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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1598【定期号】2018.6.15 ◆
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◆ News & Views vol.1598 です
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毎月15日に発行している定期号では、特集記事のみならず、業界メンバーの
コラムや用語解説、統計などもお届けしています。

本号では、2018年5月31(木)、6月1日(金)に広島大学を会場に開催された、
「Internet Week ショーケース in 広島」のレポートです。ショーケースの
開催は2017年の名古屋に続いて2回目ですが、現地・リモートともに大変多く
の方にご参加いただきました。本号の発行に合わせて、ブログでも豊富な写
真を取り混ぜて会場の様子をご紹介していますので、こちらもぜひ併せてご
覧ください。

  写真で見るIWショーケース in 広島
  https://blog.nic.ad.jp/blog/hiroshima-photos/

News & Views Columnでは、ISOC-JPなどでもご活躍されている青山学院大学
の根本貴弘氏に、ファッションとインターネットとの関係について語ってい
ただきました。インターネット用語1分解説では、HTTPS通信などをはじめと
したさまざまな場面で利用されている、「TLS (Transport Layer Security)」
を解説しています。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「Internet Week ショーケース in 広島 開催報告」
【 2 】News & Views Column
       「ささやかな楽しみ」
         青山学院大学 情報メディアセンター  根本貴弘氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「TLS (Transport Layer Security)とは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

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【 1 】特集 「Internet Week ショーケース in 広島 開催報告」
                                   JPNIC インターネット推進部 根津智子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■はじめに

2018年5月31日(木)・6月1日(金)の2日間、「Internet Week ショーケース in
広島」を広島大学の東千田キャンパスにて開催しました。東千田キャンパス
は原爆の爆心地から半径約1.5km以内に入る場所にあります。隣には東千田公
園という大きな公園があり、その一角には、旧広島文理科大学の建物が被爆
建物として残っています。公園入り口では数々の大きなフェニックス(別名カ
ナリーヤシ)の木が皆を出迎えてくれますが、「広島は、70年間草木が生えな
いと言われたこともあったが、今はこのように緑一杯になった。広島大学の
校章は、このフェニックスの葉を形取っている。死んでもよみがえる不死鳥、
これが広島、そして広島大学のマインドである」、そんなお話を、共催の広
島大学副学長の相原玲二先生からうかがって、何気なく通っていたフェニッ
クスの木の下を通る際に、胸が熱くなる思いがありました。

この時分の広島は暑すぎず、湿気も少なく、半袖プラス羽織り物くらいでちょ
うどよい、気持ちの良い気候でした。

Internet Weekショーケースの開催は2回目です。ショーケースの名の通り、
毎年秋に開催している「Internet Week (IW)」の中から、選りすぐりのセッ
ションだけを取りそろえて東京ではない地域で無料で提供するものです。知っ
ておくべき最新技術情報と交流の場の提供を目的としています。今回、両日
ともに約120名の方にご参加いただき、全国に向けたストリーミングも、コン
スタントに50くらいの視聴者数(最大60強の視聴者数)を保っていました。IW
はセッション数の関係もあり中継を行うことができませんが、ショーケース
は中継を行い、全国の方に気軽にご覧いただくことができるようにしていま
す。

詳しい「ショーケースとは何か?」については、1回目の開催報告でもご説明
していますのでよろしければご覧ください。

  ・Internet Week ショーケース in 名古屋 開催報告
    https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2017/vol1509.html

また、「今回のショーケース in 広島」、文字でお伝えしても雰囲気がわか
りづらいので、JPNICブログに写真を載せました。ブログを見ていただけれ
ば、会場の雰囲気を感じ取っていただけると思います。

  ・写真で見るIWショーケース in 広島
    https://blog.nic.ad.jp/blog/hiroshima-photos/


■2日間にわたるプログラムの紹介

さて、本当はプログラムの内容を詳細に報告するべきなのですが、前述の通
り=ショーケースの名の通り、「これだけは今の時期にお伝えしたい」とい
うプログラムを選りすぐった構成のため、「このプログラムだけを紹介する」
ということが非常に難しいと感じています。

