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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1385【定期号】2016.3.15 ◆
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◆ News & Views vol.1385 です
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2016年2月15日(月)~26日(金)にわたり、APRICOT 2016/APNIC 41カンファレ
ンスがニュージーランドのオークランドで開催されました。このカンファレ
ンスの様子を、3号に分けてお届けします。

本号の特集では第1弾として、カンファレンスの全体概要とアドレスポリシー
に関する議論についてご紹介します。

また、本日公開のブログでも、写真を織り交ぜながらカンファレンスの様子
をお伝えしていますので、こちらも併せてご覧ください。


  APNIC 41 Photoレポート
  https://blog.nic.ad.jp/blog/apnic41_photo/

インターネット用語1分解説でも、APNICカンファレンスにちなむ用語である
「SIG (Special Interest Group)」を取り上げています。

コラムには、慶應義塾大学の中島博敬さんに寄稿いただきました。遊び心を
持ったインターネットとの関わりは、いろいろな方法がありそうです。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「APRICOT 2016/APNIC 41カンファレンス報告 [第1弾]
              全体概要およびアドレスポリシー関連報告」
【 2 】News & Views Column
       「自作"インターネット"のススメ」
        慶應義塾大学  中島博敬氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「SIG (Special Interest Group)とは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】特集 「APRICOT 2016/APNIC 41カンファレンス報告 [第1弾]
              全体概要およびアドレスポリシー関連報告」
                                               JPNIC IP事業部 川端宏生
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APRICOT 2016/APNIC 41カンファレンスは、2016年2月15日(月)~26日(金)に
ニュージーランドのオークランドで開催されました。

ニュージーランドはちょうど真夏の観光シーズンにあたり、また、スーパー
ラグビーのシーズン開幕直後ということもあって、現地に向かう飛行機や空
港の入国審査場は、観光旅行やラグビー観戦目当てと思われるツアー客でごっ
た返していたのがとても印象的でした。

主催者からの報告によると、53の国や地域から654名の参加登録があり、その
うち531名が実際に会場に足を運んだとのことでした。


■カンファレンスの構成について

APRICOT 2016/APNIC 41カンファレンスではこれまでと同様に、会期を大きく
二つに分けてプログラムが構成されました。

会期前半のワークショップでは、BGPやMPLSといったトピックについて、業界
の第一人者から話を聞きながら、ハンズオンなども含めた演習形式で行われ
ます。

後半は、IRR、DNSやアドレス管理といった、ネットワークの運用者にとって
基礎的な内容に関するチュートリアルのほか、「APOPS (Asia Pacific
Network Operators Forum)」「SIG (Special Interest Groups)」「BoF
(Birds of a Feather)」「AMM (APNIC Member Meeting; APNIC総会)」などの
会議・セッションで、各種の最新動向の報告やポリシーに関する議論などが
行われます。

各プログラムの内容や、その際に利用された資料の大半は、以下のWebサイト
(*1)から参照することが可能です。発表資料や質疑応答をまとめた発言録、
当日の発表風景の映像・音声などが公開されています。

(*1) APRICOT 2016/APNIC 41 Program
     https://2016.apricot.net/program

今回はこれらのプログラムの中から、アドレスポリシーに関する議論を中心
にご紹介します。


■ ポリシーに関する議論について

今回のアドレスポリシーSIGでは、これまで継続議論となっていた1点のポリ
シー提案について、議論が行われる予定でした。しかし、カンファレンス直
前に、提案者から提案を取り下げとする旨の発表がありました。

そのため提案としては議論は行いませんでしたが、提案の背景となった問題
点を共有し、今後の検討につなげることを目的として、議論の時間が設けら
れることとなりました。

以下では、提案の内容をご紹介します。取り下げとなってしまいましたが、
ポリシー提案が行われた背景や、これまでのAPNIC カンファレンスではどの
ような議論が行われたかについては、メールマガジンのバックナンバーを併
せてご覧ください。

  ・WHOISでの詳細な割り当て情報の登録(提案番号:prop-115)

    提案者:廣海緑里氏
            藤崎智宏氏

    概要:IPv4では「ポート番号」を、IPv6では「割り当てアドレスサイズ」
          の情報をWHOISに追加し、これらの情報でも登録情報を検索できる
          ようにする。
          (提案の詳細) http://www.apnic.net/policy/proposals/prop-115

