=====================================
__
/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.41【臨時号】2002.10.24 ◆
_/NIC
=====================================
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆ 目次
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】ICANN上海会議まもなく始まる!
【 2 】gTLD動向解説:「.org」の次期レジストリがISOCに
◆◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
◆
◇【 1 】ICANN上海会議まもなく始まる!
来たる2002年10月28日から31日にかけて、中国・上海市でICANN会議が開催さ
れます。
(事前会議は27日に開催)
今回の会議の見どころをいくつかご紹介します。
◆ICANN改革の実施計画について
前回6月のブカレスト会議で、ICANNの発展と改革に関する委員会が提案した改
革案の骨子「改革に向けての青写真」が理事会で採択された後、同委員会を中
心に改革実施のための詳細を詰める作業が行われてきました。今回の上海会議
では、10月2日に委員会が発表した「最終改革実施計画書」の内容について議
論が行われる予定です。
ICANN改革に関する日本語情報ページ
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/index.html
◆(レジストラ間での)gTLDドメイン名の移転に関する公開討論
gTLDドメイン名の登録者が、現在のレジストラから別のレジストラに変更しよ
うとした時に、現在のレジストラがそれを認めないために変更ができないといっ
たトラブルが発生しています。これは、レジストラ変更のための統一したプロ
セスが存在しないことによるものです。ICANNでは、ドメイン名支持組織
(DNSO)内のタスクフォースを中心に問題解決に向けての取り組みを行ってお
り、上海会議ではこの問題についての情報共有と、タスクフォースからの提案
内容等について公開討論が行われます。
詳細はこちら
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20021014.html
◆国際化ドメイン名(IDN)に関するセッション
IDNの重要性を広く理解してもらうことを目的に、各種の報告およびパネルディ
スカッションが予定されています。(ICANN IDN委員会のチェアである加藤幹
之氏による委員会の活動報告、IETFメンバーによるIDNA(Internationalizing
Domain Names In Applications)標準化についての報告、JPRS堀田博文氏によ
るIDNAのセカンドレベルでの実装に関する報告など)
上海会議のスケジュール等についてはこちらをご覧下さい。
http://www.icann.org/shanghai/(英語)
◆◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
◆
◇【 2 】gTLD動向解説:「.org」の次期レジストリがISOCに
ICANNは10月14日、「.org」トップレベルドメインの次期レジストリをインター
ネット関連の非営利団体であるInternet Society(ISOC)に決定しました。こ
れにより、現在のレジストリであるVeriSign社は2002年12月31日をもって
「.org」の運用を終了し、2003年からはISOCが新たに設立した非営利の下部組
織、Public Interest Registry(PIR)が業務を引き継ぐことになります。
◆なぜレジストリが変わるの?
歴史的に、世界の誰もが登録できるgTLD(.com/.net/.org)の運用管理は、
Network Solutions, Inc.(NSI。現VeriSign)が全米科学財団(NSF)との委
託契約のもと独占的に行ってきました。当時はレジストラというものは存在せ
ず、データベース管理を行うレジストリ業務と、現在のレジストラ業務に相当
するドメイン名登録をすべてNSI社が行っていたわけです。
1995年にNSI社がドメイン名登録を有料化して以降、NSI社によるドメイン名登
録ビジネスの独占状態に対し、価格・サービス面での競争がないことや、登録
ビジネスへの新規参入が阻害されるなどの批判が強まるようになりました。
ICANNはそうした問題を解決すべく、1998年の設立当初から「ドメイン名登録
サービスに競争を導入する」ことを責務の一つに掲げ、レジストリ・レジスト
ラ制度の導入などの取り組みを行ってきました。
1999年11月にICANNとNSI社との間で締結された「.com/.net/.org」レジストリ
契約では、「全ICANN認定レジストラがレジストリに公平にアクセスできるよ
うにする」(共有レジストリシステムの導入)ことが規定されました。また、
契約期間は4年間となり、NSI社がレジストリ業務を行える期間が2003年までに
限定されることになったのですが、もし18ヶ月以内にNSI社がレジストリ部門
とレジストラ部門を分離し、一方を売却した場合は、さらに4年間(2007年ま
で)延長されるということになっていました。
NSI社のレジストリ部門とレジストラ部門を分離するという条件は、レジスト
ラ間の競争をより健全なものにするためのさらなる対策として意図されたもの
でした。しかし、その後導入された共有レジストリシステムが、当初想定して
いた以上の効果を発揮し、レジストラ間の競争環境が急速に改善されるように
なったという状況の変化もあり、NSI社のレジストリ・レジストラ部門の分離
という措置がそれほど重要な意味合いを持たなくなってきたのではないかと考
えられるようになりました。
このような背景の中、2001年2月にVeriSign社(元NSI社)からICANNに対しレ