プログラム詳細は、https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program.html で
公開しておりご覧いただけるのですが、以下にはプログラムを企画した簡単
な意図と、資料のURLを掲載しますので、ご興味がある方は、ぜひ資料を活用
なさってください。

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▼ Day 1(2018年5月31日(木))
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◆企業ネットワークへのIPv6導入指南

  オープニングは、IPv6の導入と普及に関して真摯に取り組んできた広島ら
  しく「IPv6」をテーマにしました。アクセス網はIPv6 readyになってきて
  いますが、なかなか一般的な企業や官公庁などでは、IPv6なんて考えてい
  ない場合も多いかもしれません。しかしそろそろ機会損失が起こる場合も
  あり、企業のIPv6対応についてもお話しいただきました。

  ・『オープニングセッション:広島地域とIPv6』
     広島大学教授/広島地域IPv6推進委員会委員長  西村浩二氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/nishimura.pdf

  ・『世界で進むIPv4の品質劣化とIPv6の導入、ところで企業のIPv6対応は?』
     日本インターネットエクスチェンジ株式会社  中川あきら氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/nakagawa.pdf

◆90分で分かるサーバ証明書の最新動向 ~いまTLSとトラストが熱いんです~

  Google Chromeが年内にアップデートするバージョンから、HTTPS化されて
  いないWebサイトに警告を表示するとしていることもあって、HTTPS化の波
  が押し寄せていると言えます。しかしHTTPS化さえすれば本当に安全なので
  しょうか?すべてのWebサービスをHTTPS化できない場合どうすればいいの
  でしょうか?そしてどんな証明書を使ったらいいのでしょうか?我々が、
  認証局事業者とブラウザーベンダーのはざまで、どうセキュリティを保っ
  ていけばいいのか、さまざまにな示唆に富んだお話をいただきました。

  ・『運用の観点から見たTLSプロトコルの動き』
     ヤフー株式会社  大津繁樹氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/ohtsu.pdf

  ・『今理解しておくべきトラスト ~Web PKIのサーバ証明書事情~』
     セコム株式会社  島岡政基氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/shimaoka2.pdf

 ・『パネルディスカッション ~今後、どうなっていくのか~』
     JPNIC  木村泰司/大津繁樹氏/島岡政基氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/https-panel.pdf

◆ 基調パネルディスカッション『広島とインターネット、そしてこれから』

  広島はインターネットの発展の過程で強力にそれを推進してきた地域の一
  つです。このパネルディスカッションでは、それぞれのパネリストに、広
  島とインターネットとのつながりを思い出しながら、これからのトレンド
  についてお話しいただきました。

   モデレーター   日本電信電話株式会社  長谷部克幸氏
   パネリスト     広島大学 教授         相原玲二氏
                  慶應義塾大学 教授     加藤朗氏
                  広島市立大学 教授     前田香織氏
                  慶應義塾大学 教授     村井純氏

  (相原氏資料)広島のインターネットの始まりとこれから
              https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/aibara.pdf
  (加藤氏資料)IETF76
              https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/kato.pdf
  (前田氏資料)広島のIoTさきがけ ~インターネット利活用実験~
              https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/maeda.pdf
  (村井氏資料)Internet for 2050
              https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/murai.pdf


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▼ Day 2(2018年6月1日(金))
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◆ サイバー攻撃に耐える組織と運用

  誰もが関心の高いセキュリティ対策。まずは最前線を知ろう!と昨年のIW
  から後の事象や状況も加えて解説してもらい、その後実際に、組織として
  「何を」「どこまで」やればいいのか、具体的に解説してもらいました。
  自組織がどういう組織だったらここまではインソースで、ここからはアウ
  トソースでなどの指標が、かなりわかりやすかったと思います。やはり日々
  セキュリティを考え、分類し、対応している専門家のノウハウは全く別物
  であり素晴らしいな、と感じたセッションでした。

  ・『サイバー攻撃最前線 -広島版-』
     SecureWorks Japan株式会社  中津留勇氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/nakatsuru.pdf

  ・『45分で分かる!今求められるSOC、CSIRTの姿とは 』
     ISOG-J/NTTテクノクロス株式会社   武井滋紀氏
     ISOG-J/NECソリューションイノベータ株式会社  早川敦史氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/hayakawa.pdf