    結果:ポリシーSIG MLでの継続議論

    (参考)
    vol.1289 APRICOT 2015/APNIC 39 カンファレンス報告
    [第2弾] アドレスポリシー関連報告
    https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1289.html

    vol.1345 APNIC 40カンファレンス報告 [前編]
    全体概要およびアドレスポリシー関連報告
    https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2015/vol1345.html

提案ではIPv4とIPv6の両方を対象としていましたが、今回の議論では、IPv6
のみを対象とすることについて、会場の参加者からの意見を求めたところ、
特段のコメントはありませんでした。またその後の議論でも、IPv6に関する
コメントがほとんどを占めており、IPv6についてフィルタリング情報を提供
することには意味があるものと考えている人が多かったのではないでしょう
か。

また、提案内容自体を正しく理解をしている人が少なく、実際のフィルタリ
ング方法についての議論となる場面もありました。いくつかのやり取りの結
果、フィルタリング方法について議論を行うことが提案の目的ではないこと
が理解されたようでしたが、議論を深めるためにはまだまだ時間が必要では
ないかという印象を持ちました。

最後に、この議論を今後も進めるかどうか、挙手による確認が行われたとこ
ろ、反対を表明する人が多く見受けられました。これらの確認の結果を踏ま
えて、今回議論された内容をどのように取り扱うかについては、提案者が今
後検討することになっています。


■ WHOISの正確性向上について

今回のアドレスポリシーSIGでは、今回ご紹介したフィルタリング情報の提供
に関する議論のほかにも、WHOISの正確性向上に対するAPNIC事務局での取り
組みを紹介するセッションが設けられていました。

APNICでは、提案の提出から実装までの一連の流れをポリシー策定プロセスと
して定めています。今回のAPNICカンファレンスの開催にあたっても、このプ
ロセスに従い、WHOISの正確性向上のための提案が提出されたそうです。チェ
アによる確認の過程で、準備不足の部分もあったとのことで、提案者と相談
した結果、提案としては議論されないこととなりました。しかし、チェアと
APNIC事務局で相談した結果、関連する話題をAPNIC事務局から紹介すること
となったようです。提案者がこのセッションで出たコメントなどを踏まえて、
次回のAPNICカンファレンスで再度提案を行うことも想定されます。

APNICと同じくJPNICにおいても、WHOISによる情報提供を行っていますので、
APNICでの取り組みにも非常に注目しています。セッションでの具体的な内容
のご紹介はここでは省略しますが、ポリシーワーキンググループにより開催
されるJPNICオープンポリシーミーティングにおいて、APNICカンファレンス
の報告を行う予定です。ご興味のある方はぜひご参加いただければと思いま
す。

  オープンポリシーフォーラム
  http://jpopf.net/


■IPv4アドレス移転に関するセッションについて

APNICカンファレンスに参加される方の中には、IPv4アドレス移転に関する
動向に関心をお持ちの方も多いかと思います。ここ数回のカンファレンスで
は、IPv4アドレス移転に関するセッションが設けられています。

今回も「Making ends meet: IPv4 exhaustion and the transfer market」と
題するセッションが設けられました(*2)。このセッションは、IPアドレスの
管理組織や仲介事業者など、IPv4アドレス移転に関係する組織の担当者をパ
ネリストに迎えて、それぞれの立場からの報告と議論で構成されています。

APNICでは現在、北米地域のARINおよびヨーロッパ地域のRIPE NCCとの双方向
のIPv4アドレス移転を可能としています。APNICの移転履歴(*3)からも、ARIN
との移転はAPNICへの流入がほとんどを占めており、/24(256アドレス)や/22
(1,024アドレス)といった単位ではなく、/16(65,536アドレス)単位で移転す
るケースが多いことがわかります。ARIN地域では、歴史的経緯から、他の地
域よりも多くのIPv4アドレスが管理されており、このIPv4アドレスがAPNIC地
域に流入しているようです。JPNICにおいても、特に/16よりも大きなIPv4ア
ドレスの移転において、ARIN地域のIPv4アドレスが流入してくるケースが最
近増えてきています。

また2015年9月24日には、ARIN地域における通常在庫が枯渇(*4)したため、
ARIN地域内での移転についても、これまで以上に活発になることが想定され
ていました。

ARINのJohn Curran氏からは、ARIN地域における通常のIPv4割り振り件数は減
少する一方、IPv4アドレス移転は増加傾向にあることが報告されています。
仲介事業者であるSandra Brown氏からは、2015年9月以降、ARIN地域における
移転IPv4アドレス数が増加していること、/16を例にした場合の取引価格が上
昇傾向にあることが報告されています。同じく、仲介事業者であるGabe Fried
氏からも、時期的な変動要素はあるものの、2015年9月以降の移転件数は増加
傾向にあることが指摘されています。