ジストリ契約改訂の提案がなされ、その結果、2001年5月に以下のような内容
の新たな契約が結ばれることになりました。
- 「.org」についてはレジストリ業務を2002年12月31日に終了し、他の組
織へ移管する。
- 「.com」についてはレジストリ業務を2007年11月10日に終了する。
(ただし、基準を満たせば4年間の更新が可能)
- 「.net」についてはレジストリ業務を2005年6月30日に終了する。
(ただし、VeriSign社も次期レジストリへの入札は可能)
これにより、VeriSign社はレジストリ部門とレジストラ部門を分離しないこと
の引き換えとして、2002年12月末に「.org」を、そして2005年に「.net」を手
放すことになったわけです。
◆新レジストリはどのようにして決まったの?
ICANNは、2002年12月末の「.org」移管に向けて、2002年4月から新レジストリ
選定プロセスを開始しました。5月には新レジストリの正式募集を開始し、こ
れに対し11の営利・非営利組織が応募しました(申請料は最終的に29,000米ド
ル)。応募者の中には、今回選ばれたISOCの他に、「.biz」と「.us」のレジ
ストリであるNeuStar社や、スイスのccTLDレジストリのSWITCH、また今回の応
募のために新たに設立された組織もいくつか含まれていました。
6月のICANNブカレスト会議では、各応募者によるプレゼンテーションが行われ、
ICANN理事会と一般聴衆の前で各自の特色をアピールする機会が持たれました。
各応募者の審査については、外部機関を含む3つの評価チームが技術面等の評
価を行い、それぞれ評価報告書をICANNに提出しています。この評価結果と一
般から受け付けたコメント等を総合して検討した結果、組織としての安定性や
技術面での信頼性といった観点から、ISOCが次期「.org」レジストリに選ばれ
たわけです。
◆レジストリ変更によるユーザーへの影響は?
新レジストリへの移行期間中も、現在の「.org」ドメイン名所有者は通常通り
のスケジュールで更新を行い、また新規登録者も従来の方式で登録申請ができ
ます。
移行後も登録要件は従来のままで、世界中の誰でも登録することが可能です。
ISOCは、「.info」のレジストリであるAfilias社から技術面でのサポートを受
けることになり、移管後は、新レジストリシステムの導入によってより迅速な
登録処理が行えるようになるということです。
[参考資料]
■ISOCホームページ(英語)
http://www.isoc.org/
■「.org」再委任についての情報掲載ページ(英語)
http://www.icann.org/tlds/org/index.html#ApplicationsReceived
■「.org」新レジストリ入札者によるプレゼンテーションの速報メモ
(2002年6月26日 ICANNブカレスト会議パブリックフォーラム)
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/memo/20020626-03.html
■ICANNからの「.org」再委任関連アナウンス翻訳
.org 提案募集要項のスケジュールと費用(2002年4月22日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020422.html
.org 再委任: 提案書提出依頼書式案(2002年5月1日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020501.html
.org再委任:受け付けた応募(2002年6月18日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020618-2.html
.org再委任に関する最新情報(2002年7月25日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020725.html
.org再委任に関する最新情報(第2報)(2002年8月4日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020804.html
ICANN理事会に報告書(案)提出:.orgはISOCが後継運用者か?
(2002年8月19日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020819.html
.org 再委任に関する最新情報(第3報)(2002年8月21日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020821-1.html
_____________________________________
■■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■■
::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
=====================================
JPNIC News & Views vol.41【臨時号】
@ 発行 - 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F
@ 問い合わせ先 - jpnic-news@nic.ad.jp
=====================================
登録・削除・変更 - http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/
■■◆ @ Japan Network Information Center
■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/
■■
Copyright(C), 2002 Japan Network Information Center