◆ 向き合おう、DNSとサーバー証明書 ~DNSとサーバー証明書の最近の関係
   を踏まえ、DNS運用者がすべきこと~

  IWでは、恒例の「ランチセッション」をやっていますが、ショーケースで
  は昼休み明け最初のセッションでお話しいただきました!また表題の話に
  加え、2019年2月1日に予定されているイベント「DNS flag day」について
  も、概要と想定される影響範囲などを速報の形でご紹介いただきました。

     株式会社日本レジストリサービス  森下泰宏氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/morishita2.pdf

◆ 押さえておきたい!基盤技術

  「押さえておきたい!基盤技術」と題して、「Wi-Fi」「DNS]「インター
   ネットルーティングセキュリティ」「トラフィックエンジニアリング」を
   取り上げました。

  ・『Wi-Fiの混雑に向き合う基本的知識とオフィスWi-Fi提供時の課題』
     DMM.comラボ/CONBU  熊谷暁氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/kumagai.pdf

  ・『DNSの基本と最新動向』
     株式会社インターネットイニシアティブ  其田学氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/sonoda.pdf

  ・『インターネットルーティングセキュリティ最新動向』
     JPNIC  岡田雅之
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/okada.pdf

  ・『トラフィックエンジニアリング 地域ISP編』
     ミテネインターネット株式会社  熊本豊氏
     ソフトバンク株式会社  平井則輔氏
     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/kumamoto.pdf


◆ インシデント対応ハンズオン for ショーケース

  「押さえておきたい!基盤技術」の裏では(表では?)、ハンズオンセッショ
   ンも取り入れてみました。IWでも大人気の「インシデント対応ハンズオ
   ン」です。実際に生ログを見ながら、それをインシデントの観点から解析
   していくものです。3時間という時間でしたが、皆さん休憩もほとんど取
   らず、熱心に解析している姿が印象的でした。

   一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター  竹田春樹氏
   SecureWorks Japan 株式会社  中津留勇氏
   https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/program/takeda.pdf

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■終わりに

アンケートの結果では、広島県からの参加者が約42%、残りがそれ以外から
の参加で、現地参加者の回答割合が79%、ライブストリーミング参加者の回
答割合が21%でした。ストリーミングを全国の方に見ていただいた甲斐があ
りました。

参加者属性は、通常のIWではネットワーク運用者の参加が多いのに比べ、今
回のショーケースではもっとさまざまな職種にばらけている形となり、通常
IWに興味を持たれない方にも話を聞いていただけたのではないかと思います。

また今回のショーケースの有効度を聞いた設問では、「大変役に立った」が
70%、「まあまあ役に立った」が29%ということで、合計99%、何か忖度さ
れたのではないか?と疑ってしまうような結果でしたが、うち66%の方に
「IW2018 も参加してみたい」と回答いただけて、こういうイベントを毎年や
ることの意義を再確認できました。

今回のショーケース in 広島も、多くの方のご協力があって、有意義なイベ
ントにすることができました。戦後73年経ち、私もJPNICやInternet Weekに
携わって十数年が経ちますが、正直、典型的な平和ボケであるのか、仕事上
で「戦争」を身近に感じたことはありませんでした。しかし今回、かの有名
な体験記『原爆の子』を編纂された当時の広島大学学長である長田新氏の孫
が、今回パネルディスカッションに登壇した村井純先生であったり、そうい
う広島の歴史も感じながらインターネットの話や今後についても話ができた
のが、今までにない体験として心に残りました。共催の広島大学をはじめ、
参加者の皆さま、講師の皆さま、協賛・後援の皆さま、本当にありがとうご
ざいました。

Internet Week 2018は、11月27日(火)~11月30日(金)に、今年も東京・浅草
橋で開催します。本家Internet Weekもどうぞよろしくお願いいたします。

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■ Internet Week ショーケース in 広島 開催概要
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○正式名称     Internet Week ショーケース in 広島

○開 催 地     広島大学 東千田キャンパス 東千田未来創生センター
               広島県広島市中区東千田町1丁目1-89
               https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/senda

