェアの提示したマイルス
トーンについて異論は無く、新しいWGのチャーター(設立趣意書)の作成を別
途進めていくということになりました。


■ IETF 94参加者向けML

会期前後を通じて、IETF 94参加者向けMLにも登録していました。MLには2種
類あり、初参加者向けの[94-1st-timers]と、IETF 94参加者全体向けの
[94attendees]とがありました。

初参加者向けの[94-1st-timers] MLはあまり流量は無かったのですが、会期
1週間ほど前に初参加者向け情報がまとまって投稿され、まずはそのメールを
見て活動計画を立てれば良いという点で役立ちました。

IETF 94参加者全体向けの[94attendees]のMLはとても活発に投稿があり、主
に海外から参加した人の疑問と、それに対する回答がされていました。内容
は、空港から会場への移動方法の詳細や、日本でのお金や通信のことといっ
た現地滞在の基本的なノウハウから、各種観光情報のやりとりなど多岐にわ
たっていました。私は余裕が無く、海外参加者に回答をすることはできなかっ
たのですが、日本人の参加者がボランティア精神を発揮して、積極的に回答
されていました。

会期終了後の[94attendees]では、「横浜開催のIETFに参加できて良かった」
という、海外からの声が多く投稿されていました。参加経験者に話を聞くと、
他の開催地ではあまりそういった感想は無いようで、日本的な社交辞令の範
囲でなく、実際に日本人のおもてなしに満足いただいた方が多くいらっしゃっ
たのではないかと思われます。もちろん、私も今回の参加に満足した1人で
す。初参加者向けに、さまざまな取り組みをしていただいた皆様に感謝いた
します。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1361 【臨時号】

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