移転価格、IPv4アドレスと地理的情報(ジオロケーション)、経路情報のフィ
ルタリング、ハイジャッキング(割り当て先組織以外の不正利用)、SPAMに関
するデータベース(ブラックリスト)など、技術的な面だけ見ても、IPv4アド
レス移転に関して考える必要のある課題は多岐にわたります。1時間半のセッ
ションでしたが、質疑が尽きることなく終了しました。

セッション中、APNIC地域における分析や事例紹介が少なかった点が残念でし
たが、今後開催される同様のセッションでは、APNIC地域のIPv4アドレスの実
態について取り上げられることを期待しています。

(*2) Making ends meet: IPv4 exhaustion and the transfer market
     https://2016.apricot.net/program#sessions/makingendsmeet:ipv4exhaustionandthetransfermarket

(*3) APNIC Transfer logs
     https://www.apnic.net/manage-ip/manage-resources/transfer-resources/transfer-logs

(*4) 北米地域レジストリにおけるIPv4アドレス在庫枯渇のお知らせ
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150925-01.html


■ APNIC Annual General Meetingについて

APNIC 41カンファレンスの最終日には、APNIC Annual General Meeting (AGM)
が開催されました。AGMでは、APNICの活動内容に関する報告、APNIC 41カン
ファレンス期間中に開催されたSIGや各種セッションの報告、次回のAPNIC 42
カンファレンスの紹介などが行われました。

通常、春に開催されるAPNIC カンファレンスでは、APNIC理事会メンバー(EC)
を選出するための選挙が行われます。ECの任期は2年となっており、1年ごと
に半数が改選となります。今回の選挙では7名が立候補しており、その中から
3名が選出されました。

候補者のプロフィールは、APNICのWebサイト(*5)で事前に公開されますので、
会員の多くはその内容を参考にして、前日までに専用ポータルサイトからオ
ンライン投票を済ませます。AGM当日の候補者自身によるスピーチを確認して
から投票する会員や、他の会員からの委任を受けて投票する場合には、紙の
投票用紙が利用されます。

今回選出された3名に加えて、今回の改選対象には含まれない4名、および
APNIC事務局長の8名で、APNIC理事会の新体制がスタートしています。

APNIC理事会の新体制は以下の通りです(括弧内は現在の所属および出身国・
地域)。任期やECメンバーのプロフィールはAPNICのWebサイト(*6)に掲載され
ています。

    ・Gaurab Raj Upadhaya氏(Limelight Networks:ネパール)
    ・James Spenceley氏(Vocus Communications Limited:オーストラリア)
    ・Jessica Shen氏(CNNIC:中国)
  ☆・Kam Sze Yeung氏(Akamai Technologies:香港)
    ・Kenny Huang氏(TWNIC:台湾)
    ・Paul Wilson氏(APNIC事務局長:オーストラリア)
  ☆・Rajesh Chharia氏(Internet Service Providers Association of
      India:インド)
  ☆・Roopinder Singh Perhar氏(Netplus Broadband Services Private
      Limited:インド)

      ※ ☆は今回新任のEC

2000年10月以来ECを務めていたJPNICの前村は、APNIC 41カンファレンスを
もって退任しました(*7)。退任にあたってのスピーチで感極まる前村に、会
場参加者からは惜しみない拍手が送られました。

(*5) APRICOT 2016/APNIC 41 Elections
     https://2016.apricot.net/elections#nominees

(*6) APNIC EC members
     https://www.apnic.net/about-APNIC/organization/structure/apnic-executive-council/ec-members

(*7) 前村昌紀のAPNIC EC(理事)退任および次期EC選挙結果のお知らせ
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2016/20160226-01.html


■次回APNICカンファレンスについて

次回のAPNIC 42カンファレンスは、2016年9月29日(木)~10月6日(木)に、バ
ングラデシュ・ダッカで開催されます。また、次回APRICOTとの共催となる
APRICOT 2017/APNIC 43カンファレンスは、2017年2月20日(月)~3月3日(金)
に、ベトナム・ホーチミンでの開催が予定されています。