○開催日程     2018年5月31日(木)から6月1日(金)の2日間

○開催目的     広島でInternet Weekのダイジェスト編を開催することによ
               り、広島およびその近郊の地域における
               1. インターネットの発展を推進する
               2. インターネットに関する議論の場・交流の場を提供する
               3. インターネット基盤技術の普及を図る
               ことを目的とする。

○対 象 者     インターネットの技術者およびインターネット技術と
               社会動向に興味のある方

○内    容     インターネットに関するチュートリアル、最新動向セミナー等

○主    催     一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

○共    催     広島大学

○協    賛     株式会社日本レジストリサービス
               華為技術日本株式会社
               アカマイ・テクノロジーズ合同会社
               株式会社インターネットイニシアティブ
               日本インターネットエクスチェンジ株式会社
               株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
               株式会社QTnet

○後    援     ICT教育推進協議会
               一般財団法人インターネット協会
               International Information Systems Security Certification
               Consortium
               一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター
               一般社団法人情報処理学会 中国支部
               一般社団法人電子情報通信学会 中国支部
               一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会
               日本セキュリティオペレーション事業者協議会
               日本DNSオペレーターズグループ
               日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ
               中国情報通信懇談会
               総務省中国総合通信局
               広島地域IPv6推進委員会

○U R L     https://www.nic.ad.jp/sc-hiroshima/
               Facebook  https://www.facebook.com/InternetWeek
               Twitter   https://twitter.com/InternetWeek_jp

○お問い合わせ先
               iw-info@nic.ad.jp (Internet Week 事務局)

                                                                  以上


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
 ┃  http://feedback.nic.ad.jp/1598/c719a6c056d4ff43a85b6588ad37f5f2 ┃
 ┃                                                                  ┃
 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃  http://feedback.nic.ad.jp/1598/02a8feea3e7adb76e6d3a1a67d1529ec ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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【 2 】News & Views Column
       「ささやかな楽しみ」
                            青山学院大学 情報メディアセンター 根本貴弘
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日、次女の七五三に合わせてスーツを誂えることになり、初めて仕立屋さ
んに行ってきました。普段、スーツを着る機会は少ないこともあり、せっか
く作るならきちんとしたところで仕立てていただくことで、身嗜みについて
造詣の深い方々の共通言語のようなものをきちんと学びたいなぁと、あれこ
れ仕立屋さんを探していました。

こういう時、とりあえず検索サービスを通じて広く探してみても、信頼でき
そうな知る人ぞ知る情報には、なかなか辿り着けなかったりします。結局、
某掲示板あたりに書き込まれている、知る人ぞ知る情報っぽいものを参考に、
いくつか目星を付け、そこからいくつかの仕立屋について調べてみるという
ことを始めました。また、インターネット上から情報を探すことと並行して、
普段お世話になっている服屋さんや靴磨き屋さんにも相談してみて、情報を
集めたりもしてみました。幸いにも、今回は某SNS上でスーツを誂えている写
真を投稿していた、ファッション誌を発行する出版社に勤めている友人がい
たので、ダイレクトメッセージを送ってみたところ、今回お世話になる仕立
屋さんを紹介してもらうこととなりました。

実際に仕立屋さんに行くにあたり、そこで誂えたスーツにはどのようなもの
があるのかを調べるには、画像や動画に特化した某SNSの、タグ検索がとても
役に立ちました。また、副次的な発見ではありましたが、その仕立屋さんに
関するタグを付けた投稿が多い人が何名かわかってくると、どうやらその仕
立屋さんの常連らしい人々が把握できるようになってきました。今回紹介い
ただいた仕立屋さんの場合、国内の常連さんも多いのですが、海外の常連さ
んもいるのだなぁということがわかり、こちらでしたら前述の共通言語を学
ぶことができそうであることもわかってきました。

さて、いざ仕立屋さんに行き話をしていると、最近は20代の方々や学生も、
フルオーダーに憧れてスーツを作りに来るそうです。ご両親のお金で買って
もらうのはかっこ悪いよということで、仕立屋さんもさすがにスーツのオー
ダーは断るそうですが、それでもその仕立屋さんの作るスーツの雰囲気が好
きで、せめてシャツだけでもということで、自分のお金で支払えるシャツ等
をオーダーするそうです。またここ数年で、アジア地域では30代を中心とし
た世代のファッションに関する関心が高まっているようで、国境を越えて同
じ趣味嗜好を持ったファッションで繋がるという、コミュニティも目立つよ
うになってきたそうです。

私が本格的に服に関心を持ちはじめた高校生ぐらいの頃ですと、一部の人達
の中で嗜まれていた知る人ぞ知るものというのは、雑誌等で紹介されるか地
元の服屋さん等から教えてもらわないと、なかなか知ることができなかった
ように思います。地元の服屋さんに通いつめ、試着してみていろんな合わせ
を覚えたり、服の作りや読むべき本、通うべきお店について教えてもらった
り、店員さんや他の常連さんと一緒に都内のお店巡りをしたりということを
繰り返して、時間をかけて知識を増やしていくというプロセスを当時は経て
いました。その経験からすると、他国の同じ趣味嗜好を持った人と出会うと
いうことや、自分達の趣味嗜好を伝えることは、本当に巡り合わせがないと
実現できないように思えまして、現在のインターネットの影響というのは、
本当にすごいなぁと感じております。

さて、ここまで読んでいただいて、服が好きな方達の中でもコミュニティが
形成されるほどにインターネットが活用されているというのが、なんとなく
伝わったかと思われます。私は前々から、ぜひそういう服好きな方々にも、
この自由に使えるインターネットの環境が、どのように発展的に維持されて
きたのかというのを知っていただき、インターネットが今後も発展的維持さ
れることに理解関心を持ってもらえるといいなぁと思い、実はささやかな試
みとしまして、ファッションに興味がある人に向けた活動をしていたりもし
ます。2017年に、ISOC-JPと青山学院大学の情報メディアセンターで、イン
ターネットエコシステムに関する講習会を企画していた時期に、たまたま仲
のよい服屋さんから新商品のモデル依頼をいただいたので、その撮影舞台を
講習会の場にできないかと調整し、服屋さんのWebページやSNS等に講習会の
様子を掲載いただいたこと等があります。

  CURLY for a University Faculty
  http://curly-cs.com/theWeft/item/45148/

また、今回のコラムや、IETF91全体会議報告の冒頭でアロハシャツの話を書
いたように、逆にJPNICさんの記事で服の話を書いてみる等もしております。

  第91回IETF報告: [第1弾] 全体会議報告
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2014/vol1262.html

服屋さんとJPNICさんの寛容さに深謝しつつ、今後もさまざまな異なるコミュ
ニティ間の接点となるような、ささやかな取り組みを継続してみたいなぁと
思っております。


■著者略歴

根本 貴弘(ねもと たかひろ)

博士(メディアデザイン学)。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科後
期博士課程。青山学院大学情報メディアセンター助手(2014-)。RFC 7790共著
者。ISOC-JP Officer (2017-)、IETF Education Working Group Chair
(2016-)。私立大学情報教育協会 情報セキュリティ研究講習会委員会委員
(2016-)。情報通信技術委員会 IoT/BD/AI時代に向けたデジュール及びフォー
ラム標準に関する標準化動向調査 調査者(2017)。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「TLS (Transport Layer Security)」とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

TLS (Transport Layer Security)とは、TCP/IPを使ったさまざまなサーバと
クライアントの通信で、セキュアなチャンネル(通信路)を利用できるように
する仕組みです。TLSはアプリケーション・プロトコルとは独立していて、
HTTP (Hyper Text Transfer Protocol)やSMTP (Simple Mail Transfer
Protocol)、IMAP (Internet Message Access Protocol)といった、いろいろ
なプロトコルで利用できるようになっています。

以前はSSL (Secure Sockets Layer)と呼ばれていましたが、IETFでRFC2246
(*1)として標準化される際に、名称を変更してTLSと呼ばれるようになりまし
た。ただ、現在でも「SSL/TLS」と呼称されたり、「SSLサーバ証明書」など
のように、「TLS」を省いて呼称されたりすることもあります。