セッションの合間やレセプションなどの時間には、参加者同士で情報交換を
行っている姿をよく目にしました。アジア各地の情報を手に入れるには、絶
好の機会かもしれませんね!メールマガジンやブログではなかなかお伝えす
ることが難しい会場での雰囲気を、ご自身で感じ取ってみてはいかがでしょ
うか。


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1385/d4ec4b47c99e308946b33f8e66315347┃
 ┃                                                                  ┃
 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1385/8f268f2ec170051178f892550038bf3a┃
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【 2 】News & Views Column
       「自作"インターネット"のススメ」
                                                 慶應義塾大学 中島博敬
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みなさん自宅ラックという言葉を聞いたことはありますか?自宅ラックとは
自分が使うネットワークやサービスの運用を主に自宅に設置したネットワー
ク機器やサーバなどで行うことを指します。今日は自宅ラックだけでなく、
ネットワークやサービスを自分たちで運用・開発する楽しさについてお話し
したいと思います。

会社や大学でネットワークやサービスの運用・開発を行っていると、専門分
野の高度化や責任の分割などによって役割分担がされ、システム・ネットワー
ク全体の技術について網羅することが難しくなってきているのではないかと
感じています。一方こうした問題に取り組む職種として、インフラエンジニ
アという職種が最近話題になってきていますが、本来は幅広い技術分野の知
識を網羅して問題解決に取り組むことができるのが理想なのかなと思います。

話は変わりますが、最近友人と大学や企業の枠組みを超えて、ネットワーク
やサービスを自分たちで運用・開発するグループを立ち上げました。それぞ
れの自宅にあるサーバやネットワーク機器をネットワークで繋いだり、スペー
スを借りて機器を集約したりしながら、自分たちが遊べるネットワーク・シ
ステムで遊んでいます。

自分たちでネットワーク・サービスを運用・開発すると、普段の業務と比較
するとユルい運用ができることから、大規模な構成変更や時にはすべてを壊
して停止させたりしながら、よりチャレンジングでワクワクするような運用
を目指しています。

例えばお金がないことを活用して、古今東西のいろいろな製品を利用したり、
オープンソースソフトウェアを利用したり、中古ハードウェアを入手してき
たり、仮想ルータを組み合わせたりしながら、運用をしています。他にもそ
れぞれの自宅ネットワークの設計や構成を共有したり、他にも同じように自
宅ラックやネットワークを運用している人たちと交流したりしながらインター
ネットを作る楽しみを共有しています。

私たちの他にもAS番号を取得して運用をしているグループや、こうした業務
外で楽しむネットワーク・システムについて勉強会を開いているグループな
ど、業務とは関係なく、趣味でインターネット技術の運用や開発を楽しんで
いるグループがいくつかあります。インターネットはもともとさまざまなネッ
トワークが相互に繋がってできたネットワークですが、この機会に自宅ネッ
トワークを相互に繋いで遊んでみてはいかがでしょうか?


■筆者略歴

中島 博敬(なかじま ひろたか)

1987年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了後、
同研究員としてWorld Wide Web Consortium (W3C)においてHTML5やHTTP/2な
ど最新のWeb技術に関する標準化活動に従事。国内外のテクニカルコミュニ
ティに所属し、最新技術やプライバシー・セキュリティについての啓発活動
を行う。2014年4月より慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンター本
部助教。2015年1月よりISOC Japan Chapter Secretary。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「SIG (Special Interest Group)とは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

SIGとは、Special Interest Groupの略で、一般的には特定のテーマについて
興味・関心のある人々の集まりのことを言います。

APNIC(*1)コミュニティにおいても、SIG(*2)は特定の分野に関する議論、情
報交換等を行うための場となっています。年2回のAPNICカンファレンスの際
に各SIGのミーティングが開催されており、その他には各SIGのメーリングリ
スト(以下、MLという)上にて議論や意見交換が行われます。

これらのミーティングやMLには、興味を持つ人は誰でも参加して、意見を言
うことができます。その際に使用する言語は英語です。

また各SIGでは、そのSIGで取り扱う分野に精通した有志のメンバーが、議長
(Chair)や副議長(Co-Chair)として選出されます。議長は、ミーティング前に
提案・発表事項の募集、提出された提案・発表の確認および採否の決定とML
へのアナウンス等をします。ミーティング当日には司会進行を務め、ミーティ
ング後にはAPNIC Member Meeting (AMM)(*3)での報告や、さらなる確認のた
めのMLへの投稿等を行います。副議長は議長がその任務を遂行することが難
しい場合に、議長の役割を代行します。