SSLは、Webのビジネス利用が注目され始めた1994年に開発されたもので、開
発当時は通信データのプライバシー保護に主眼が置かれていました。

TLSが提供するセキュアなチャンネルでは、

1. 通信データを暗号化することで盗聴しても内容が分からないようにする
2. 通信データが伝送される途中で改ざんされた時にそれを検出する
3. 通信相手が正しいということを確認できる

という、三つの機能を提供します。ただし、3.はTLSプロトコルそのものでは
なく、TLSで使用する電子証明書に含まれる公開鍵と、電子証明書の有効性の
チェックを併用することで行われます。

脆弱性のあるプロトコルや、強度が低くなったアルゴリズムの利用を避ける
ために、SSLについてはすべてのバージョンが、TLSについてはバージョン1.0
および1.1の利用が推奨されなくなっています(*2)。2018年6月時点で最新の
バージョンであるTLS1.3では、サーバーとクライアントの双方が利用する暗
号アルゴリズムなどを決めるためのやり取りである、ハンドシェイクを改善
し、接続の高速化を図る0-RTTや、通信データが将来解読されてしまうのを防
ぐPFS (Perfect Forward Secrecy)を必須化する、といった改良が行われてい
ます。

(*1) "The TLS Protocol", RFC2246, January 1999,
     https://www.ietf.org/rfc/rfc2246.txt

(*2) "Recommendations for Secure Use of Transport Layer Security (TLS)
     and Datagram Transport Layer Security (DTLS)", RFC7525, May 2015,
     https://tools.ietf.org/html/rfc7525

■ 参考

  JPNICニュースレター No.59 (2015年3月発行)
  インターネット10分講座「SSL/TLS 20年の歩みと動向」
  https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No59/0800.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2018年1月~2018年6月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
  1/1|257 3603 404222 586 35112 13524 6193 5262 1885 2262 903252 107363  9432 2524 1495477
  2/1|257 3604 405143 584 35189 13528 6180 5274 1886 2258 909794 104507  9431 2501 1500136
  3/1|257 3612 405934 585 35317 13501 6171 5283 1886 2256 914596 104252  9455 2490 1505595
  4/1|257 3620 407169 576 35461 13460 6154 5301 1886 2254 917863 103424  9475 2485 1509385
  5/1|257 3618 408311 575 35573 13431 6136 5274 1886 2247 920503 102946  9453 2443 1512653
  6/1|257 3623 409632 572 35655 13403 6121 5281 1886 2245 923087 102509  9462 2428 1516161
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからのIPv4アドレス割り振りとJPNICへのIPv4アドレス返却ホスト数
  (2017年12月~2018年5月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
  12 |     5120 |        0 |   93139912
   1 |     6144 |     4096 |   93141960
   2 |     3072 |        0 |   93145032
   3 |     7168 |     6144 |   93146056
   4 |     2304 |        0 |   93148360
   5 |     8192 |        0 |   93156552
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2018年6月13日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |     95 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     41 |
 ---------------------
  合計      |    187 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2018年6月14日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           429


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2018.6.13(水)~15(金)        Interop Tokyo 2018 [後援]
                               (千葉、幕張メッセ)
  2018.6.15(金)                第63回通常総会、第126回臨時理事会
                               (東京、ホテルメトロポリタンエドモント)
  2018.6.19(火)                第34回JPNICオープンポリシーミーティング
                               (東京、JPNIC会議室)
  2018.6.21(木)~29(金)        JPNIC技術セミナー(東京、JPNIC会議室)
  2018.6.25(月)~27(水)        NANOG 73 (Denver, U.S.A.)
  2018.6.25(月)~28(木)        ICANN62
                               (Panama City, Republica de Panama)
 ---------------------------------------------------------------------
  2018.7.11(水)~13(金)        JANOG42 [協賛] (三重、三重県総合文化セ
                               ンター)
  2018.7.14(土)~20(金)        IETF 102 (Montreal, Canada)
 ---------------------------------------------------------------------
  2018.8.2(木)~10(金)         SANOG 32 (Dhaka, Bangladesh)
  2018.8.5(日)~9(木)          APAN46 (Auckland, New Zealand)


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 JPNIC News & Views vol.1598 【定期号】

 @ 発行  一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
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