SIGは必要に応じて設置され、役割を終えると閉鎖されます。ML上や、既存の
SIG、AMM、BoF(*4)から新たなSIGの設置について提案があった場合には、BoF
を開催して、取り扱う内容、暫定の議長、およびSIGのチャーター草案を決
め、その後、AMMでの承認を受けて、新たなSIGが設立されます。

2016年3月現在、APNICコミュニティで活動しているSIGとしては、以下の三つ
があります。

・Policy SIG(*5)
   IPアドレス/AS番号のポリシーに関する事項を取り扱います。APNICにお
   けるPDP(ポリシー策定プロセス)の根幹をなしています。Policy SIGのミー
   ティングにおいて参加者によるコンセンサスが得られた提案事項は、一定
   の手続きを経て、APNICによってアジア太平洋地域のルールとして実装さ
   れます。

・National Internet Registry (NIR) SIG(*6)
   NIR(国別インターネットレジストリ)(*7)に関する事項を取り扱います。
   主としてNIRメンバーが参加し、情報交換を行っています。

・Cooperation SIG(*8)
   公共政策やインターネットガバナンスなど、インターネットに関する多岐
   にわたる事項を取り扱います。

SIGに関する詳細は、APNICのSIG Guidelines(*9)に定められています。

(*1) APNIC
     https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/apnic.html

(*2) Special Interest Groups
     https://www.apnic.net/community/participate/sigs

(*3) APNIC Member Meeting (AMM)
     2015年6月に開催されたAPNIC39以降、APNIC AGM(Annual General
     Meeting)と呼ばれています。

(*4) BoF (Birds of a Feather)
     https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-bof

(*5) Policy SIG
     https://www.apnic.net/community/policy/policy-sig

(*6) NIR SIG
     https://www.apnic.net/community/participate/sigs/NIR-SIG

(*7) 国別インターネットレジストリ (NIR:National Internet Registry)
     https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ka.html#12-nir

(*8) Cooperation SIG
     https://www.apnic.net/community/participate/sigs/cooperation-sig

(*9) SIG Guidelines
     https://www.apnic.net/community/participate/sigs/sig-guidelines


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2015年10月~2016年3月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付| AD   AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
10/1|260  3553 375679 590 32246 14302 6628 5087 1841 2381 832304 113864  9107 2790 1400632
11/1|260  3556 377204 593 32361 14273 6607 4987 1842 2380 834706 113888  9129 2786 1404572
12/1|259  3557 378002 594 32443 14245 6580 4990 1842 2373 837124 113655  8707 2732 1407103
 1/1|260  3561 379056 594 32541 14214 6570 4998 1843 2367 839520 113521  8590 2612 1410247
 2/1|259  3564 379743 590 32607 14183 6562 5007 1852 2364 841880 113514  8611 2673 1413409
 3/1|258  3563 380856 592 32749 14163 6552 5028 1865 2361 844626 113465  8634 2605 1417317
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2015年9月~2016年2月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   9 |     2048 |        0 |   93061054
  10 |     9216 |        0 |   93070270
  11 |     1024 |        0 |   93071294
  12 |     3072 |        0 |   93074366
   1 |     1024 |     1024 |   93074366
   2 |   136192 |   133120 |   96081920
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2016年3月14日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |     98 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     37 |
 ---------------------
  合計      |    186 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2016年3月14日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           415


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2016.3.16(水)                IoTネットワークプログラミングワーク
                               ショップ(東京、東京大学 電気系会議室5)
  2016.3.18(金)                第58回臨時総会(東京、アーバンネット神
                               田カンファレンス)
                               第112回臨時理事会(東京、JPNIC会議室)
  2016.3.28(月)                APRICOT 2016報告会(東京、JPNIC会議室)
  2016.3.30(水)                第45回ICANN報告会(東京、JPNIC会議室)
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  2016.4.3(日)~8(金)          IETF 95 (Buenos Aires, Argentina)
  2016.4.17(日)~20(水)        ARIN 37 (Montego Bay, Jamaica)
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  2016.5.2(月)~6(金)          LACNIC 25 (La Habana, Cuba)
                               WSIS FORUM 2016 (Geneva, Switzerland)
  2016.5.23(月)~27(金)        RIPE72 (Copenhagen, Denmark)
  2016.5.29(日)~6.10(金)      Africa Internet Summit
                               (Gaborone, Botswana)


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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 JPNIC News & Views vol.1385 【定期号】

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